「愛を読むひと」のダフィット・クロス主演『キーパー ある兵士の奇跡』

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名作『愛を読むひと』や主演のケイト・ウィンスレットは知っている人は多いかもしれません。

しかし、「ダフィット・クロス」と聞くと思い起こすのにちょっと時間を要する人も。

彼は、『愛を読むひと』でケイト・ウィンスレット演じるハンナに恋焦がれた青年マイケルを演じていました。

ハンナの悲運にとめどなく涙した一方で、20歳も離れた年上の女性に恋するもどかしさを好演した彼に好感をもった人がたくさんいました。

その彼が、あれから10年を経過し、今度は話題作『キーパー ある兵士の奇跡』で主演することとなり、注目を集めています。

第二次大戦の記憶と、傷跡の残る時代

映画タイトルの「キーパー」とは、サッカーの「ゴールキーパー」のことです。

実話映画の主人公となるのは、イギリスの名門サッカークラブ「マンチェスター・シティFC」の元ゴールキーパー、バート・トラウトマン

彼は、ドイツ人でありながらイギリスのサッカーチームを何度も優勝に導いた名GKです。

同じドイツ人のダフィット・クロスが彼の波乱の半生を演じます。

時代背景は、第二次大戦直後で、ヨーロッパに限らず世界は早くそのショックから立ち直ろうとスポーツや文化交流に励んでいました。

しかしその一方で、人々の心に残る戦争の傷跡が根深かったのも事実でした。

『愛を読むひと』と同じ、不条理な時代を背景

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と、ここまで書くと思い起こすのは、ダフィット・クロスが好演した『愛を読むひと』と同じ背景。

その時代の不条理を思い起こさずにはいられません。

あの映画も、戦争は終わった話なのにいまだ清算できない人たちによって悲劇が生まれていきます。

マイケルが恋した年上の女性は、戦時中にユダヤ人捕虜収容所で仕事をしており彼女はそのことで罪に問われていたのです。

あまりにもつらくて悲しい結末があの映画のテーマでした。

さて、この映画のテーマもひとりの人間の単なる伝記に終わることなく、当時の不条理さが浮かび上がってきます。

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名門チームのGKは、元敵国のナチス兵

今でこそ、各国のプロ・スポーツチームは出身国に関係なく、世界から優秀な人材を集めるのは普通のことです。

最初は、トラウトマンも地元のサッカーチームでの力量を認められ、その後名門「マンチェスター・シティFC」に入団しています。

アスリートとしては問題なく「戦後」でした。

しかし、すぐにわかったのが彼の国籍がドイツであり、しかも悪名高い元ナチスの空挺兵だったこと。

終戦でイギリスの捕虜になったドイツ兵のうち、数少ない生き残りのひとりだったのです。

ファンから受ける誹謗中傷の嵐…

空挺兵といえば、イギリス国民が想起するのは「ロンドン大空襲」です。

空爆で、まさにロンドン中を火の海にしたドイツ空軍の兵士だったことがわかったのです。

サッカーチームの地元民には、ユダヤ人が多く住んでいたこともあり彼の入団にはチームのファンが大反対。

試合中のヤジは容易に想像できます。

この間、トラウトマンはマーガレット(フレイア・メーバー)と結婚。

しかし、世間は夫婦そろって誹謗中傷をし続けるのです。

 

 

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イギリスとドイツ、融和の架け橋に

戦争が残す傷跡は政治的な解決も長引く中で、人々にはもっとトラウマやPTSDとなってこころに残りがちです。

『愛を読むひと』では、それにより主人公ハンナの生涯は踏みにじられてしまいます。

バート・トラウトマンの場合はどうだったでしょう。

映画的ネタバレは劇場で確認して下さい。

(公開日:10月23日日)

当時の「マンチェスター・シティFC」の主将エリック・ウェストウッドは、バート・トラウトマンを迎え入れた時、世間の反対する声にこういったと言われています。

「シティのロッカールームに、もう戦争はない」と。

そして、サッカーを通じて両国友好改善に尽力した彼の功績をたたえ、ドイツ連邦共和国功労勲章(1997年)名誉大英帝国勲章(2004年)が授与されたことを付け加えておきましょう。

 

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