イライザ・スキャンレンが難病を抱えた少女を熱演したヒューマン恋愛映画『ベイビーティース』。
美しいだけではない、苦しみや葛藤もリアルに描いた本作は「モーメント・ラブストーリー(束の間の恋愛物語)」として多くの人々に感動を与えました。
特にサマー・シーズンに観たくなる一作でもある本作のあらすじや見どころなど、『ベイビーティース』の意味など世界観をたっぷりとお届けいたします。
『ベイビーティース』:作品情報
映画タイトル | ベイビーティース |
原題 | Babyteeth |
監督 | シャノン・マーフィ |
出演 | イライザ・スキャンレン、ベン・メンデルソーン、エシー・デイヴィス、トビー・ウォレス、アンドレア・デメトリアデス他 |
公開日 | 2020年 【YouTube:予告編】 |
難病の女子高生と不良青年が運命的に出会う:あらすじ
ヴァイオリンを学ぶ女子高生ミラは難病に侵されており、病と闘う日々を送っていました。
ある日の学校帰りにミラは駅でモーゼスという不良青年と出会います。
病のせいで鼻血が出てしまったミラを優しく介抱するモーゼスに一目惚れをしてしまったミラ。
早速付き合い始めるのですが、職につかずにフラフラしているモーゼスのことを両親のヘンリーとアナは快く思っていませんでした。
薬物中毒でもあるモーゼスはトラブルを起こしてしまい、両親はミラとモーゼスを離そうとするのですが、モーゼスを愛するミラは彼から離れようとはしません。
様々な壁にぶち当たりながらも二人は尊い日々を過ごし続けるのですが、ミラの病の進行が止まることはなく、残された時間もあとわずかとなってしまい…。
ただの恋愛映画ではない!カタルシス感じる愛の物語
乳がんを患い、残りわずかとなった人生の中で愛を見つけ、懸命に生きる女子高生ミラを描いた本作。
原題の『ベイビーティース』とは乳歯を意味するもので、あどけなさ残るミラにある乳歯からこのタイトルが名付けられています。
主人公ミラをイライザ・スキャンレン。
ミラと出会い、共に恋に落ちた孤独な不良青年モーゼスをトビー・ウォレスが演じ、フレッシュな若手俳優の共演も話題となりました。
難病の少女が不良青年と出会い恋に落ちる…と聞くとどことなくキラキラしたラブストーリーを思い浮かべます。
しかし、『ベイビーティース』は美しいだけではなく、非常に重くて、病と闘う一人の少女をこれでもか!というほどリアルに描いています。
タイトル『ベイビーティース』の意味を実感!
ミラを支える両親にももちろんそれぞれに葛藤や抱える悩みがあり、ミラと衝突してしまうこともしばしば。
モーゼスとの出会いによってミラの人生は一変するのですが、モーゼスは居場所がないだけでなく薬物中毒という問題も抱えています。
大切な一人娘がそんな青年と恋に落ちるとなると両親が認めてくれるわけがありません。
しかし、ミラはモーゼスと出会ったことにより、これまでの人生で経験したことのない瞬間をたくさん味わうことが出来るようになりました。
幼ない少女だったミラが大人の階段を上ることにより、口の中にあった乳歯も抜け落ちていくというカタルシスが何ともニクい演出に。
『ベイビーティース』というタイトルは「まさに!」と言ったところです。
登場人物の存在感と、主人公の濃ゆくて目映い人生
本作ではミラとモーゼスを軸に物語が進んでいきます。
一方で、ミラの父が出会う妊婦、ミラが通うヴァイオリン教室の先生や生徒も強い存在感を示しており、注目するとより一層この映画の世界観を堪能することが出来るはず。
難病の少女が経験した束の間の濃ゆくて目映い人生を是非その目に焼き付けてみてください。
ただのラブストーリーではない「なにか」に、心打たれること間違いありません。
●シャノン・マーフィ監督(Shannon Murphy)
出身:オーストラリア
※『ベイビーティース』で長編映画デビュー。2021年に英国アカデミー賞の最優秀監督賞にノミネートされました。
主演:イライザ・スキャンレン、もっと好きになるワケ!
難病を抱えながらも、残りの人生を懸命に生きた少女・ミラを演じたのは、実力派若手女優のエリザ・スカンレン。
映画『ストーリー・オブ・マイ・ライフ/わたしの若草物語』、Netflix『悪魔はいつもそこに』などに出演しています。
ふんわりしたナチュラル・ガーリーな雰囲気を醸しながらも、繊細で芯の強さを感じられる演技力で可憐なミラを演じ切りました。
モーゼスと出会い、成長していく様や、天真爛漫に踊り、時にはぶつけようのない怒りや壁に当たってしまう人間らしさ溢れるその演技には惚れざるを得ません。
「隣にいそうな女の子」、儚くも美しい生涯にリアル感が
エリザがオーディションで獲得したこの役は、監督曰く「特別なキャラクター」であり、演じるには難しい役柄なので監督自身も選ぶ際にはかなり迷ったとのこと。
ですが、知的で様々な役柄を幅広く演じられるエリザであればミラを演じ切れるであろうと確信したのだそう。
そう確信した通り、ミラ役は最早エリザ以外には考えられないくらい本人と役柄がシンクロしており、観る者を夢中にさせてしまう魅力が炸裂。
エリザから放たれる「隣にいそうな女の子」な雰囲気が、よりミラのリアル感を引き立て、儚くも美しい生涯を生きる彼女の世界へ私たちをいざなってくれます。
●イライザ・スキャンレン(Eliza Scanlen)
誕生日:1999年1月6日生まれ
星座:やぎ座
身長:162cm
出身:オーストラリア・シドニー
▶おすすめの出演作品
『悪魔はいつもそこに』(NETFLIX)
※衝撃的な物語でエリザの存在感が光る一作です。
『ベイビーティース』主な登場人物紹介
■モーゼス(演:トビー・ウォレス)
定職につかない不良青年。
居場所がなく、ミラと共に過ごすことに。
■ヘンリー(演:ベン・メンデルソーン)
ミラの父であり精神科医。
近所の妊婦と親しくなる。
■アナ(演:エシー・デイヴィス)
ミラの母。
抗うつ剤を投与しており、時折ハイになることがある。
まとめ
美しい映像美の中で、美しいだけではない人生を必死に生き、苦しい病を患いながらもみずみずしく輝くミラが最高に魅力的な『ベイビーティース』。
イライザ・スキャンレンの圧倒的に細やかでリアルな演技力で、完膚無きまでに心に刺さる一作になっています。
一度観れば、きっと忘れられない物語となっているので、是非ともミラの生き様に注目してみてください。
《ライター:Yuuri》
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アクション映画を好み、エマ・ストーンとクリステン・スチュワートをこよなく推してます。
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