映画『コンテイジョン』の意味は「感染」、新型コロナの感染と拡大予測をネタバレで解説

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企業重役「ベス」(グウィネス・パルトロー

新型コロナを予言した映画、感染からワクチンまで

この映画マガジンサイト「洋画のレタス炒め」では、あらすじや見どころを中心に紹介し、いわゆるネタバレはあえてしていません。

多くの映画は、結末を先に知ったばかりに興味が半減するからです。

しかし、今回紹介する映画『コンテイジョン』については完全ネタバレで書いております。

なぜなら、今から10年以上前の映画にもかかわらず、新型コロナに感染された2019年~の世界とあまりにもそっくりだからです。

ネタバレするまでもなく、映画は視聴者が想像している通りにすすんだことに驚くばかり。

まるで予言映画のような今作、顛末と真の感染源を示唆する警鐘は一見の価値があります。

1.「コンテイジョン」の本当の意味

一体、どこから「感染」が始まったのか?

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この映画の見どころは、「感染2日目」から始まり、あっという間に世界的な感染「パンデミック」へと進んでいくスピードです。

「感染初日」は映画の最後に現れます。

「感染初日」とは言うまでもなく、「一体、最初の感染はどこから始まったのか?」というとっておきの話です。

映画『コンテイジョン』(原題:Contagion)の意味は「感染」です。

「感染」は英語では、「the spread of infection」(感染拡大)のようにinfection」が広く使われるのですが、なぜ「contagion=接触感染」なのでしょう?

それはまさに、感染初日の「接触感染」にこそ原因があったと言っているのではないでしょうか?

2.「ヒーロー」の要らない映画

ヒーローのいない現実を、あえて映画で見せた意味

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CDC研究員「エリン」(ケイト・ウィンスレット)https://www.facebook.com/contagion

トップ画像は、仕事で香港に出張しさまざまな人と交流する企業の女性重役ベス(グウィネス・パルトロー)

(左の男性は、日本人のようです。)

「感染2日目」以降の話として、その彼女が出張から夫と子どもの待つ本国アメリカに戻って間もなく、高熱と全身の震えで救急搬送されます。

が、ほどなく彼女は死亡。

単なるパニック映画でない「真剣さ」

少し話が逸れますが、この映画で最初に登場するベス役「グウィネス・パルトロー」はいわゆるオスカー女優で「豪華出演者」のひとり。

映画の暗黙の常識として、キャストが有名なほど映画の中ではヒーロー、ヒロインとして後々まで残って活躍するのですがこの映画は違っていました。

さっさと早い段階で、豪華キャストのひとりを殺してしまったのです。

まさに、ヒーローのいない現実と変わりません。

ベスはあっけなく死んだ上、しかも死因解剖で頭蓋骨切開シーンまで登場。

今作が、単なるパニック映画ではない「真剣さ」「怖さ」を冒頭から見せてくれたのです。

●グウィネス・パルトロー(Gwyneth Paltrow)

誕生日:1972年9月27日 (てんびん座)

身長:175cm

出身:アメリカ・カリフォルニア州

▶グウィネス・パルトローの出演映画一覧

▶おすすめの代表作品

恋におちたシェイクスピア(予告編)

3.対策機関の感染拡大の試算

奔走する米CDC担当官、驚きの感染拡大を指摘

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https://www.facebook.com/contagion

企業重役ベスが香港出張で交流した各国の人間は、ベス同様に自国に持ち帰りまたたく間に感染を広げます。

帰国後の母親ベスと久々に再開、喜んで抱き合った子どももほどなく感染、同じ症状を発症し同様に死亡してしまいます。

新型コロナのように、世界的パンデミックになるのに時間はかかりませんでした。

アメリカでは、CDC(アメリカ疾病管理予防センター)が即座に対応、研究者エリン(ケイト・ウィンスレット)が状況分析に奔走します。

感染研究者の、リアルな感染数の試算に驚き!

ここも見どころのひとつ。

エリンが映画の中で解説する「感染拡大」の試算は映画とは思えないリアル感が満載。

人間が顔を触る回数の話や、「R-0」論(1人で何人に感染させるかという基本数値)に思わず引き込まれます。

(なお、映画制作にあたっては専門機関から医学的情報の裏付けを取っているとのこと。)

●ケイト・ウィンスレット(Kate Winslet)

誕生日:1975年10月5日(てんびん座)

身長:169㎝

出身:イギリス

▶ケイト・ウィンスレット出演映画一覧

▶おすすめの代表作品

タイタニック (予告編)

※今や、伝説的名作に。一度は見ておきたい映画です。

▶参考記事:サスペンス『リベンジャー 復讐のドレス』

4.犠牲になる感染研究員

広がる感染、医療研究員も犠牲者に

一気に広がったパンデミックの中、対応に活躍する医療関係者は頼りになる存在です。

実態把握のために現場で情報収集にあたるCDCのエリン研究員。

しかし、「感染」について誰より知識のあった彼女も早々と犠牲者になります。

演じるケイト・ウィンスレットは、『タイタニック』『愛を読むひと』の例を出すまでもなくグウィネス・パルトロー同様、屈指の実力女優。

その彼女も、映画の中では早い段階で感染、苦しみながら死んでしまうのです。

ヒーローであってほしいと期待する医療従事者がです。

これこそ、現実は映画のようにはうまく行かないと戒める映画制作者の意図が伝わってきそうです。

5.WHO担当官の失踪?

中国の陰謀、拉致されるWHOの疫学者

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左:WHO疫学者「レオノーラ博士」(マリオン・コティヤール)https://www.facebook.com/contagion

一方、こちらはWHO(世界保健機構)の状況です。

WHOは、新型コロナ関連のニュースでも再三登場しますが、見えるのは事務局長の公式発言のみ。

今作では、WHO所属の疫学者として、レオノーラ博士(マリオン・コティヤール)が登場します。

彼女は、事務局のあるスイスからすぐさま感染源と疑われる現地・香港へと飛んでいました。

そして、アメリカ情報をもとに感染死亡者ベスの動きを追います。

現実社会の、笑えない設定に唖然!

しかし、ここで映画はとんでもないシナリオを作っていました。

現在の新型コロナで噂される、WHO事務局長と中国政府の癒着を彷彿とさせる事件が起こるのです。

なんと、中国が将来のワクチン開発で優先的立場に立つためにレオノーラ博士を拉致、情報源にしようとしてしまったのです。

(笑えない設定です。)

●マリオン・コティヤール(Marion Cotillard)

誕生日:1975年9月30日(てんびん座)

身長:169㎝

出身:フランス・パリ

▶マリオン・コティヤールの出演映画一覧

▶おすすめの代表作品

マリアンヌ(作品情報)

※ブラッド・ピッド共演。歴史に翻弄されていく女性の哀愁漂う作品です。

参考記事:スパイ映画おすすめ3選、女スパイのミッションと生きた政変の時代

6.誤情報に荒れる世界

誤情報、生活物資に奔走…荒れていく世界

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ジュード・ロウ(アラン)https://www.facebook.com/contagion

確固たる情報がないまま、感染者と死者は確実に増えていきます。

映画の中で語られる死者数は2600万人

現在の新型コロナのよる死亡者は、2021年6月現在では370万人強。

映画『コンテイジョン』と新型コロナ感染の違いをあえて言うならこの死亡者数でしょうか。

ただし、完全な終息の道筋が見えず拡大を続ける現在の新型コロナは、「R-0」を出すまでもなく無視できる数字ではありません。

そんな世界で起こったこと、それは「誤情報」と「混乱」です。

7.都市封鎖の情報に身内を引越

「恐怖は、ウイルスより早く感染する」

「感染の原因」「予防方法」から始まり「生活物資の枯渇」「噂の特効薬」など、フェイクニュースが飛び交い、その都度疲弊しきった人々が右往左往します。

中には生活必需品を「強奪」あげくは「暴力沙汰」まで。

また、「正義の味方」のはずの医療従事者や政府関係者が、先に知った「都市封鎖」の情報で身内を引越しさせるのです。

これらは、程度に差こそあれ現在でも実際に起こっている話です。

また、10年前の映画とはいえ、ネットワーク社会の情報の怖さを語っています。

ネットワークで流れる、特効薬の情報

それは、ひとりのブログ投稿が世界中を混乱させるのです。

アラン(ジュード・ロウは、個人で情報発信するブロガーですが、一旦感染したものの「レンギョウ」という特効薬で治療できたと発信。

そして、あろうことか製薬会社と手を結ぶことさえ考えるのです。

今作のキャッチコピー「恐怖は、ウイルスより早く感染する」の意味はここにあったのです。

●ジュード・ロウ(Jude Law)

誕生日:1972年12月29日(やぎ座)

身長: 178 cm

出身:イギリス・ロンドン

▶ジュード・ロウの出演映画一覧

▶おすすめの代表作品

サイド・エフェクト(予告編) 

8.ワクチン開発のプロセス

世界を救えるか、ワクチン開発の行方

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ジェニファー・イーリー(アリー)https://www.facebook.com/contagion

現在の新型コロナ対策でも、「ワクチン開発」「早期の接種」は愁眉の課題。

今作では、ワクチン開発の最前線で働く人間としてアリーが登場します。

CDC研究センターのアリー(ジェニファー・イーリー)は、ワクチン開発に試行錯誤を繰り返す日々。

同僚とのブラック・ジョークで、「サルを何匹殺したら気が済むの?」にはちょっと笑えません。

しかし、ある時このウィルスは「コウモリと豚の遺伝子の接触」による新種ウィルスであることを突き止めます。

そして、ついにワクチンMEV-1の開発に成功します。

9.ワクチンの政治的争奪

映画的結末より、真の原因はどこに?

ただ、映画的結末はハッピーエンドにはしてくれません。

やっと開発されたワクチンですが、「世界中の争奪戦」「接種抽選での不正」など、聞きたくもない話が控えていました。

あのレンギョウで生き延びたとうそぶいたアランは、「十年後の副作用は誰が保証するのか?」とわめき散らします。

もちろん、警鐘としてとらえたいものです。

そして、もうひとつの映画的結末と警鐘が続きます。

「感染第一日目」

「コウモリと豚と人間」の接点が繋がります。

10.まとめ

まとめ~感染と恐怖のスピード差~

最初の感染者、ベス・エムホフの勤めるアルダーソン社が中国深くで行っていた森林開発

ブルドーザーによって次々となぎ倒されていく木々にコウモリは生息地を突然失い、近くの村の養豚所の屋根裏へ。

口にくわえていたバナナの食べ差しは下に落ち、何も知らない豚のエサとなります。

出荷された豚は、香港の某料理店で調理されていくのですが、突然、シェフらしき調理人は支配人から呼びだされ今日の来店客に挨拶してほしいと頼まれます。

シェフは「調理中なので手洗いもそこそこ」にし、エプロンで手を拭きながら客席へ行くのですが、そこで紹介されたのはなんともキレイな美人。

【YouTube:予告編】

美人のメイン客に、手を握り挨拶するシェフ

満面の笑みを浮かべ、彼女の差し出す手をしっかり取って握手

聞けば、相手は今日のメイン客、アメリカ・アルダーソン社から来ていた女性重役ベス・エムホフ。

ベスは、今日のシェフの料理に感謝の言葉を述べるのでした…。

本作のキャッチコピーは、「恐怖は、ウイルスより早く感染する」。

しかし、それはパニック後の話で「ウイルスは、恐怖より早く感染する」という時期が先にあったのです。

それは、もしかしたら今かもしれません。

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