『今宵、212号室で』は、ある夫婦が仲違いをきっかけに、もし二人が結婚せずに他の人と結ばれていたらどうなったかを考えるファンタジーロマンス映画です。
そこで今回はこの映画を通して、結婚や恋愛に失敗しないために、本当に相性の合う人を見きわめるための提案をしたいと思います。
映画『今宵、212号室で』:作品情報
本作の監督と脚本は、映画監督の他、舞台演出や絵本作家でもあるクリストフ・オノレが務めています。
主演は、本作で第72回カンヌ国際映画祭ある視点部門最優秀演技賞を受賞した、キアラ・マストロヤンニ。
彼女は、イタリアを代表する映画俳優マルチェロ・マストロヤンニを父に、『シェルブールの雨傘』で知られるスター女優カトリーヌ・ドヌーヴを母にもっています。
また主人公の夫を、ポップス界のプロデューサーでありミュージシャンでもある、バンジャマン・ビオレが演じています。
彼は実生活においてもキアラの元夫であり、話題になりました。
さらに、フランス映画界で最も期待されている若手俳優のヴァンサン・ラコスト、人気テレビドラマ『エージェント物語』で主演を務めたカミーユ・コッタンも共演しています。
あらすじ~夫と喧嘩したマリアが泊まった部屋~
大学で法律を教えるマリア(キアラ・マストロヤンニ)は、夫のリシャール(バンジャマン・ビオレ)とアパートで暮らしています。
結婚して20年になる二人は、仲は良いけれど、恋人だった頃とは全く違う関係になっていました。
ある夜、マリアが浮気をしていることが、リシャールにバレてしまいます。
怒った夫から離れるため、マリアは真向かいにあるホテルで一晩泊まることに。
彼女が止まったのは212号室。
そこは不思議な部屋でした。
マリアのもとに、20年前の姿をした若い夫(ヴァンサン・ラコスト)が現れたのです。
彼女が戸惑っていると、夫の初恋相手であるピアノの先生(カミーユ・コッタン)も出現。
さらに、マリアの歴代の浮気相手たちも当時の姿で現れます。
もし、二人が結婚せずにそれぞれ別の相手を選んでいたら…?
登場人物たちは様々な意見や行動で、マリアにそう問いかけます。
悩んだ末に、マリアの選んだ道とは?
●キアラ・マストロヤンニ(Chiara Mastroianni)
誕生日:1972年5月25日生まれ
星座:ふたご座
身長:170cm
出身:フランス・パリ
▶おすすめの代表作品
※母カトリーヌ・ドヌーヴとの2ショット。
恋愛診断の提案、恋人との相性を見極める方法
さて、ここからは、本作『今宵、212号室で』をもとに、恋人との相性を見きわめるための3つの方法を提案します。
1.価値観を具体的に伝え合う
本作のマリアとリシャールは、付き合ってから25年、結婚して20年になる夫婦です。
ところが長年一緒にいたにもかかわらず、マリアの浮気がバレたことにより、お互いの価値観を共有できていなかったことが分かります。
妻のマリアは、これまでに多数の浮気経験があり、愛人がいるのは当たり前だという考えを持っています。
その一方、夫のリシャールはマリアと付き合ってからの25年間、他の女性と関係を持ったことがない、一途な人間だったのです。
なぜこのようなことになるのかというと、恋人を選ぶ際に、第一印象や一緒にいて安心するなど、雰囲気で決めているためです。
相性を見きわめるには、このような「抽象的な価値観」ではなく、「具体的な価値観」を共有する必要があります。
例えば、二人の将来を話す際に「幸せな家庭」などといった漠然としたものではなく、子供は何人欲しい、一戸建てに住みたいなど、より具体的な情報をお互いに伝え合いましょう。
2.第三者の意見を訊いてみる
劇中において、マリアが泊まった212号室に、多数の人物が現れます。
それは、若い頃の夫や、夫の学生時代のピアノの先生、マリアの過去の愛人たちなどの面々です。
その誰もが当時の姿のまま現れ、現在のマリアとリシャールについて、あらゆる意見を言います。
二人はその助言を受け、お互いの存在を見つめ直します。
恋愛をしている二人は、賢明な判断をできないことが多いです。
例えば、傍から見ればどう見ても騙されているのに、それに気づかずにいつまでも別れない人がいます。
また、友達の恋人をダメな人だと言っている当の本人が、ワルい恋人と付き合っていたりする場合もあります。
これは、恋愛をしている二人が当事者であり、「主観的な人物」であるために起きます。
言い換えれば、二人の恋愛について「最も客観的ではない存在」なのです。
そのため、賢明な判断ができないのです。
恋人が自分に合っているかを知るためには、当事者の二人だけでなく、家族や友達などの第三者の意見を参考にしましょう。
3.相手のネガティブな面に目を向ける
主人公の二人が出会った頃、マリアはリシャールのピアノを弾く姿に惚れて付き合い始めました。
でも、現在のリシャールはピアノを弾くのをやめています。
一方のリシャールは、マリアの情熱的なところに惚れて交際を決めました。
ところが現在のマリアは、法律を教えている影響もあり、損得で動くようになっています。
さらに、マリアが浮気をする理由として、若い肉体を求めていることが挙げられます。
それは若かった頃のリシャールの体に思いをはせているのです。
それに気づいているリシャールは、若くない自らの体に思い悩んでいます。
これらのことから、マリアとリシャールはお互いの美点に惚れこみ、恋愛を始めたと言えます。
映画の二人のように、相手の良い面だけを見て交際をすると、それが年月とともに変化をしたり、消えたりすると失望してしまいます。
さらにそれを直そうとしたり、もとに戻そうとすればするほど、溝は深まります。
恋愛において、相手を変えたり、コントロールすることは不可能なのです。
これを防ぐにはどうすればよいか。
恋愛をしていると、好きな人のポジティブな情報で溢れます。
そこをあえて、ネガティブな面に目を向けるのです。
相手の欠点を知ったうえで、それが許せるかを自分に問いかけます。
相性の良さを見きわめるためには、好きな人の欠点を認めて、それが許容できるかどうかで判断するようにしましょう。
まとめ~相手を見極める情熱を~
恋人との相性を見きわめるためには、お互いのことを積極的に知ろうとする努力が必要になってきます。
これはかなりのエネルギーを要する作業であるため、相手によほどの興味がないとできないことです。
つまり、二人の相性を見きわめようとしている時点で、お互いにとって情熱を傾けるべき存在となっている証拠であり、すでに「相性の良い相手」と言えるのかもしれません。
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※遺伝的に相性の良い結婚相手を、政府から一方的に決められる世界。それに抗い、自由な恋愛を求める高校生たちの物語です。
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こんにちは!ライターの「げん」と申します。
映像が好きで、テレビドラマのプロットなどを書いていました。また、恋愛小説をファッション誌で連載したこともあります。これらの経験をもとに、映画を通して恋愛を学ぶ記事を書いています。
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