『アイリッシュマン』あらすじとペンキ屋の意味、実話マフィア映画といえばスコセッシ監督!

アイリッシュマン,ロバート・デ・ニーロ
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映画『アイリッシュマン』は、第二次大戦後まもないアメリカでいわゆる裏社会に生きた殺し屋家業、フランク・シーラン(ロバート・デ・ニーロ)の自伝的実話物語です。

フランクが死ぬ前に語った回想録、「I Heard You Paint Houses」(チャールズ・ブラント作)を原作に、マーティン・スコセッシ監督が映画化した話題作です。

今記事では、「アイルランド人」を意味する「アイリッシュマン」、そして世にも恐ろしい原題の意味を解説していきます。

登場する主要人物は3人。

主人公フランク・シーランに加え、フランクが仕えたシチリア出身マフィアのボス、ラッセル・バファリーノ(ジョー・ペシ)

ラッセルの紹介で、フランクへの「仕事」の発注人となった政財界の黒幕ジミー・ホッファ(アル・パチーノ)

3人の悪行を軸に、当時の混沌としたアメリカがあぶり出されます。


アイリッシュマン(上) (ハヤカワ・ノンフィクション文庫) 

「アイリッシュマン」の意味は、アイルランド出身者…


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映画タイトル「アイリッシュマン」の意味は、アイルランド出身の移民であるフランクを指しています。

1950~60年代のアメリカで、いくら実名で登場する3人と言っても、日本ではほとんど馴染みがありませんよね。

しかし、移民で成り立つアメリカの当時の「裏社会」「闇社会」の実態を少しでも知っている人には多少なりとも知れた名前なのです。

なにより、今も謎の多い元大統領ジョン・F・ケネディの暗殺にもかかわっていた可能性の示唆や、弟ロバート・ケネディ司法長官との駆け引きなどのシーンは日本人でも興味を示さずにはいられません。

そして、映画の冒頭にも出てくる「I Heard You Paint Houses」

これは、政財界の黒幕ジミーが、ラッセルからフランクの紹介を受けた時に言ったセリフです。

「フランク、お前は家のペンキ塗りをやっているんだろ?」

そのスラングは、とんでもない意味を持っていたのです。

『アイリッシュマン』、あらすじと主要登場人物

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左:ラッセル(ジョー・ペシ)中央:フランク(ロバート・デ・ニーロ)右:ジミー(アル・パチーノ)https://www.facebook.com/TheIrishmanFilm/

 

アメリカ社会を牛耳った、ジミー・ホッファ

「ペンキ塗り」とは、なんと人を殺した時の血しぶきで家の壁が染まること!

フランクの「仕事」をペンキ塗り、つまり「殺し屋なんだって?」と確認したわけです。

そもそもジミー・ホッファは、全米トラック運転組合の委員長として豊富な運営資金を運用できる立場にありました。

資金力にモノを言わせ、政財界はもとより裏社会への融資をテコにマフィアとも繋がるという、文字通り当時のアメリカ社会を裏で牛耳る存在でした。

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ジミー・ホッファ(アル・パチーノ)https://www.facebook.com/TheIrishmanFilm/

ジミーがフランクに期待したのは、自分の仕事の邪魔になる者を殺すという汚れ仕事。

もともと収入の少ないトラック運転手だったフランクは、家族のためにと割り切り悪事に手を染めていきます。

フランクが殺し屋家業に向いていると見抜き、リクルートしたのがマフィアのボス、ラッセルでした。

雇い主から言われるまま、平然と人を殺せるのはフランクの戦時中の経験にありました。

ヒットマン「フランク・シーラン」の殺し屋家業

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左:ラッセル(ジョー・ペシ)右:フランゥ(ロバート・デ・ニーロ)https://www.facebook.com/TheIrishmanFilm/

フランクが語る、大戦中の兵役時代の経験はこうでした。

上官から、つかまえた捕虜を山中に連れて行けと命令される。しかし、その後のことは何も言われない。

黙々と穴を掘る捕虜たち。その時、フランクはそのまま殺して埋めるという理解をするのです。

映画の中で、フランクがヒットマンとして数々の暗殺をこともなげに実行する様子が映し出されます。

見どころは、フランク演じるロバート・デ・ニーロの、感情をあまり表に出さずに「フッ」と表情を変える瞬間。

言われたことは確実に実行し、何もなかったかのように去っていく…。

ロバート・デ・ニーロの、殺人マシーンになり切った自然な演技は恐ろしくさえあります。

ギャング映画の名優・俳優、そして監督がそろい踏み

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左:アル・パチーノ 中央:マーティン・スコセッシ監督 左:ロバート・デ・ニーロ https://www.facebook.com/TheIrishmanFilm/

さて、この映画の見どころのひとつが、マフィアあるいはギャング映画の常連ベテラン俳優が久々の揃い踏みであること。

禁酒法時代のギャングを描いた『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』(1984年)、70~80年代のラスベガスを描いた『カジノ』(1995年)などで一世風靡したロバート・デ・ニーロ、ジョー・ペシが今回も共演します。

また、イタリア系アメリカ人のドン、コレルオーネを描いた『ゴッドファーザー PART II』(1974年)では、アル・パチーノとロバート・デ・ニーロが共演しています。

それぞれの映画で見せる彼らの凄味は、「本物」のマフィアそのもの。

3人に加え、監督は数々のマフィア映画やギャング映画を撮ってきたのがマーティン・スコセッシ監督です。

往年のファンにはたまらない、まるで同窓会の様相を呈しています。

参考:『カジノ』

「アイリッシュマン」、長いが退屈しないエンディング

(最後のネタバレなし)

3時間以上の長い映画ですが、後半以降、クライマックスに向けた緊張感が持続していきます。

ひとつは、突然のケネディ大統領の暗殺ニュースに唖然とする彼らの顔。

しかし、その表情から本音を見ることはできません。

アイリッシュマン,ロバート・デ・ニーロ

言えることは、マフィアたちには大きなエポックとなります。

もうひとつは、少しネタバレになりますが、絶妙のバランスで保たれていた主役3人の間に流れる不穏な空気

ベテラン俳優3人の、時に荒々しく時に静かに感情を表す場面をぜひ楽しんで下さい。

バイオレンスだけでない、最後の「死」の意味!

実はこの映画、「ペンキ塗り」から連想する血なまぐさい殺し合いばかりではありません。

かと言って、アクション映画によくあるスッキリ感もありません。

大きな特徴は、ひとつの時代に生きた人間の「詰まるところの行先」まで追っています。

どんなに覇権や栄華を極めようが、また、どんなに悪事の限りを尽くしても、最後に迎えなければならない「死」について知らしめてくれます。

参考記事:NETFLIX独占配信『アイリッシュマン』。三浦瑠麗氏が身じろぎしなかった3時間!

追伸

アン・ハサウェイ主演の映画『マイ・インターン』は、悩む女社長と定年後の見習社員(ロバート・デ・ニーロ)との交流を描いた、心温まるドラマ。

しかし、お気を付けください。

もしロバート・デ・ニーロのイメージが『マイ・インターン』だったら、『アイリッシュマン』は見ない方がいいでしょう

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