※A24が製作し、サンダンス映画祭で公開されるや欧米のメディアが軒並み大絶賛した『Earth Mama(原題)』。
公開された予告編を見ると、傑作な予感しかしません。
社会派作品も多く生み出してきたA24なので、かなり期待が高い作品です。
今回はそんな『Earth Mama(原題)』について、まとめてみました!
(冒頭画像:引用https://festival.sundance.org/program/film/)
あらすじ: 黒人のシングルマザーが直面する現実
男の子と女の子を持つシングルマザーのジーナ。
彼女の子どもたちは児童養護施設に預けられており、週に1時間の面会でしか会うことができません。
ジーナはもう1人を妊娠中ですが、彼女の現在の状況ではこの子もまた施設に預けることになってしまいます。
裁判所の指示による授業を受けながら、フォトスタジオで働くジーナは子どもたちの親権を取ろうと必死にもがきます。
2006年のサンフランシスコ・ベイエリアを舞台に、社会システムの中で必死に生活を立て直そうとする1人の女性を描く物語に…。
社会派なサバナ・リーフ監督、初の長編映画
『Earth Mama(原題)』の監督を務めたのは、元バレーボール選手でオリンピック出場経験もあるサバナ・リーフ。
今回の製作にあたって、リーフ監督は徹底的に研究。
専門家の話しを聞きに行き、大量の文献を読んだり、とにかくたくさんの人の話しを聞いたと伝えられています。
また、「Black Mother United」や「Chicks in Crisis」といった母親や子どもを支援している非営利団体とも協力しています。
●サバナ・リーフ監督(Savanah Leaf)
誕生日:1993年11月24日生まれ
星座:いて座
出身:イギリス・ロンドン
▶おすすめの代表作品
『アース・ママ(Earth Mama(原題)』
影響を与えたのは、自身が製作のドキュメンタリー
リーフ監督は、かつて女優の※テイラー・ラッセルと一緒に短編ドキュメンタリー映画『The Heart Still Hums(原題)』(21)を製作。
このドキュメンタリーでは、5人の女性とその子どもたちにフォーカスしており、彼女たちが抱える負の連鎖だけでなく無条件の愛についても描いています。
ちなみに、このドキュメンタリー『The Heart Still Hums(原題)』はYoutubeで観ることができます。(英語:約30分)
また、参考にしていたのはケン・ローチ監督の※『レディバード・レディバード』だそうで、社会派なリーフ監督ならではの作品です。
■ご参考映画【管理人・選】
※子どもを社会福祉局に取り上げられた母親の悲劇を実話に基づき描いたドラマ。ベルリン映画祭 女優賞&国際評論家連盟賞受賞作。【スタッフ】監督:ケン・ローチ【キャスト】クリシー・ロック、ウラジミール・ヴェガ モリシオ・ヴェネガス、レイ・ウィンストン【引用:Amazon】
■テイラー・ラッセル出演話題作
※決して自分たちを受け入れてはくれない社会で、生きていく術を模索する少女とすべての権利をはく奪され放浪する個性的な青年が出会う。自分が何者なのかを知るために、そして危険をはらむ社会に身を置きつつも生きる喜びを求め、2人は車の旅に出る。
キャスト:テイラー・ラッセル、 ティモシー・シャラメ
演技未経験が大半、主要キャストたちを紹介
ティア・ノモア:(役)ジーナ
若いシングルマザー「ジーナ」を演じるのは、演技未経験のラッパー、ティア・ノモア。
監督が希望する「ベイエリアに住んでいて、俳優ではない人」というキャスティングにピッタリだったとのこと。
ティアの本業はラッパーだそうです。
オークランド出身のティアは、キャスティングの1年前に子どもが生まれており、さらに黒人ファミリーのために助産師になろうとトレーニングも始めていました。
そういったところもジーナに通じるところがあったようです。
ドーチ:(役)トリーナ
ジーナの親友・トリーナを演じたのは、ラッパーとして活躍するドーチ。
今年のコーチェラに出演したドーチもまた、演技は未経験だったようです。
ユーモアのあるキャラクターであるトリーナと同じように、ドーチも現場では場を和ませるような存在だったとのこと。
さらに、脚本をナチュラルにそして活きたものにしてくれたと監督は語っています。
エリカ・アレクサンダー:(役)ミス・カルメン
ソーシャルワーカーのミス・カルメンを演じるのは、映画『ゲットアウト』などでも知られるエリカ・アレクサンダー。
監督曰く、素晴らしい役者であり、さらに俳優ではない出演者たちと共演するのを躊躇しなかったそうです。
ケタ・プライス:(役)メル
ジーナの親友・メルを演じるのは、オークランド出身のケタ・プリンス。
ケタは元アスリートであり、中学校でボートのコーチをしたり、ダンサーなどをしながらブラックコミュニティのために支援活動も行っています。
今回の製作で重要となるコミュニティに深く関わりがあったため、監督は当初、ケタにはキャスティングを手伝ってもらうだけにしていましたが、「彼女こそメルだ!」と思ったため起用に至ったようです。
ドミニク・ファイク:(役)マイルズ
HBO製作のドラマ『ユーフォリア』でエリオットを演じ、演技経験もあるミュージシャンのドミニク・ファイク。
Z世代に絶大な人気を誇るドミニクが今回演じたのは、ジーナと兄弟のような関係性のマイルズです。
撮影現場ではエリカ・アレキサンダー同様に俳優や俳優でない出演者たちと対等に接していたようで、楽しくおしゃべりして現場の空気を和らげる存在だったとのこと。
サンダンス映画祭で公開、メディアが絶賛!
映画批評サイトのロッテントマトでは、批評家スコアがなんと100%という高評価なんです。
ストーリーに関してはもちろんのこと、映像美やキャストの演技も心を揺さぶるとのことで、どのメディアでも絶賛されています。
これだけ評価が高いと、期待も大きいですね。
■※制作会社A24のこと【管理人・選】
A24とアメリカ映画の現在 ―『ムーンライト』『ミッドサマー』『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』、そして『aftersun/アフターサン』へ―(ユリイカ2023年6月号 特集)
※およそ10年前に設立されて以来、独自の存在感を放ち続けているA24。作品の「ヴィジョン」の精査に基づくキュレーション、ソーシャルメディアを活用した独創的なマーケティング、そしてそれらを「A24」らしさとして印象づけるブランディングは、いまやZ世代をはじめとする広範な層にリーチし、個々の作品の枠組みを越えたファンダムを形成しているように見える…。【引用:Amazon】
まとめ
サバナ・リーフ監督初の長編とのことですが、メディアの反応を見る限り今年公開される作品のなかでもかなり期待が大きなものになりそうです。
公開は全米で7月、日本ではU-NEXTで、2023年12月22日公開です。
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高校時代にハマった映画観賞が、いつのまにかライフワークに。
ハリウッド大作からインディペンデント作品まで、ジャンルを問わず見ています。
オタク気質ゆえ、気になる作品はとことん調べてしまいます(笑)
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