世界の金融の要である、アメリカのウォール街。かつてこの金融街で、1人の男性がアメリカンドリームを成し遂げ、そしてその夢を散らせていきました。
今回ご紹介していく映画は、そんな男性をモデルとして描いた映画『ウルフ・オブ・ウォールストリート』。
マーティン・スコセッシ監督が創り上げ、名優であるレオナルド・ディカプリオが彩った今作。
その魅力について語っていきたいと思います。
(冒頭画像:引用https://paramount.jp/wolfofwallstreet/)
映画『ウルフ・オブ・ウォールストリート』の作品概要
『ウルフ・オブ・ウォールストリート』は、ウォール街で活躍した実業家(であり詐欺師)のジョーダン・ベルフォートの回想を原作とする映画作品です。
監督はマーティン・スコセッシ。
主演は『タイタニック』や『インセプション』のレオナルド・ディカプリオ。
今作の特徴は、アメリカンドリームや世界一の金融街で働くビジネスマンたちを描きながら、彼らを取り巻くセックス中毒や麻薬といった「普通なら人に見せられない」部分を、テンポよく描写していることにあります。
クールに思える金融取引の、凄まじくはじけた部分。
今作を見て追体験してみてください。
原作:ウルフ・オブ・ウォールストリート 上 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
あらすじ:アメリカン・ドリームの始まり
若干22歳のジョーダン・ベルフォートは、愛する妻に見送られながらウォール街に足を踏み入れました。
彼はロスチャイルド社に職を得て、アメリカンドリームを叶える(つまり金持ちになる)ことを夢見ていたのです。
そして、ジョーダンはこの会社で、上司のハンナにより「コカインとリラックスの重要性」について手引きを受けました。
その半年後、ジョーダンは資格を取り、ブローカーとして本格的に仕事をすることができるようになりました。
しかしその日、「ブラックマンデー」が起こり世界経済が大混乱。
ロスチャイルド社も倒産してしまいます。
職を失ったジョーダンは妻と共に新しい仕事を探します。
そして見つけたのが、安価な店頭株ばかりを扱う証券会社です。
その会社は仲介手数料が50%と高額であり、それに惹かれたジョーダンは入社を決めます。
それが、ジョーダンのアメリカンドリームの始まりでした。
最高にポップでクレイジー、「ビジネス」映画
作品のそこここに散らばる金や欲望、麻薬にセックス。
映画『ウルフ・オブ・ウォールストリート』はありていに言って、「ぶっ飛び」過ぎのクレイジーな作品です。
しかし、このクレイジーさは今作の素晴らしさの1つでもあります。
通常の人生では味わえないであろう、倫理観や道徳観を捨ててでも夢に突き進むその姿。
そしてその試みが成功したときの爽快感と達成感。
これらの感覚は中毒性が高く、映画を繰り返し見るきっかけとなります。
こうした中毒性の高い部分を「狂乱のシーン」として表現すると、今作には、より静かな部分があることに気が付きます。
それは、ビジネスの話をしているシーンです(例えば話術やペンを売る方法など)。
こうした話術や技術はまっとうなものではないでしょうが、ビジネスマンならば耳を傾けて損はありません。
狂乱と静けさ、その上に、さらなる悪徳。
どちらかと言えば「悪徳」の要素を多く組み合わせながら、今作のストーリーは進んでいきます。
その流れは非常にテンポが良く、音楽的ですらあります。
もし、これを読んでいるあなたが「クレイジーさ」に耐性があるならば、ぜひ今作を観賞してみてください。
流れるような悪徳と、その中に潜むビジネスや経済の姿を見ることができるはずです。
ディカプリオの、渾身の演技に魅せられる
映画『タイタニック』のとき、レオナルド・ディカプリオはさながら王子様でした。
光り輝く金髪に、ケチのつけようもない美貌。
彼は、日本では見られないような美しさを持っていました。
それから年月が経ち、ディカプリオは『タイタニック』の時では想像できないような役柄を多く演じています。
そして、その一つが今作の『ウルフ・オブ・ウォールストリート』です。
彼は、ビジネスマン・詐欺師・麻薬中毒者などといった多くの顔を持つジョーダンの役を、渾身の演技で演じ切っています。
例えば、お客に大口の取引を持ちかける自信満々な口調、信頼する同僚と娼婦について話す様子。
さらに、2番目の妻ナオミとのユーモア溢れる口論の様子。
また、麻薬の常習者である証拠の多汗症や、作品内に時折ある長広舌のセリフ。
クスリと笑えるものから、なぜだか納得してしまうものまで、ディカプリオは真に迫った演技で見る人を惹きつけています。
それは、俳優としての彼の素晴らしさを裏付けるものと言えるでしょう。
今作『ウルフ・オブ・ウォールストリート』は、ディカプリオのファンにこそ見て欲しい作品の1つです。
●レオナルド・ディカプリオ(Leonardo DiCaprio)
誕生日:1974年11月11日生まれ
星座:さそり座
身長:183㎝
出身:アメリカ・カリフォルニア州
▶おすすめの代表作品
まとめ~知らない世界に旅を~
実在の人物の回顧録を原作とした映画『ウルフ・オブ・ウォールストリート』。
今作で描かれる世界は、私たちが普段見ることができないような、きらびやかで、かつ、欲望にまみれた世界です。
普段見られない世界を知る、だからこそ映画は楽しいのです。
自分の知らない世界に旅をして、存分に味わってしまいましょう。
今作の主人公であるジョーダン・ベルフォートは「胸を張って誇れる」人物でこそないかもしれませんが、「見てみたい」物語の主人公なのです。
《ライター:オオノギガリ》
洋画が大好きwebライター。王道の物語も大好きですが、少し捻った作品を偏愛しています。大好きな映画監督はクリストファー・ノーランとクリント・イーストウッド。
主に映画内容の考察を得意としており、魅力に溢れながらも「わかりにくい映画」を最後まで楽しめるお手伝いができればと考えております。
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