火星への有人探査、いよいよ現実味が!
《目次:火星への有人探査「オデッセイ」》
1.イーロン・マスク氏の挑戦
民間の宇宙開発火星でもすっかり有名になったイーロン・マスク氏。
「スペースX」社が発信するニュースは、ハッとする情報だけにさまざまな憶測も飛び交います。
しかし、彼に言わせれば、なんと2020年代後半にも火星への有人探査が実現すると示唆。
一方、こんなAFPbbニュースがあります。
(AFPbbは、世界三大通信社のひとつ、フランスAFP通信社の日本語版サイト)
タイトル通り「技術的な課題はほぼ解決済み」だが、政治的な配慮が有人探査計画の未来を不確かなものにしていると言っています。
詳しくはニュースをご覧いただくとして、挙げているリスクのひとつが「惑星規模で砂塵嵐」が数か月間にわたって吹き荒れる」と。
さあ、今記事で紹介するSF映画『オデッセイ』で描かれた火星有人探査は、まさにこのリスクとの遭遇でした。
2.原作は2035年を想定
SF小説の原作『火星の人』、2035年を想定
本作『オデッセイ』は、今から10年数年後、2035年を想定。
ひと言でいえば、火星への有人探査を描いたSF&サバイバル映画です。
SF映画と言うものの、想定年のあまりの近さに驚くとともに、絵空事ではない情報データのち密さも深いものがあります。
火星名物、突然の砂塵嵐にクルーが遭遇、ひとり残されたのが飛行士のマーク・ワトニー(マット・デイモン)の生きようと執念が出発です。
動植物はおろか、空気も音もなく一切の通信からも遮断された中でマークが自らの生存に挑戦しようというのです。
■原題・原作:『火星の人』(The Martian)
(邦題『オデッセイ』は、古代ホメロスの叙事詩から、長期の放浪を意味)
※有人火星探査が開始されて3度目のミッションは、猛烈な砂嵐によりわずか6日目にして中止を余儀なくされた。だが、不運はそれだけで終わらない。火星を離脱する寸前、折れたアンテナがクルーのマーク・ワトニーを直撃、彼は砂嵐のなかへと姿を消した。ところが――。奇跡的にマークは生きていた!? 不毛の惑星に一人残された彼は限られた食料・物資、自らの技術・知識を駆使して生き延びていく。【参照:Amazon】
※著者:アンディ・ウィアー
※人類初の月面都市アルテミス──直径500メートルのスペースに建造された5つのドームに2000人の住民が生活するこの都市で、合法/非合法の品物を運ぶポーターとして暮らす女性ジャズ・バシャラは、大物実業家のトロンドから謎の仕事の依頼を受ける。それは都市の未来を左右する陰謀へと繋がっていた……。『火星の人』で極限状態のサバイバルを描いた作者が、舞台を月に移してハリウッド映画さながらの展開で描く第二作。
主演マット・デイモン
●マット・デイモン(Matt Damon)
誕生日:1970年10月8日生まれ
星座:てんびん座
身長:178㎝
出身: アメリカ・マサチューセッツ
▶おすすめの代表作品
3.クルーを襲った砂嵐
火星探査のアレス3号、クルーを襲った大嵐
NASAの探査計画の一環で、アレス3号で火星に降り立ったのは船長メリッサ・ルイス(ジェシカ・チャステイン)以下、6名の宇宙飛行士。
さまざまな探査実験とサンプル採取が目的でした。
しかし、ハプニングがクルーたちを襲います。
船外で活動中の彼らを襲ったのは、あまりにも巨大な嵐。
メリッサたちは急いで母船に避難しますが、クルーのひとりマークは行方不明となってしまいます。
●ジェシカ・チャステイン(Jessica Chastain)
誕生日:1977年3月24日
出生地:アメリカ・カリフォルニア
身長: 163 cm
▶おすすめ主演作品
4.究極のサバイバル
「火星にひとりぼっち」、究極のサバイバル始まる!
待てども戻って来ないマークの安否が気になります。
もちろん、救出策を考えるのですが強烈な嵐の中で母船自体に危険が迫り、メリッサ船長は長くとどまることは無理と判断。
断腸の思いで火星からの離陸を決断するのでした。
一方、行方不明となったマークは、強風で飛来してきたアンテナに直撃され動けずの状態でした。
なんとか力を振り絞り、半壊した居住基地にかろうじてたどり着きます。
さあ、ここからマークの生存をかけた究極のサバイバルが始まります。
5.目標は4年間の生存
4年間を持ちこたえる計算とは?
居住基地には、食料、空気、燃料など、多少の備蓄が残されていましたがいずれも限界があるのは当然。
マークは、次の探査計画によって地球から火星に宇宙船がやってくるのは4年後だということを知っていました。
さっそく食料など残された備蓄がどれだけもつか計算するのですが、もってもせいぜい1年。
しかし、エンジニアであり植物学者であるマークは、生存のために知恵を振り絞るのでした。
6.ジャガイモ栽培!
植物学者の生きるための知恵
植物学者のマークが最初に注目したのは、感謝祭用に未調理のまま保存されていたジャガイモ。
彼は、これを植えて増やすことを考えます。
次に問題となるのは飼料。
火星の土壌でジャガイモを育てることはできません。
そこでマークが考えた飼料は、他のクルーが滞在中に排出した有機排泄物でした。
すでにパック詰め処理された排泄物を、飼料としてもう一度開封する様子は本当に涙ぐましいものがあります。
7.絞り出す科学者の知恵
地球帰還に賭けた、科学者として知恵
(少しネタバレあり)
水、酸素、そして地球との交信手段…と、今ある材料を元に生きるためのアイデアを絞ります。
さあ、今作の見どころは科学者としての工夫と知恵。
ひとつひとつ課題を作り、やっつけていくマーク。
映画を見ていて、「あんまりだ!」と思わず叫びたくなる失敗も発生します。
最後、科学者であるマークが全知全能を傾けたのは地球との交信でした。
一方、地球への帰還軌道に一旦、乗ったメリッサ船長でしたが、途中でやっと地球との交信に成功します。
そして、地球からの予期せぬ情報に全員喜びに震えます!
「マークは生きている!」
8.感動のクライマックス
Kazemichiの感想と「レタス炒め」的レビュー
さあ、問題はいかにしてマークを火星から脱出させ、そして地球に帰還させるかでした。
地球への帰還途中でマークの生存を知ることになった母船アレス3のクルーたちですが、取ったその行動に驚きです。
というのも、彼ら自身も地球に戻れるかどうかがかかっていたからです。
マーク自身の勇気と知恵、NASAの地上スタッフ、そしてアレス3のクルーたちとの連携に感激です!
高ぶるクライマックスを迎えます。
そんな中、現実世界の2020年初めにこんなニュースが流れました。
1月に行われた、米航空宇宙局(NASA)の宇宙飛行士候補生の公開卒業式です。
卒業生は男女合わせて13人。
将来のミッションは、まちがいなく2度目の月面探査、そして初めてチャレンジする火星有人飛行です。
彼ら、彼女らにはもう「映画の世界」ではなくなっているのです。
《まとめ:火星への有人探査「オデッセイ」》
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