
原題は「Ex Machina」。
あえてラテン語でつけた「機械仕掛け」というタイトルが皮肉に思えるこの作品。
実は高度なAI(人工知能)を扱ったSF映画です。
しかし、AIだからといってSFという脈絡はありません。
なぜなら、今作が公開されてから10年以上、「試作」と「テスト」そして「改良」は現在進行中の現実そのものだからです。
(冒頭画像:引用https://www.facebook.com/ExMachinaMovie/)
あらすじ:AIの試作品、完成度を確認するテストとは…

テーマは、人工知能を搭載した女型ヒューマノイドの試作品を調べるという、一見、いかにもありそうな話です。
しかし、人間に限りなく近づけた「作品?」の完成度を調べるのに生身の人間を使うとどうなるの?
仮にAIの方がまじめな人間より勝っていたらどうなるの?そんな疑問を孕んだのが今作です。
テストを任されたのは若手プログラマーのケイレブ・スミス(ドーナル・グリーソン)。
彼が「エヴァ」(アリシア・ヴィキャンデル)と名付けられたヒューマノイドと対峙していく中で、その完成度が見えてきます…。
●アリシア・ヴィキャンデル(Alicia Vikander)
誕生日:1988年10月3日生まれ
星座:てんびん座
身長:168cm
出身:スウェーデン
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チューリングテストで探る、人間としての違和感

ケイレブは大手検索サイト企業のプログラマーで、社長ネイサン・ベイトマン(オスカー・アイザック)が募集した研究助手に当選。
仕事は、社長が秘密裡に開発したAIロボット「エヴァ」のチューリングテストをすること。
具体的には、直接エヴァと接して人間として違和感がないかどうかを確認することでした。
ケイレブは、はじめて会ったエヴァの姿に驚きます。
女性とわかる優し気な顔以外は、なんと体の内部が透けて見えるスケルトン仕様だったのです。
それはあえて、機械を人間と思わせないためなのでしょうか?
すでに言語機能が完ぺきなエヴァは、ケイレブとコミュニケーションを取り始めます。
●ドーナル・グリーソン(Domhnall Gleeson)
誕生日:1983年5月12日生まれ
星座:おうし座
身長:185㎝
出身:アイルランド
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※レイチェル・マクアダムスとの共演で、最高にさわやかな映画です!
※脇役ですが、同じアイルランド出身のシアーシャ・ローナンと故郷を描きます。
AIエヴァが初めて会話する人間、監視するのも人間
エヴァはケイレブに自己紹介したあと、「ネイサン以外の人間に会うのは初めて」だと言います。
ケイレブも、自分自身の生い立ちなどをエヴァに伝えていきます。
およそ、ロボットと人間との会話と思えない自然なやりとりが続く二人(?)。
ただ、このやりとりをネイサン社長はモニターによってチェックするのでした。
●オスカー・アイザック(Oscar Isaac)
誕生日:1979年3月9日生まれ
星座:うお座
身長:174cm
出身:アメリカ・フロリダ
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※アンドロイドを開発するIT会社の社長。試作品の性能をテストしたら、結果、物語は想定外の方向へ飛躍!
AIにウソをつける能力は?予期しない言葉に…

少しづつ関係(?)を近づけていく人間とAIですが、ある時、突然部屋の電気が消えます!
驚いたのはケイレブ。
電気が消えたこともあるが、次にエヴァが自分に囁いた言葉にさらに驚きます。
「信用しないで、ネイサンの言うことを」。
まさか、エヴァは電気が消えてネイサンのモニターが作動していないことを知っていたのでしょうか?
「外に出たらどこへ行きたい?」、のめりこんでいく人間

ケイレブは、もしかしたらエヴァの完成度は人間並み、いやそれ以上かもしれないと思い始めます。
そして、いつも部屋に閉じ込められた状態のエヴァに対して、ケイレブが尋ねます。
「外に出たら、どこか行きたいところはある?」
ここから連れ出してほしいというエヴァの答えを聞き、ケイレブは次第にエヴァにのめり込んで行くことに…。
ラストシーンが教えてくれる、AIが待つ未来社会…
ここで湧き上がる今作の疑問は、いよいよAI社会が本格化する現代の疑問でもあります。
そもそもネイサンが人間男性を連れてきて、テストしたかった本当の目的とは何なのでしょう?
女型ヒューマノイドによって、ケイレブの感情操作の可能性をテストしていたとしたら、エヴァはすでに完成品?
最後の最後まで、AIを作る人間と「試作品AI」、そしてテストと称して向き合ったまじめな人間の顛末に翻弄される映画です。
もちろん、答えはラストシーンが教えてくれます。
まとめ:SFスリラーと言われる所以がわかる!

この映画で一躍有名になったエヴァ役のアリシア・ヴィキャンデル。
愛くるしい表情を維持しながら、感情を一切入れないヒューマノイドを好演しています。
しかし、途中から「機械仕掛け」どころか人間以上?に変貌する様子はスゴイのひと言!
この映画が、SFスリラーとも言われる理由が最後にわかります!
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