父親と暮らした、遠い日々のすさまじい思い出
もし、今、あなたが父親のことを大嫌いなら、ぜひ見て欲しい映画があります。
映画『ガラスの城の約束』は、アメリカNYマガジンの人気コラムニスト、ジャネット・ウォールズの書いたベストセラー自叙伝「The Glass Castle」を映画化したもの。
ガラスの城の約束 (ハヤカワ文庫NF) [ ジャネット・ウォールズ ]
ジャネット・ウォールズは今でこそ有名になり、安定した収入と地位を得たものの彼女には大嫌いな父がいたのです。
貧しいホームレスのような生活になり下がり、連絡してくるかと思えばお金の無心ばかり。
母親もよく似たもの同士で、父親のことを本気で責めているふしがありません。
結婚を前にしたジャネットの最大の悩みは、できればフィアンセを父親に紹介したくない…
そんな悶々とした日々が、子供の頃の思い出をフラッシュバックさせながら描かれていきます。
八方破れ?いい加減?あまりにもひどかった過去
主人公ジャネット(ブリー・ラーソン)が思い起こす父のイメージ。
父親レックス(ウディ・ハレルソン)をひとことで言えば、なにをするにも八方破れだったということ。
それを豪胆と呼ぶのか、いい加減と呼ぶのでしょうか。
大人になってみれば、たくましく成長した自分がいるというのは事実かもしれません。
しかし、それをあの豪胆な父親がいたからこそと思うには、あまりにもひどいことをレックスはしてきたのでした。
●ブリー・ラーソン(Brie Larson)
誕生日:1989年10月1日(てんびん座)
出身地:アメリカ・カリフォルニア
身長: 170 cm
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●ウディ・ハレルソン(Woody Harrelson)
誕生日:1961年7月23日(しし座)
身長:177㎝
出身:アメリカ・テキサス
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ジャネットの家族は、両親と兄弟4人(ジャネットは次女)の6人でした。
父親の安定しない収入が原因で、家計のやりくりに困ると逃げるように夜中に引越すという生活。
しかし、肝心のレックスは気にする様子もなくとにかく口先ばかりです。
ジャネット(子供時代:エラ・アンダーソン)は、「本当に自分たちのことを愛してくれている?」という疑問をずっと持ち続けていました。
アルコール依存症だった父親のする約束は、いつもいい加減なものばかり。
そのひとつが映画のタイトルになった、「いずれはお前たちを『ガラスのお城』に住まわせてやる」という言葉でした。
一方、母親ローズマリー(ナオミ・ワッツ)(画像:右から2番目)も、子育てのいい加減さでは似た者同士でした。
絵画が趣味だった彼女は、子育てより絵を描くことに集中する毎日。
お腹を空かせてやってきた子供に、今は絵を描くので忙しいと言うほどです。
ある日のこと、火の使い方を満足に知らないジャネットがひとりで自炊し、大やけどして入院してしまうことに。
驚いた父親レックスが病院に駆けつけたのはいいのですが、入院費が高すぎると腹を立てる始末。
病院中に当たり散らし、そのままジャネットを連れ出してしまいます。
ジャネットが学校に行きたいと言い出すと、逃走中のおんぼろ車でそのまま野宿。
こんなことは絶対に学校では学べない、と言いたい放題の父親でした。
深夜の草原に二人で寝そべり、夜空の星を見上げながら「ほら!好きな星を言ってごらん、早い者勝ちだ!」とも。
ロマンチックで、今となっては良き思い出?
当時の幼すぎるジャネットたちには、レックスの適当な方便に従わざるを得なかったというのが現実でした。
成長するジャネット、愛想を尽かし始める
姉のローリー(サラ・スヌーク)は(画像:左端)、不満をほとんど口にしない静かな性格でした。
しかし、ジャネットは10歳を越え出したころ、自分が思っている不満をレックスにぶつけるようになります。
一番の不満は、やはり彼がお酒をやめないこと。
少女のジャネットは、思いつめた上で禁酒の約束を取り付けます。
一旦、約束を守るそぶりを見せたものの、陰で母親からお金を奪い酔っぱらって帰ってくる始末。
ジャネットは大きく傷つくとともに、進学を機についに家を出る決心をするのでした。
さて、すっかり大人に成長したジャネット。
かつて、父親と暮らした頃のことも記憶から遠ざかり、人気コラムニストとして忙しい日々が続きます。
時折、訪ねてくる母親を拒むわけにもいかず一緒に食事をするのですが、両親の生活ぶりは相変わらず昔のまま。
できれば、今後、かかわりたくないと思っている彼女がありあり見えます。
しかし、そんなジャネットには大きな悩みがありました。
それは、近々結婚するにあたり、父親に婚約者デヴィッドの紹介ができていないことでした。
理解あるデヴィッドになんとか段取りをつけ、やっと父親に引き合わせたジャネット。
二人は仲良く酒を酌み交わし、緊張もほぐれて来たと思いきやレックスの酒ぐせは全然変わっていませんでした。
レックスがデヴィッドに取った、あまりにも突然の行動にジャネットは愕然とします。
そして、多くの仕事関係者を招いて開いた結婚披露パーティだったのですが…。
もちろん、父親抜きの計画で!
エンディングで、ジャネットが取った行動に涙
映画の半分は、何も知らずに父親と暮らした子供の頃の話です。
そして、残り半分は嫌な父親の行為に、大人になったジャネットが悔しさと情けなさを噛み殺す場面が続きます。
もしあなたが、大嫌いな父親を持つひとであったとしたらきっと同感するところがいっぱい!
映画のエンディングでジャネットが取った行動に、一切の刺々しい気持ちが消えるはず。
ジャネットが、必ず作ってもらえると信じていた「ガラスの城」。
あんなどうしようもない父親だけど「約束したよね?」と病床のレックスに語りかけるところは涙が出ます。
きっと優しい気持ちが戻ってくるおススメの映画です。
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