カトリーヌ・ドヌーヴ『昼顔』から『真実』まで、現在も続くファム・ファタールの世界観

カトリーヌ・ドヌーヴ,昼顔
引用:GQFrance

『昼顔』は、日テレドラマのモデルとなった映画

カトリーヌ・ドヌーヴは、フランス映画を代表する女優です。

ドヌーヴの代表作のひとつに、『昼顔』があります。

原題名(Belle de jour昼間の美人)をうまく日本語に置き換えた「昼顔」は、映画のストーリーを知るとなお、隠された意味を知ります。

(上戸彩が主演した、少し前の日本のテレビドラマ『昼顔〜平日午後3時の恋人たち〜』のモデルとなった映画)

1960年代、カトリーヌ・ドヌーヴは20歳代で多くのフランス映画に登場しているのですがご覧の通りの美貌です。

一見、貞淑そうに見え実は秘密を隠し持ったような彼女の魅力は、実生活の男性遍歴と相まってどの映画でも注目を集めたようです。

なんともアンニュイなイメージは多くのファンに支持され、特にスキャンダラスな『昼顔』は人気作となりました。

●カトリーヌ・ドヌーヴ(Catherine Deneuve)


Catherine Deneuve (画像:Amazon)

誕生日:1943年10月22日(てんびん座)

身長:168cm

出身:フランス・パリ

▶カトリーヌ・ドヌーヴの出演映画一覧

▶おすすめの代表作品


シェルブールの雨傘(予告編)


昼顔 (予告編) 

※いずれもカトリーヌ・ドヌーヴの代表作で、かつてのフランス映画の世界観とカトリーヌ・ドヌーヴの魅力をたっぷり楽しめます。

現在も活躍、フランス女優「カトリーヌ・ドヌーヴ」

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https://www.facebook.com/catherinedeneuvedorleac

ところで、1960年代で20歳代と言われると今いくつ?って思ってしまいますよね。

彼女の誕生日は、1943年10月22日。

実は、彼女は今も現役で活躍する女優なのです。

最近では、『万引き家族』で有名な日本の映画監督是枝裕和氏『真実』で主演し話題となりました。

今記事では、タイトルにあるように『昼顔』から『真実』まで、半世紀たっても変わらないカトリーヌ・ドヌーヴの魅力について紹介しましょう。

▶是枝裕和監督作品一覧

彼女をひとことで言えば、運命の女を表すフランス語、ファム・ファタール(Femme fatale)ではないでしょうか。

フランス版『GQ』誌では、「映画の中のファム・ファタール25人」に取り上げられたこともあります。

『昼顔』は、娼婦館に出入りする貞淑な妻

 

『昼顔』の主人公は、何の不自由もなく優しい夫と暮らす貞淑な妻セヴリーヌ(カトリーヌ・ドヌーヴ)。

若き外科医である夫ピエールを愛しているものの、夫婦生活についてはその気になれない彼女がいました。

ある時、友人との何気ない会話で娼婦館で仕事をする知人がいることを聞かされます。

友人は知人のことをふしだらな女だと言い捨てるのですが、セヴリーヌにはなぜか心に残ることに。

彼女が時折見る白昼夢の凌辱シーンと重なり、ある日、意を決して娼館のドアをノックしたのでした。

高級娼館とはいうものの、相手をさせられる客の多くは性的な変質者。

しかし、ためらったのは最初だけで、むしろそこで昼間を過ごすことに安ど感をもちはじめたセブリーヌがいました。

思わぬところから、夫婦関係の破綻へ

昼間は客を取り、帰宅するとあとは何食わぬ顔で夫と接するセブリーヌ。

彼女の顔からは、罪悪感は一切感じ取れません。

大きな目で、どこか焦点を少し外したような表情で演じるカトリーヌ・ドヌーヴを見ていると、セブリーヌの本質と被るようです。

考えれば、役に憑依することこそ女優の本質なのかもしれませんね。

映画の顛末は、予想通り夫婦生活は破綻に向かっていきます。

唖然とするエンディングこそ、今作のテーマかも

セヴリーヌが相手をしたひとりの性質の悪い男。

彼に惚れられてしまい、自宅まで尾行されてしまったのが運の尽きでした…。

『昼顔』の意外なエンディングは伏せておきます。

この映画が面白いのは、セヴリーヌの頭を支配していた「凌辱の白昼夢」。

映画は現実と夢が交錯しながら進んでいくのですが、どちらもセブリーヌの性癖が故の妄想と思えば、彼女こそ男の運命を変える「ファム・ファタール」だったのではないでしょうか?

そして、最近作『真実』で語られたことは?

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『真実』:ファビエンヌの出版記念に訪れた娘家族と(https://gaga.ne.jp/shinjitsu/)

さて、冒頭で紹介したカトリーヌ・ドヌーヴ主演の最近作『真実』は、『昼顔』とストーリー上の脈絡は一切ありません。

共通なのは、どちらも変わらぬドヌーヴらしい演技と結末だということ。

「あの人は今」風に言えば、『昼顔』から半世紀を経過した彼女の面立ちや風貌が変わっているのは否めません。

『真実』の内容は、フランス映画の大女優が発刊した自叙伝にまつわる話です。

カトリーヌ・ドヌーヴが演じた大女優の名前は、ファビエンヌ・ダジュヴィル

ちなみに、「ファビエンヌ」はカトリーヌ・ドヌーヴのミドルネームです。

主人公ファビエンヌに、カトリーヌ・ドヌーヴを被せているのは容易に想像できます。


真実(予告編) 

「ママ、あなたの人生 嘘だらけね…」と言われ

物語は、女優ファビエンヌが自叙伝を発刊したお祝いに、アメリカから娘たち(リュミール=ジュリエット・ビノシュ)家族が駆けつけるところから始まります。

ところが、母ファビエンヌの自伝を初めて読んだ娘や長く仕えてきた秘書たち、つまり彼女の過去を身近に見てきた人たちは一様に驚きます。

書かれた内容は、娘はじめ、みんなが知る事実や想像していたものとはまったく違うものだったからです。

彼らからすると、本の内容は題名「真実」には程遠かったのです。

しかし、周囲のそんな声をファビエンヌはまったく意に介しません。

さあ、ここで沸き上がる疑問、自叙伝に書かれた「真実」は何だったのでしょう?

女優が生涯かけて歩いてきた道、(それはドヌーヴの足跡でもあるのですが)語るべき自伝は「演じること」そのもの。

自伝の中でも演じ続ける「ファビエンヌ」こそ真実だったと思えば妙に腑に落ちるのです。

現在も続く主演作品

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実の娘との思い出や、秘書に支えてもらった苦労話などは「女優」を語る「真実の自伝」にはおおよそ関係ないこと。

映画『真実』の中のファビエンヌは、本の中身について周囲の非難に会うと、タバコをくゆらせながら素知らぬ表情を見せます。

それは、ちょうど『昼顔』で見せた顔と同じです。

逃げるわけでもなく、「それがどうしたの?」とでも言いたげな視線を返す仕草はまったく変わっていません。

不思議なことに、『昼顔』も『真実』も不可解な余韻を残したままエンディングを迎えます。

記憶に残るのは、主人公が随所で見せたセリフのない表情だけ。

カトリーヌ・ドヌーヴは、肝心なところで決めゼリフを言うわけでもなく、いつも美しい顔と目配せだけで演技をするのです。

さも、「それが私よ。」と言わんばかりに…。

彼女の過去作品が新たに公開され、また晩年の主演作品が続いています。

特に最近のものは、彼女の女優人生の仕上げをしているようでまだまだ目が離せない大女優です。


カトリーヌ・ドヌーヴの言葉 (だいわ文庫) 


アンティークの祝祭 

※これは、カトリーヌ・ドヌーヴとマルチェロ・マストロヤンニとの間に生まれたキアラ・マストロヤンニと共演しています。

ぜひ、ご覧ください。

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1 Comment

  1. 「昼顔」を観たのは遥か昔のことです。一度だけですので、内容は忘れてしまいました。ド・ヌーヴはかなり魅力的な女優ではありますが、やはり好き嫌いが優先しますので・・・。私身信が未熟だったのでしょう。

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