ヴィゴ・モーテンセンとマハーシャラ・アリのダブル主演で話題となった映画『グリーンブック』。
2019年の第91回アカデミー賞で、作品賞・脚本賞・最優秀助演男優賞(マハーシャラ・アリ)の3部門を受賞した作品です。
人種差別が今よりもっと強かった1960年代のアメリカ南部を舞台に、天才黒人ジャズピアニスト※”ドクター・シャーリー“と彼に雇われたがさつなイタリア系白人運転手トニー・リップとの交流を描いた本作品。
今回は、映画『グリーン・ブック』のキャスト・あらすじ・みどころについて紹介します。
映画『グリーンブック』:予告編と作品情報
【作品情報】
映画タイトル | グリーンブック |
原題 | Green Book |
監督・脚本 | ピーター・ファレリー(脚本)ニック・ヴァレロンガ、ピーター・ファレリー、ブライアン・カーリー |
出演 | ヴィゴ・モーテンセン、マハーシャラ・アリ、リンダ・カーデリニ、ディミタール・D・マリノフ、マイクハットン、セバスティアン・マ二スカルコ他 |
公開日(上映時間) | 2018年(130分) |
映画『グリーンブック』:あらすじ
1962年のアメリカ。
ニューヨークの一流ナイトクラブ・コパカバーナで用心棒をして働くトニー・リップ(ヴィゴ・モーテンセン)。
彼は腕っ節があり、粗野な性格ながら人情味のあるイタリア系アメリカ人です。
乱暴ながらも優しさも兼ね備えているので、クラブの仲間や家族からは信頼されています。
ある日、改装のために店が一時閉店してしまいます。
職探しを考えるトニー。
そんな中、なぜかトニーの元に、黒人天才ピアニスト※ドクター・シャーリー(マハーシャラ・アリ)からスカウトの連絡が。
「アメリカ南部へのコンサートツアーの運転手として、働いてほしい」
失業中のトニーは、家族のためにドクター・シャーリーのツアーに同行することを決心します。
クリスマスまでの8ヶ月のツアーの中で、起きる出来事と芽生える友情。
そして、クリスマスの夜に彼らに起きるささやかな奇跡とは?
■※「ドクター・シャーリー」のモデルとなった実在ドン・シャーリー【管理人・選】
ドン・シャーリーの真髄:日本独自企画盤(最新リマスター・解説付)
※2019年3月に日本公開されアカデミー作品賞、助演男優賞、脚本賞の3部門を受賞した映画『グリーンブック』でその人生にスポットライトが当てられた伝説のジャズ・ピアニスト、ドン・シャーリー。コンポーザーとしての才能も高く評価され、1950年代に全米で一斉を風靡しながらも、日本ではほぼ情報が無くジャズファンには『グリーンブック』公開まで無名だった幻のアーティスト。
■アーティスト:ドン・シャーリー
本名はドナルド・ウォルブリッジ・シャーリー(Donald Walbridge Shirley、1927年1月29日生まれ)。2歳の時から母親にビアノを教わり18歳でボストン・ポップス・オーケストラにてコンサート・デビューを飾る。その後、1960年代の間、シャーリーは熱心にコンサートツアーを行ったが、行き先にはディープサウスも含まれていた。(中略)数々の博士号を取得していた事から「ドクター・シャーリー」との名でも知られた。彼は1950年代から1960年代にかけてケイデンス・レコードで多くのアルバムを収録したが、その内容はクラシック音楽の影響を受けた実験的なジャズであった。(中略)2013年4月6日、86歳でこの世を去った。【引用。Amazon】
監督のピーター・ファレリーについて
ピーター・ファレリーは、コメディ映画を得意とするアメリカ出身の監督です。
弟のボビー・ファレリーとともにファレリー兄弟として、『ジム・キャリーはMr.ダマー』、『メリーに首ったけ』、『愛しのローズマリー』、『2番目のキス』など数々の作品を残しています。
その作風は、少し特徴のある人を登場させ、その人をどこか温かい視線でみつめているところ。
ちなみに本作は、ピーター・ファレリー単独で監督した作品です。
主なキャストの紹介
ここからは、映画『グリーンブック』の主要キャストについて紹介します。
ヴィゴ・モーテンセン/トニー・リップ役
主人公のがさつなイタリア系アメリカ人、トニー・リップ役を演じるのは、ヴィゴ・モーテンセンです。
映画『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズ(01~03)のアラゴルン役やデビッド・クローネンバーグ監督の『ヒストリー・オブ・バイオレンス』(05)、『イースタン・プロミス』(07)などの作品や『はじまりへの旅』(16)などの話題作に出演。
2021年には、初監督作品『フォーリング 50年間の想い出』も公開。
本作では、それら作品の印象とは大きくイメージが変わり恰幅のよい体型になっています。
誰だかわからないほどです。
彼は役作りのために、寝ては食べ、寝ては食べてを繰り返し20キロの増量をして挑んだといいます。
本作で、ホットドック食い競争でホットドックを26個食べたというシーンが出てきますが、実際のトニー・リップは、これに加えてそのままのピザを切らずに半分に折って平らげたとか。
実際のトニーも相当な大食漢だったようです。
こちらは、増量していないヴィゴ・モーテンセンです。
本作との体型の違いを確かめてみてください!
日本の俳優・石橋凌とは、映画で共演したのをきっかけに仲が良くなり、日本で温泉に行ったなんてエピソードも!
実は、日本好きなんだとか。
●ヴィゴ・モーテンセン(Viggo Mortensen)
誕生日:1958年10月20日生まれ
星座:てんびん座
身長:180㎝
出身:アメリカ・ニューヨーク
▶おすすめの代表作品
マハーシャラ・アリ/ドン・シャーリー役
天才ピアニスト、ドン・シャーリーを演じるのは、マハーシャラ・アリです。
デビット・フィンチャー監督の『ベンジャミン・バトン・数奇な人生』(09)で、捨てられた赤ん坊のベンジャミンを妻と共に育てる夫役としてデビュー。
『ムーンライト』では、主人公を支え、応援する、麻薬ディーラーのファン役で印象的な演技を披露し、第89回アカデミー助演男優賞を受賞しています。
マーベル作品で過去大ヒットしたウエズリー・スナイプス主演『ブレイド』のリブート作品にも主演。
この作品の企画は、マハーシャラ・アリが直接マーベルスタジオに持ち込んで実現したのだとか。
どんなアクションを見せてくれるのでしょうか?
●マハーシャラ・アリ(Mahershala Ali)
誕生日:1974年2月16日生まれ
星座:みずがめ座
身長:188cm
出身:アメリカ・カリフォルニア州
▶おすすめの代表作品
※ぎこちない関係の二人が演奏旅行へ。しかし、最後は心温まる素晴らしい映画です!
リンダ・カーデリーニ/トニー・リップの妻 ドロレス
トニー・リップの妻、ドロレス役を演じるのは、リンダ・カーデリーニです。
テレビドラマ『ER緊急救命室』のサマンサ・ダガート役や『ブラットライン』のメグ役で出演。
映画は、アン・リー監督の『ブローク・バックマウンテン』(05)、マーベル映画『アベンジャーズ/エイジ・オブウルトロン』(15)でアベンジャーズの一員、ホーク・アイの妻役として出演しています。
ちょっと出てくるだけですが、気になる存在感を放っています。
●リンダ・カーデリーニ(Linda Cardellini)
誕生日:1975年6月25日生まれ
星座:かに座
身長:160cm
出身:アメリカ・カリフォルニア州
セバスティアン・マニスカルコ/ドロレスの兄ジョニー・ヴェネス役
トニー・リップの妻ドロレスの兄ジョニー・ヴェネスを演じるのは、セバスティアン・マニスカルコです。
スタンダップコディアンとして、活躍。
映画出演は本作のほか、マーティン・スコッセッシ監督の『アイリッシュマン』(19)があります。
この作品では、イタリア系マフィア・クレイジージョーを演じています。
今後は、コメディ映画『About My Father(原題)』でロバート・デ・ニーロと親子役で共演予定だとか。
公開時期は未定ですが、気になるところです。
映画の題材になった、グリーンブックとは?
映画のタイトルとなったグリーンブックは、ハーレム(アメリカニューヨーク州)の郵便配達員 ヴィクター・H・グリーンによって出版された旅行ガイドブックのことです。
そこには、黒人が差別されることなく安心して旅行ができる宿の情報だけでなく、レストラン・ナイトクラブ・ガソリンスタンド・美容院の情報までもが載せられていて、黒人旅行者のバイブルとなりました。
逆にいえば、「グリーン・ブック」を必要ならしめていた人種差別があったからこそで、差別撤廃を目指しじきに廃刊。
このガイドブックは、なんと1936年~1967年までの31年間もの間、毎年発行されていたのです。
映画『グリーンブック』:見どころ
映画『グリーンブック』のみどころをいくつか紹介します。
①トニー・リップとドクター・シャーリー、変わっていく様子に注目!
ヴィゴ・モーテンセン演じるトニー・リップ。
彼は、妻と子供を愛する家族思いの男。妻への接し方、ベットで寝ている息子にキスをする姿ひとつひとつに愛情を感じさせます。
しかし、黒人への差別は、他の白人同様持ち合わせている面が。
(妻の雇った黒人の作業員が飲んだコップを、妻の見ていないところで隠れて捨ててしまったりします。)
そんなが彼が、天才ピアニストのドクター・シャーリーと交流していく中で、彼の音楽の才能、人間性、黒人社会の現実を理解しながら変わっていく姿に注目です!
天才ピアニスト、ドクター・シャーリーも同様です。
トニー・リップのがさつな性格に呆れながらも、旅を通して彼の飾らない人柄を理解し、自分も何かから解放されていく姿に注目です。
(それとは別に、あることをきっかけに自分の思いを吐き出すシーンには、心打たれますよ!)
②がさつな男トニーと紳士的なドクター・シャーリー、好対照が面白い。
何かと口汚い言葉を話すトニー・リップと丁寧な立ち居振る舞いのドクター・シャーリー。
この2人の好対照に注意して鑑賞してみてください。
(ケンタッキーフライドチキンを2人で食べるシーンとそのやりとりは、まるで、やんちゃ坊主とそれを諭す母親のようです。)
③実在のトニー・リップは、俳優としても活躍していた!
映画『グリーンブック』の主人公トニー・リップの本名は、トニー・ヴァレロンガといいます。
ブロンクスでデタラメが一番上手いということから、トニー・リップと名付けられました。
実在のトニーは、俳優としても活躍。
なんと、フランシス・フォード・コッポラ監督の『ゴット・ファーザー』ではちょい役、マーティン・スコッセッシ監督の映画『グッドフェローズ』や『フェイク』などの作品には、役名ありで出演しているんです。
息子のニック・ヴァレロンガは、俳優であり脚本家です。
本作でも脚本・製作を担当しています。
俳優としてもトニー・リップのボス・オーギー役として出演。
本物のトニーの息子として、父親の面影を感じながら観ても面白いかもしれませんね。
ちなみに、最近公開した、ロバート・デ・ニーロ、モーガン・フリーマン、トミー・リー・ジョーンズ主演の映画『カムバック・トウ・ハリウッド』では、ギャングのボス役で出演しています。
実は、トニー・リップの実際の家族もトニーの家族役として出演しています。
どこで出てくるかは、映画の中で確かめてみてください!
まとめ
映画『グリーンブック』のキャスト・みどころを紹介しました。
天才黒人ピアニストとイタリア系アメリカ人のバディムービーである本作品。
映画を観たあとは、きっと、温かい気持ちに包まれるはずです!
まだ観ていなかったら、ぜひともご覧ください!
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