アイルランド出身シアーシャ・ローナン、『ブルックリン』に寄せた望郷の思いと自立する女性を好演

ブルックリン
シアーシャ・ローナン『ブルックリン』

瑞々しさの光る、シアーシャ・ローナンの登場作品

シアーシャ・ローナンといえば、2020年に公開された『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』が有名ですよね。

何度か映画化された『若草物語』がベースの作品ですが、小説家を目指す次女ジョー(シアーシャ・ローナン)に焦点が当てられあらたに話題を呼んだ作品です。

1860年代の古い規範から自立していく女性が描かれています。

一方、今記事で紹介するのは、同じくシアーシャ・ローナン主演の『ブルックリン』

そこから100年が経過した1950年代、アメリカ移民の時代に生きた女性の物語です。

こちらもシアーシャ・ローナンの瑞々しさ光るおすすめ作品です。

アイルランド出身、ゆかりある『ブルックリン』

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https://www.facebook.com/BrooklynMovie/

シアーシャ・ローナンのが演じるのは、アイルランドで育った女性エイリシュ。

彼女自身も、アイルランドで育った経緯をもち、両親がアイルランド人というゆかりの国。

望郷の念にかられながらも、慣れないアメリカで生きていこうとするひとりの女性の生きざまがを演じています。

ちなみに、『ストーリー・オブ・マイライフ』も今作もアカデミー賞主演女優賞にノミネートされました。

では、『ブルックリン』とはどんな映画でしょうか。

仕事を探し、豊かな生活を求め移民した時代

アメリカが多民族国家というのはみんなが知るところです。

中でもアイルランドからの移民は19世紀半ば以降、仕事を探し豊かな暮らしを求める人たちがアメリカへと移民していきました。

アイルランドの田舎で暮らしていたエイリシュも、希望の地アメリカへ単身で移住することを決心。

過酷な長期間の船旅を経て、やっと辿り着いたのは、先に移民した人たちが住むニュー・ヨーク、「ブルックリン地区」でした。

同郷人たちの助けがあったとはいえ、慣れない仕事と生活に当初は辛い日々を過ごします。

やっと新生活に慣れだした時、届いた悲しい知らせ

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左:トニー(エモリー・コーエン)右:エイリシュ(シアーシャ・ローナン) https://www.facebook.com/BrooklynMovie/

ガマンを重ね、新地での生活にやっと慣れだしたエイリッシュ。

親しく付き合う青年トニー(エモリー・コーエン)とも巡り合い、楽しく暮らしていた矢先、故郷から届いた一通の手紙。

それは、移住に先立ちなにかとエイリッシュのことを気に掛けてくれた姉の訃報でした。

一人残された故郷の母と電話で話したとき、しばらく忘れていた望郷の念は一気に加速。

矢も楯もたまらず、エイリッシュは一旦、故郷に帰る決心をします。

実はこの時、トニーとは結婚の約束をしており、必ず戻ると約束しブルックリンを後にします。

戻らないつもりだった故郷…、新たな出会いが

久々に帰った故郷アイルランド。

懐かしい景色は、エイリッシュを温かく迎えてくれます。

かつての旧友たちとも再会し、忘れていた思い出が一気に蘇ります。

姉の墓参も済ませ、ブルックリンでの生活もしばし忘れる日々が続きます。

そんなある日、エイリッシュは旧友に誘われパーティに参加することに。

そこでエイリッシュは、ジム(ドーナル・グリーソン)という地元の青年を紹介されます。

開放感から、次第に薄らぐ「ブルックリン」

二度と戻らないつもりだった故郷、そこには開放感に浸るエイリシュがいました。

新しい出会いが、新しい運命をたぐりよせていきます。

彼女自身が気付かないうちに、ジムに傾く気持ち。

そして、エイリシュはなんとジムからプロポーズを受けたのです。

一方、ブルックリンで結婚の約束をしていたトニーは、エイリシュに手紙を出していました。

印象に残るシーン、それは読まれない手紙が部屋の引き出しにしまわれていたのです。

「二つの故郷と二つの愛」、ゆらぐエイリシュ

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https://www.facebook.com/BrooklynMovie/  【YouTube:予告編】

ブルックリンを離れる時、トニーはもちろん周囲の人たちに戻ると約束した期間はあっという間に過ぎていきます。

本作のキャッチコピーで「二つの故郷と二つの愛」とありますが、エイリシュの心のゆらぎを語ってくれます。

彼女を決心させたのは、意外にも街の人の声でした。

赤レンガの壁にもたれ、人待ち顔のエイリッシュ。

大人になっていく彼女の、自立への決断のように見えないでしょうか。

その決断は、ちょうど『若草物語』でのジョーとローリーの関係でもあるように思います。

まとめ~成長の節目を描く3部作~

シアーシャ・ローナンが若くして、アカデミー賞主演女優賞ノミネートとなった作品はもう一作あります。

それは、『レディ・バード』です。

こちらは、17歳の高校生役だったのですが、悩みの多かった高校生活も終わり、大学進学をした彼女の「ある決心」がすごく印象的な映画です。

『ブルックリン』『レディ・バード』『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』と、2年ごとに主演した作品でいずれも賞対象になった彼女。

どの作品も、大人になっていく女性の成長期の節目を描いた秀作で、そこには主演女優シアーシャ・ローナンの決意があるように思えてなりません。

参考:卒業・入学式、旅立ちの日のおすすめ映画『レディ・バード』

参考:シアーシャ・ローナンの『若草物語』最新作、女性の生き方に焦点が!

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