『プロミシング・ヤング・ウーマン』は、コロナ渦で盛り上がりに欠けた2021年の第93回アカデミー賞で、脚本賞受賞他、4部門でノミネートされた話題作です。
見逃してしまいそうですが、ぜひ見ておきたい作品です。
「プロミシング・ヤング・ウーマン」(Promising Young Woman)とは「前途有望な若い女性」。
医学部の優秀な学生だった主人公キャシー(キャリー・マリガン)は、周囲の予想をくつがえし突如、大学を中退。
カフェの店員として覇気のない日々を過ごしていました。
いったい、キャシーに何があったのでしょう?
主演「キャリー・マリガン」のイメージが変わる!
主演のキャリー・マリガンは、『17歳の肖像』や『華麗なるギャツビー』などに出演実績にある実力俳優。
最近作では女性参政権がテーマの『未来を花束にして』で存在感を見せています。
どちらかといえばベビーフェイスの彼女は、一見は優し気な役どころが多かったのが事実。
しかし、今作では「復讐鬼」となり話題を呼んでいます。
ただし、ホラーのような復讐劇ではありません。
心に深い事情を抱えた女性が一念発起、背景にはドラスチックな事情があるようです。
そのことが、逆にキャリー・マリガンの雰囲気にピッタリだったのかも。
新境地ともいうべき彼女の役どころに注目です。
女性監督「エメラルド・フェネル」が映画デビュー!
本作の監督は、昨今、なにかと話題になる女性監督のエメラルド・フェネル氏。
女優、小説家、脚本家という多才な肩書を持っていますが映画監督は今作が初めてでした。
第93回アカデミー賞では、同じく女性のクロエ・ジャオ監督『ノマドランド』とともに監督賞にノミネートされ話題になりました。(受賞は、クロエ・ジャオ監督でした。)
『プロミシング・ヤング・ウーマン』により、キャリー・マリガンの新しい女優像との相乗効果で一気に表舞台に躍り出た感じです。
参考記事:台頭する女性監督の洋画作品が話題に。映画界の男女間格差に変化が
テーマは「ジェンダー・バイアス」、あふれる悲しみと怒り
さあ、医学部の優等生、そして「将来を嘱望された若い女性」に何があったのでしょう。
きっかけは、医学部時代の親友の自殺にあるといいます。
キャシーが絶対許せなかったこと、そして復讐を決意したキーワードは「ジェンダー・バイアス」。
女性への蔑視を表す言葉で、キャシーの悲しみと怒りがあふれていきます。
昼間の大人しい顔が、夜になると変身。
酔ったフリをして「お持ち帰りオトコ」を引き寄せていくのでした。
期せずして、製作サイドの「シスターフッド」
かつて優等生だったキャシーは、豹変するとこんな姿に!
これを見て、誰か思い起こすキャラクターはいないでしょうか?
そうです、『スーサイド・スクワット』のハーレイ・クイン!
病んだ精神科医が覚醒し、極悪連中にお仕置きをするあの映画の主人公です。
ハーレイ・クインを演じたマーゴット・ロビーが、今作で製作側に名を連ねていたのです。
ロビーは『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY』の制作にあたり、女性チームを編成した実績があります。
監督、主演女優、そして製作と、今作も期せずして「シスターフッド」映画となったわけです。
参考記事:女スパイ映画『355』他、ブームのシスターフッド映画とは?
同窓生との偶然の出会い、地獄の悪夢に?
そして、「計画」をすすめる彼女の前に偶然現れたのは、かつての医学部時代の同級生ライアン。
キャシーの復讐の矛先はいずこへ行くのでしょうか。
公式HPでは、「この偶然の再会こそが、キャシーに恋ごころを目覚めさせ、同時に地獄のような悪夢へと連れ戻すことになる……。」とあります。
そして「ネタバレはキャシーが語るべき」だとも。
復讐計画の顛末を楽しみにして、鑑賞必見の作品になりそうですね!
●キャリー・マリガン(Carey Mulligan)
誕生日:1985年5月28日 (ふたご座)
身長:170㎝
出身:イギリス・ロンドン
▶おすすめの代表作品
※愛する夫と子どもと別れ、あえて女性参政権運動に飛び込んだ女性たち。次第に運動に没頭していく「モード・ワッツ」が見どころです。
※愛くるしい、ギャツビーの恋人役がとっても印象的でした!
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