『イングロリアス・バスターズ』の多様なキャスト陣
ドイツ出身の女優や俳優が登場した注目映画と言われても、普段はキャストの出身国などあまり気にしませんよね。
ハリウッド映画に登場する俳優は、アメリカを中心とした英語圏出身者が多いのですが今回取り上げるのはドイツ出身者。
端正な面立ちの美女・美男が多く、根強いファンが多いのも事実です。
そんなファンにとっておきの映画が、クエンティン・タランティーノ監督の『イングロリアス・バスターズ』です。
第82回(2009年)のアカデミー賞で8部門ノミネート実績を持つ名作です。
さまざまな国籍を持つ俳優が起用された今作、昨今の「多様性」を反映しているのは言うまでもありません。
作品のヤマ場の重要人物、登場するドイツ女優・俳優
作品は第二次大戦のヨーロッパ戦線で、ナチス占領下のフランスを舞台に、駐留するドイツ軍親衛隊の暗殺を企てる連合軍側秘密特殊部隊「バスターズ」を描いています。
従って、ドイツ人はじめオーストリア人、フランス人、イギリス人など多くの欧米出身者が登場します。
主演のブラッド・ピット(アメリカ)はじめ、クリストフ・ヴァルツ(オーストリア)、メラニー・ロラン(フランス)といったそうそうたる顔ぶれです。
その中で、ストーリーのヤマとなる重要人物にキャスティングされたのがドイツ出身者でした。
以下、順に紹介していきましょう。
目次:ドイツ出身キャスト『イングロリアス・バスターズ』の役》
1.Diane Kruger
ダイアン・クルーガー、二重スパイ「ブリジット」
『イングロリアス・バスターズ』でのダイアン・クルーガーは、「ブリジット」という役の上でもドイツ人女優役です。
味方(ドイツ軍)の中にまんまと溶け込んでいるのですが、実は連合軍側に通じている女スパイなのです。
しかし、ナチス親衛隊のランダ大佐(クリストフ・ヴァルツ)に目を付けられ、次第に追い詰められていくスパイの末路を見事に演じています。
最期は、ちょっと刺激的です。
多くの作品に登場していますが、主演の『女は二度決断する』は、テロで夫と子どもを亡くした妻を演じ迫真の演技で話題になりました。
2.Michael Fassbender
「マイケル・ファスベンダー」は、SF映画『X-MEN』のマグニートー
さあ、こちらの顔に見覚えはないでしょうか。
SF映画『X-MEN』シリーズの「X-MEN: ファースト・ジェネレーション」に登場したミュータント「マグニートー」です。
端正な面立ちと青い瞳が印象的ですよね。
『イングロリアス・バスターズ』の中では、ドイツ語が話せるイギリス軍ヒコックス中尉として登場。
ナチス兵を片っ端からやっつける「バスターズ」たちと連携し、ドイツ国防軍に潜入するのです。
●マイケル・ファスベンダー(Michael Fassbender)
誕生日:1977年4月2日
身長:183㎝
出身:ドイツ・ハイデルベルク
▶おすすめの代表作品『光をくれた人』
※ちなみに、今作で共演したアリシア・ヴィキャンデル(スウェーデン出身)と結婚しました。
ところが、酒場で国防軍仲間と騒いでいた時、ドイツ語の発音にちょっと不審感をいだいた人物がいました。
それは、同じ店に居合せた「ヘルシュトローム」というナチス親衛隊の少佐でした。
演じるドイツ人キャストは、アウグスト・ディール。
筋金入りの親衛隊幹部として登場します。
3.August Diehl
「アウグスト・ディール」、最大の見どころに登場!
動画のシーンは、ヘルシュトローム親衛隊少佐に詰め寄られる西側のスパイたちです。
ヘルシュトロームの前に座るのが、前段で紹介した女優のブリジットと英軍ヒコックス中尉。
左が、バスターズのひとりヒューゴ(ティル・シュヴァイガー)。
4人で交わす言語はもちろんドイツ語で、「腹の読み合い」の緊張感は半端ではありません。
(残念ながら字幕がありませんが、実際の映画で確認して下さい。)
このシーンをキッカケにして、映画は一気に爆発。
ご存じ、クエンティン・タランティーノ監督が描く銃撃シーンはリアル感が半端ではありませんよ!
●アウグスト・ディール(August Diehl)
誕生日:1976年1月4日
身長:180㎝
出身:ドイツ・ベルリン
▶おすすめの代表作品『名もなき生涯』
アウグスト・ディールは、脇役が多かったのですが主演で登場したおすすめの話題作があります。
『名もなき生涯』がそれです。
もともと、表情の凄味に特徴がある俳優ですがこの映画では、終始「苦悩」に満ち満ちた表情が涙を誘います。
ドイツの戦争映画で必ず出てくるドイツ式敬礼「ハイル・ヒトラー!」。
併合されたオーストリアの農民が、最後まで「ハイル・ヒトラー!」を拒み続けたという実話映画です。
ぜひ、合わせてご覧下さい。
4.ティル・シュヴァイガー
「ティル・シュヴァイガー」、『アウトサイダー』の刑事
ティル・シュヴァイガーも、『イングロリアス・バスターズ』の中では重要な役割を果たしています。
「バスターズ」のメンバーですが、ドイツ兵になりすまし同じく潜入しているヒコックス中尉をフォローします。
静かなたたずまいながら、ただならぬ威圧感は見どころです。
映画『アウトサイザー』では、刑事ニックとして登場。
アクション映画にはなくてはならない存在ですね!
5.Daniel Brühl
「ダニエル・ブリュール」、代表的ドイツ俳優
今回紹介したドイツ人俳優の中では、最も有名かもしれませんね。
端正な顔と鋭い視線でみんなに恐れられるドイツ兵役を見た人も多いのではないでしょうか。
同時に、時折見せる優し気な表情は戦時中にありながらも人間性を垣間見せる存在として登場。
そんな戦争映画によく登場する、好感度のドイツ俳優です。
画像は、『ユダヤ人を救った動物園 〜アントニーナが愛した命〜』。
●ダニエル・ブリュール(Daniel Brühl)
誕生日:1978年6月16日
身長:176㎝
出身:スペイン→ドイツ
▶おすすめの代表作品
『イングロリアス・バスターズ』と同じ第二次大戦時代、自ら経営する動物園にユダヤ人を匿った女性園長(ジェシカ・チャステイン)の話です。
ダニエル・ブリュールは、動物園を摘発するドイツ兵ですがかつての園長の知人で、彼女に好意を持つ役どころ。
実は、『イングロリアス・バスターズ』でもよく似たシチュエーションで登場します。
ナチスへの復讐に燃える映画館の女性館長ショシャナ(メラニー・ロラン)が好きになるのです。
動物園の園長も映画館の館長も、ドイツ兵の自分への好意を足掛かりにしてナチスと戦っていくのです。
『キングスマン:ファースト・エージェント』に登場!
さて、ダニエル・ブリュールが登場する期待の話題作があります。
イギリスのスパイ・アクション映画で人気の『キングスマン』シリーズ。
この前日譚として制作されたのが『キングスマン:ファースト・エージェント』です。
時は、第一次大戦前夜の激動期で、エリック・ヤン・ハヌッセンという予言者として登場しますのでお楽しみに!
■コラム:意外な出身国の俳優たち■
まとめ
いかがでしたでしょうか。
こうやって紹介すると、あの俳優もドイツ出身だったのかと思われたのではないでしょうか。
今回の『イングロリアス・バスターズ』はアメリカ・ドイツ共作の映画でしたが、ドイツ映画もたくさんあります。
次回はそんな映画を紹介していきましょう。
参考:「愛を読むひと」のダフィット・クロス主演『キーパー ある兵士の奇跡』
《今回のドイツ出身キャスト:『イングロリアス・バスターズ』の役》
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