アザーフッド 私の人生/OTHERHOOD(19)
現在NETFLIXで配信中のコメディ映画『アザーフッド 私の人生』は、2008年ウィリアム・サトクリフが発表した小説『Whatever Makes You Happy』を原作に制作されました。
2人の子を持つ筆者が、母になってから知る“母の日”の特別感。
今記事では、“母の日”と関わりの深いこの映画を、是非みなさんにご紹介させてください。
(冒頭画像:引用https://ew.com/movies/2019/)
筆者の「母の日」事情、「そこに感謝の気持ちはあるんかい?」
みなさんは母の日に感謝の気持ちを伝えられましたでしょうか?
筆者は、2人のうち成人した娘からはプレゼントをもらいました!
しかし高校生の息子からは、なんの言葉ももらうことが出来ませんでした…
ノーアクションでスマホをいじくり回す息子にしびれを切らし、「今日母の日って知ってる?」と聞いたところ、「あ、そうなん?おめでとう」という答え。
「そこに感謝の気持ちはあるんかい?」と思った次第です。
『アザーフッド 私の人生』:あらすじ
眠らない街、大都会ニューヨークに暮らす息子たちから一向に連絡が来ないキャロル(アンジェラ・バセット)、ジリアン(パトリシア・アークエット)、ヘレン(フェリシティ・ハフマン)の3人の母親。
3人は子育てをしながらたくさんの思い出を共有し、深い友情で結ばれていた。
昔ほど頻繁に会うことはなくなったが、母の日は毎年一緒に過ごすのが恒例となっていた。
母の日、キャロルの家に集まった3人。
ジリアンとヘレンは、キャロルの家に飾られているアイリスを見て、「マット(キャロルの息子)から?毎年大きくなるわね。」と、マットの親孝行さを褒め、自分たちの息子の愚痴を話す。
「何も隠さない関係って素敵よね。」ジリアンが言うと、キャロルは憂鬱そうに、あの花は自分で自分に送ったのだと白状した。
一瞬の間があった。
「でも手紙は書いてないでしょ?」
「まさか!自分宛に手紙を書くなんか…そうよ。書いたわ。」
3人はワインを飲みながら憤る…
母の日を忘れるなんてあり得る?バスソルトでもキャンドルでも買えるじゃない!子育てを間違えたの?
今や自立した息子たちにとって、私たち母親(マザーフッド=Motherhood)は他人(アザーフッド=Otherhood)だ!
「だったら母親を取り戻そうじゃないの!」と、母親たちの意見は一致した。
意気揚々と荷物をまとめ、息子たちの家に押しかけるため、3人はニューヨークを目指す。
最初は楽しかった。しかし、ニューヨークに近づくにつれ3人のテンションは下降していく。
息子が受け入れてくれなかったら?でも彼らは18年も家にいたのよ?
それぞれの息子に会ったキャロル、ジリアン、ヘレンは、自立した息子への距離感、そして“母親”だけでない自分の人生について考えることに…。
『アザーフッド 私の人生』:主役の3キャスト
キャロル・ウォーカー役/アンジェラ・バセット
キャロルを演じるアンジェラ・バセットの代表作映画といえば、『マルコムX』や『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』などがあります。
筆者的には、亡きホイットニー・ヒューストンと共演した『ため息つかせて/Waiting to Exhale』が最高でした!
それにしてもなんて美しいお顔なんでしょう。
ベリーショートでもアフロでもロングでも、なんでも似合う美女アンジェラ・バセット。
この『アザーフッド』は、まるで『ため息つかせて』のその後、子供が独り立ちした後の母親三人を描いているように見えます。
ジリアン・リーバーマン役/パトリシア・アークエット
ジリアンを演じるのはパトリシア・アークエット。
2021年現在54歳の彼女は、ニコラス・ケイジの2番目の妻でした。
映画『救命士』では夫婦で共演しています。
若かりし頃のパトリシア・アークエットはそれはもう美しく、現在はちょっぴりお太りになったものの、美女からキュートな熟女に変身しています。
余談ですが、ニコラス・ケイジは再々再々再婚し、婚姻関係の複雑さギネスに挑戦中か?と思ってしまうほど電撃婚&スピード離婚を繰り返しています。
ヘレン・ハルストン役/フェリシティ・ハフマン
ヘレン役のフェリシティ・ハフマンは、ドラマ『デスパレートな妻たち』のリネット役で有名ですね。
アンジェラ&パトリシア&フェリシティは、主演兼制作総指揮にも携わっていました。
ですが!
フェリシティが夫ウィリアム・H・メイシーとの娘、ソフィアのSAT(大学進学適性試験)で賄賂を払ってスコアを水増し、裏口入学をさせようとしたスキャンダルでこの『アザーフッド』の公開は延期しています。
『デスパレートな妻たち』を3クール観た私は、この映画でのフェリシティは若返り手術している気がするんですよね。
何もしなくても魅力的で素敵な顔だったのに…
この『アザーフッド』でも整形を示唆するようなセリフがちょいちょい出てきますので、チェックしてみてください。
母親に押しかけられた3人の息子、それぞれの事情とは?
キャロルとマットの場合
ニューヨークに着き、キャロルは一番先に車から降ろされ、トップバッターで息子マットと再会することに。
広い部屋に住みながら、まるで高校生のように散らかったマットの部屋を見たキャロルは、さあ“母親”の出番ですとばかりに掃除を始めます。
キャロルは、マットの仕事をスポーツ誌だと思い込んでいましたが、実は露出度多めの男性誌のディレクターだと知り…
ジリアンとダニエルの場合
ジリアンの息子ダニエル・リーバーマン役/ジェイク・ハフマン
ジリアンは息子ダニエルの家に着いたものの、夜になっても連絡が取れず、仕方なくホテルに泊まることに。
翌日ダニエルの家を訪ねたジリアンは、美容師エレンとの付き合いをやめて、ユダヤ教の女の子と連絡を取るよう電話番号を渡しデートを勧めます。
ダニエルのSNSを見て、エレンへの想いを知ったジリアンは…
ヘレンとポールの場合
ヘレンの息子ポール・ハルストン役/ジェイク・レイシー
“母親”を取り戻すのよ!と3人の中で一番イケイケだったヘレン。
いざ息子ポールの家に着いた途端にブザーを押す勇気が無くなり、こっそりホテルに宿泊。
翌日ポール宅を訪ねたヘレンは、うっすら気づいてたポールのゲイ疑惑を、息子ポールの同居人からカムアウト。
さらに、ポールからはレズビアンカップルに精子提供し、ポールの血を引く赤ちゃんが誕生していたことをカムアウトされます。
知らぬ間に祖母になっていたことを知ったヘレンは、なんとかして孫に会おうとしますが…
まとめ
コミカルに、母親たちの素敵な友情を交えながら、子離れの時期には、母親(マザーフッド)は子供とは他人(アザーフッド)ぐらいの距離感が大事だということを教えてくれる『アザーフッド 私の人生』
アザーフッドの後に邦題でと付け加えられている「私の人生」が、映画の内容とぴったりリンクしていて本当に素晴らしい。
子育てだけが母親の人生ではありませんものね。
子離れの時期には、自分の人生の楽しみ方について考えようと思える映画でした。
エンドロール後に撮影の楽しい裏映像がありますので、是非映画終了後もお楽しみください♪
《ライター:青木かこ》 クリックで担当記事一覧へ→
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