2019年にAmazonオリジナル作品として制作され、大ヒットしたドラマ『グッド・オーメンズ』を知っていますか?
『シャーロック』や『ドクター・フー』を世に送り出してきたイギリスの国営放送局BBCも制作に参加している、ブラックユーモアたっぷりのファンタジー・コメディです。
バディものの作品が好きな人は絶対にハマるはず!
今回は、初めて本作を知る人に向けて『グッド・オーメンズ』のあらすじと、筆者が厳選した是非知っておいてほしい見どころ3つを紹介していきます!
(冒頭画像:https://www.facebook.com/goodomensprime/)
あらすじ:聖書エピソードを下敷きの、ドタバタコメディ
本作のポイントは、新約聖書の一番最後に収録された※「ヨハネの黙示録」が物語の大まかな下敷きになっているところ。
「ヨハネの黙示録」とは、著者とされるヨハネという人物が、神に見せられた世界の終わり(ハルマゲドン)について記した書のことです。
ありとあらゆる禍いが引き起こされ、天使と悪魔の戦争を経てキリストが再臨するという、「終末」が描かれています。
『グッド・オーメンズ』は、こうした聖書のエピソードの裏側を「もし、あの話が実はこうだったら?」と作者が想像し、現代に起こるものとして創作された見事なファンタジーコメディドラマになっています!
※「ヨハネの黙示録」深堀りしたい人への参考本【管理人・選】
※七つの封印、禍いを呼ぶラッパ、666、ハルマゲドーン、千年王国、偽預言者―不吉なイメージがシンボリックにちりばめられた『ヨハネの黙示録』は、異端視と熱狂的支持をともに受けつつ新約聖書に収められる。謎の人物ヨハネが神の審判を語り、全編を貫く破滅の匂いが戦慄を呼ぶ「最後の正典」のすべてを、八十点余の図像とともに明らかにする。【引用:Amazon】
6000年来の腐れ縁コンビが、「世界の終り」を止めるために奔走
神によって世界が創造されてから6000年、天使たちと悪魔たちは21世紀になっても相変わらず対立を続けていました。
現代のイギリス・ロンドンで人間に紛れて暮らしている天使の「アジラフェル」と悪魔の「クロウリー」は、本来は敵同士のはずですが、6000年前にエデンの園で出会って以来の腐れ縁。
二人とも地上での生活を謳歌していました。
しかし、ついに悪魔側がハルマゲドンを始めるため、「反キリスト」を地上に送り込む日がやってきます。
このドラマでの「反キリスト」とは、この世を破滅に追いやる悪魔サタンの子供のこと。
悪魔側は、アメリカ外交官の家に生まれた赤ん坊を反キリストとすり替える作戦を立てました。
長く地上にいたせいで人間や地球へ深い愛着を持ってしまったアジラフェルとクロウリーは、なんとかハルマゲドンを止めようと画策します。
二人はそれぞれ変装し、乳母と庭師としてアメリカ外交官の家に侵入することに。
地上に来てしまった反キリストの男の子を天使と悪魔が育てれば、善悪のバランスの取れた普通の人間になると踏んだわけですが……。
進んでいくハルマゲドンと並行して描かれる、アジラフェルとクロウリーの数千年来の関係が魅力的なバディものに仕上がっています。
見どころ①:化学反応たっぷり!センス抜群キャスティング
悪魔クロウリー役:デイヴィッド・テナント、『ドクター・フー』の人気俳優
W主演のひとり、デイヴィッド・テナントは皮肉屋で優しい悪魔クロウリーを演じています。
2005年から2010年にかけて、イギリスで50年以上も続いている伝説的なSFドラマ『ドクター・フー』の主演を務め、国内だけではなく世界的に有名な俳優となりました。
天使アジラフェル役:マイケル・シーン、オリヴィエ賞ノミネートの実力派俳優
古書好きの天使アジラフェルを演じるのは、舞台『フロスト/ニクソン』(06)でオリヴィエ賞にノミネートされるなど、高い評価を得たマイケル・シーン。
最近では『ドクター・ドリトル』(20)で、ドリトル先生のライバルである悪役マッドフライを演じました。
刺々しく鋭い役柄が多いキャリアですが、今作では美食家で穏やかな天使役に見事に扮しています。
豪華な脇役、カメオ出演にも注目!
アジラフェルの上司にあたる大天使ガブリエル役には、『トップガン:マーヴェリック』(22)のジョン・ハムが出演。
コメディドラマに登場する典型的なアメリカ人上司のようなキャラクターで、脇役として素晴らしい才能を発揮しています。
他にも、ナレーションである神の声にはフランシス・マクドーマンド、最終話に登場するサタンの声はベネディクト・カンバーバッチなど、キャラクターに見事に嵌っているキャスティングに注目です!
見どころ②:原作はイギリスの代表的ファンタジー作家
原作は、ニール・ゲイマン、そしてテリー・プラチェット共著の同名小説です。
どちらもイギリスを代表するファンタジー作家です。
ニール・ゲイマンは、89年に発表したグラフィックノベル「サンドマン」でカルト的な人気を経た後、神話の神々が現代のアメリカに生きるという小説「アメリカン・ゴッズ」が大ヒット。
映像化された『サンドマン』はネットフリックス、『アメリカン・ゴッズ』はAmazonプライムで見ることができます。
ドラマシリーズでは、ニール・ゲイマンが脚本と制作総指揮を務め、90年代が舞台だった小説の設定を無理なく現代へと変化させました。
テリー・プラチェットは、ファンタジーシリーズ『ディスクワールド』で有名な、90年代のイギリスを代表する作家です。
2015年にアルツハイマー病のため亡くなってしまいましたが、今でもその著作は広く愛されています。
『グッド・オーメンズ』は、そんな魅力的なファンタジー作家二人が共著した作品。
主人公のクロウリーとアジラフェルは、この二人をそれぞれモデルにした側面のあるキャラクターとも言われています。
■『グッド・オーメンズ』原作本(角川文庫版)【管理人・選】
※ニール・ゲイマン、テリー・プラチェット共著。原作を読んでからドラマを見るか、ドラマを見てからか、実は悩ましい!
見どころ③:劇中で流れる、クイーンの名曲にも注目!
本作で特に注目したいのは、劇中でたくさん使われているイギリスのロックバンド、クイーンの楽曲の数々。
原作が刊行された当時の90年代は、ボーカルのフレディ・マーキュリーが死去し、発売されたベストアルバムが大ヒットしたという背景がありました。
もちろん原作にも歌詞が登場します。
【YouTube動画:”Somebody Killed My Best Friend!” | Good Omens | Prime Video】
ドラマでは※「ボヘミアン・ラプソディ」「ユー・アー・マイ・ベスト・フレンド」などの有名な曲から、「イッツ・ア・ハード・ライフ」や「アイム・イン・ラブ・ウィズ・マイ・カー」などのちょっとマイナーな曲まで使われています。
これだけでセットリストが組めてしまいそうなラインナップですね!
ドラマを観た後は、ぜひ音楽も聴いてみてください!
■作品情報とおすすめクイーン・ライヴ映像【管理人・選】
ライヴ・アット・ウェンブリー・スタジアム<25周年記念スタンダード・エディション>
※数あるクイーンのライヴ映像の中でも最も高い人気を誇る、1986年に行われた“オリジナル”クイーンとしてのラスト・ツアー“マジック・ツアー”のハイライト、7月11、12日の2日間で15万人を動員したロンドン・ウェンブリー・スタジアムでのパフォーマンスに、未発表映像と数々の貴重な資料を追加。【引用:Amazon】
※Amazon.co.jpで使えるギフトカードです。数億種の商品・サービスに利用できます。(ギフトカードなど、一部制限)ギフトボックスが付属します。有効期限は発行から10年です。
まとめ:予測不能のシーズン2に期待!
『グッド・オーメンズ』は、シーズン1の世界的な人気を受けて、2023年7月にシーズン2が配信。
つまり、ニール・ゲイマンによるオリジナルストーリーで、原作にはなかった「続き」を見ることができるということ!
公開されているポスターや予告編からは、どうやらジョン・ハム演じるガブリエルが鍵となることがわかります。
シーズン1がよくまとまった完璧な作品だっただけに、一体どうやって物語が続いていくのか、予想のつかない全6話となりそうです!
《ライター:ぜろ》 担当記事一覧はこちらをクリック→
高校2年生で『アベンジャーズ』を観て以来の映画ファン。大学と大学院では映画研究にどっぷり浸かっていました。
アナログでファンアートを描いてはインスタグラムに載せています。楽し〜!
話題の作品や、そこにつながる過去の名作、注目のキャストなどをわかりやすく楽しく紹介していきたいです!
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