昆虫型ドローンの実戦配備、リアル映画『アイ・イン・ザ・スカイ』の恐怖

ヘレン・ミレン,アイインザスカイ
■ヘレン・ミレン《アイ・イン・ザ・スカイ》

個人的趣味から災害調査まで、空撮目的のドローンが大変身近になってきました。

しかし、もともとドローンは軍事用として開発され、敵地偵察兵器使用を目的とします。

実際に、兵器として使用されたニュースを頻繁に目にします。

この映画「アイ・イン・ザ・スカイ」(空の目)は、そんな軍事目的のドローンがテーマ。

偵察目的では、昆虫や鳥に偽装したドローンでは街中や家屋内に深く潜入。

また、ミサイルを装填した大型ドローンは、およそ地上からは補測できない高度からピンポイントで射撃してきます。

いずれも、観客が想像する以上のリアル感です。

サブタイトルは「世界一安全な戦場」。

ドローンを操作する連中は、爆音も悲鳴も聞こえない会議室にいてデータ通信だけで「戦争」をしていたのです。

(画像引用:https://www.facebook.com/EyeInTheSkyFilm/)

「鳥の目」と「虫の目」で、テロリスト組織を偵察

主人公のイギリス軍キャサリン・パウエル大佐(ヘレン・ミレン)は在ロンドン。

彼女のミッションは、アメリカ軍と合同で英国の女性テロリスト、ダンフォードを捕獲すること。

アフリカのケニア・ナイロビアで潜伏しているという情報をもとに、現地ケニア軍と連絡を取っていました。

現地では、工作員ジャマがテロリストのアジトの前に張り付き情報収集。

その方法は、ジャマのタブレットPCのより、最初に鳥型ドローン「ハミング・バード」でアジトを空撮。

次に、さらに小型の昆虫型ドローンを家の中に潜り込ませ屋内の様子を撮影、データ化した映像は即刻、本部や関連基地に送信するのです。

(ちなみに、今、恐ろしいのは小型になればなるほど廉価になり量産されているとのこと。)

▶ヘレン・ミレンの出演映画一覧

昆虫型ドローンの映像が捉えたものは?

送られてきた映像を解析するのは、アメリカ・ハワイのパールハーバーにいる画像解析班。

「虫」が撮った映像で、彼らが見つけたのはひとつの部屋に集積されたいくつもの自爆用ベストや銃器。

それは、まさにテロ決行直前を示す映像だったのです。

画像解析結果はすぐさま、ロンドンの本部「コブラオフィス」(国家緊急事態大作委員会)に送られます。

当初、本部は、テロリスト・ダンフォードを捕獲する方向だったのですが、画像分析の緊急度を重視。

急きょ、テロを未然に防ぐため、アジトを爆破することに変更するのでした。

「MQ-9 リーパー」を操作する空軍基地

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https://www.facebook.com/EyeInTheSkyFilm/

ロンドンのコブラオフィスの決定を受け、パウエル大佐が指令を出す先は、アメリカ・ネバダ州クリーチ空軍基地

この映画の面白いのは、いわば戦地はケニア・ナイロビ。

しかし、あとは指令本部(ロンドン)、画像解析(ハワイ)、空軍基地(ネバダ)と現場がグローバルに展開していること。

かつての戦争なら、近隣の基地や空母から爆撃機を飛ばすのですが、このクリーチ空軍基地は地球の反対側だったのです。

空爆指令を受けるのは、ドローン操縦士のスティーブ・ワッツ中尉(アーロン・ポール)と副操縦士の二人。

彼らは「戦地ケニア」の2万2千フィートの上空で、かねてより偵察ドローン「MQ-9 リーパー」を飛ばしていたのです。

偵察ドローンがとらえた映像は、目的のアジトの映像です。

なんと、建物に出入りする連中までピンポイントで映し出していました。

民間人が犠牲になる可能性は、確率論争

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https://www.facebook.com/EyeInTheSkyFilm/

パウエル大佐から指令を受けたネバダのワッツ中尉は、即刻、ドローン「MQ-9 リーパー」に搭載されたミサイルの照準をアジトに合わせます。

あとは、「発射!」の指示を待つばかり。

いよいよという段になり、ワッツ中尉が気付いたのはなんとアジトのすぐ横でパンを売る一人の少女。

ワッツ中尉は、アジトから少し離れているものの「高い確率で少女が犠牲」になるとパウエル大佐に伝えます。

さあ、ここからパウエル大佐、上司の国防副参謀長フランク・ベンソン中将(アラン・リックマン)、そして米英の政府要人たちが怒涛のやりとりを始めます。

「世界一安全な戦場」で出した結論は?

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『アイ・イン・ザ・スカイ』https://www.facebook.com/EyeInTheSkyFilm/

パウエル大佐は、ついに追い詰めたテロリストを一網打尽にできる絶好のチャンスと確信。

その前提で、次に、なんとか少女を助けることはできないかと、その確率をスティーブ中尉と模索。

上司のベンソン中将は、「戦争に犠牲はつきもの」として、テロが実行された場合の犠牲と今回の犠牲を天秤にかけます。

一方、米英の政府関係者は民間人の犠牲が多少なりともあると知った上で、最後の決定者になりたくないのか、判断を避けようとさえします。

「そうだ!少女がパンを売り切ってしまえば、彼女はそこを離れ家に帰る!」と、現場の工作員にパンを買い上げるよう指示が飛ぶのですが…。

まとめと感想

最後のネタバレは伏せておきましょう。

しかし、少なくとも「ハッピーエンド」の戦争ドラマではありません。

この戦場には、英雄もスターもいません。

あるのは、果てしなく離れた戦地の映像を前にし「踊る会議」をする連中だけかもしれません。


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映画の現実味 ★★★★★

映画だけの空想? ★☆☆☆☆

ヘレン・ミレンやっぱり良い! ★★★★★

今、頭のずっと上空にドローンはいるか ★★★★★

▶実際の「MQ-9リーパー」の映像です。映画では、まったく同じものが登場します。

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