誰か力をもった人物に一番に気に入られようとするのは、いかに大変なことか!
相手が選り好みの激しい絶対権力者、そして封建的な中世ならなおさらです。
今回紹介する『女王陛下のお気に入り』は、実話を元に18世紀のアン女王に仕える二人の側近が描かれた大変面白い映画です。
数あるアカデミー賞作品の中でも出色の出来栄え。
ここは、ひとつ高みの見物と決め込んで気楽に鑑賞と思いきや、とんでもない!
見終わってみれば、なにやら女の世界だけとは限らない、もっと嫉妬深いと言われる男の世界にもありそうな話です…。
(冒頭画像:引用https://www.facebook.com/TheFavouriteMovie/)
『女王陛下のお気に入り』:あらすじと主な登場人物
舞台は、18世紀初頭のイングランド。
当時の女王は、アン女王(オリヴィア・コールマン)実在の人物です。(画像・中央)
筆頭の側近サラ(レイチェル・ワイズ)(画像・右)は、表面的には女王に仕えているようですが、時に女王を「アン」と呼び捨てるような仲。
サラには従妹アビゲイル(エマ・ストーン)(画像・左)がいましたが、家が没落貴族となり職を求めてサラのところへやってきました。
なんとかサラのお陰で宮廷の仕事を得たアビゲイル。
最初は従順にサラの指示に従い下働きに徹しますが、元貴族だったクセのあるアビゲイルは慣れるに従い次第に横着に。
お世話になったはずのサラなのに、いつしかライバルとなりめざすは「女王陛下のお気に入り!」になることでした…。
『女王陛下のお気に入り』:ココが見どころ!
❶アン女王の、あまりの無能さにあんぐり!
実在の女王のこと、そんなに愚弄するわけにはいきませんが、アン女王の世間知らずは劇中の冒頭から露呈します。
当時イングランドは、フランス王国と長引く戦争の真っ只中。
しかし、アン女王はほとんど無関心で宮廷で怠惰な生活を過ごしています。
「戦争はまだ終わってないの?」と不満げなアンに、サラは唖然とするほど。
2人の関係は子ども時代から知っている親しさもあって、二人きりになると女王を「アン」と呼び捨てますが、アンもそんなサラをどこか疎ましく思っていました。
●オリヴィア・コールマン(Olivia Colman)
誕生日:1974年1月30日生まれ
星座:みずがめ座
身長:170㎝
出身:イギリス・イングランド
❷アビゲイルの透けて見える魂胆
没落貴族の娘アビゲイルが、宮廷で働く従妹のサラを頼って家を出てきた…。
と聞けば可哀そうな気もしますが、見るからに彼女はしたたかそう。
とりあえずは、宮廷の掃除や洗濯の仕事に使ってもらえることになります。
そんな時、いつも体調がすぐれず痛風持ちのアン女王に、アビゲイルがこっそり治療の薬草を塗布。
アン女王はその薬草に効果があることを知ります。
スタンドプレーを許さないサラはアビゲイルをなんとムチ打ちにしますが、アン女王はそのことで逆にアビゲイルを侍女として呼び寄せます。
●エマ・ストーン(Emma Stone)
誕生日:1988年11月6日生まれ
『ラ・ラ・ランド』『哀れなるものたち』と、2度のアカデミー賞主演女優賞獲得とあって、エマ・ストーンはすっかり大女優の仲間入り。そして『憐れみの3章』へと快進撃は続きます!#エマ・ストーン #11月6日生まれ#1988年生まれ
ピンタレスト:https://t.co/jHUHgVTdYF pic.twitter.com/2YXgAIqTVN— 洋画のレタス炒め🥬 (@kazemichimovie) November 6, 2024
星座:さそり座
身長:168㎝
出身: アメリカ・アリゾナ州
▶おすすめの代表作品
※ヨルゴス・ランティモス監督との最初のタッグ作品です。
❸サラを、どこか疎ましく思うアン女王
サラはアン女王の側近として身の回りのお世話をする一方、アン女王が政治的判断をしなければならない時、自分の主張をアンにハッキリ押し付けることもありました。
アン女王は何かにつけ口出しするサラのことを疎ましく思うようになっていきます。
一方のアビゲイルは、いつもさみし気な女王を気にかけてあげます。
たとえばアンは、17匹のうさぎのペットを飼っていました。
ちなみにこの数は、子どもに恵まれなかった彼女の、死産や流産をした子供の数でした。
そんな可哀そうなアン女王と接し、ペットを可愛がってくれるアビゲイルをアンはますます気に入っていきます。
●レイチェル・ワイズ(Rachel Weisz)
誕生日:1970年3月7日生まれ
星座:うお座
身長:168㎝
出身:イギリス・ロンドン
▶おすすめの代表作品
※シビレル法廷モノです。
※珍しいマーベルコミック作品への登場!
❹アビゲイルの大きな決心とは?
サラが次第にアビゲイルの魂胆を知り焦り始めたそんな時、彼女はアビゲイルに弱みを掴まれます。
サラはアン女王の足の治療としながら、なんと一線を越えてアンと抱き合っていたのです!
そして、その場面をアビゲイルに見られてしまうことに。
二人の秘密を知り優位に立ち始めたアビゲイルは、ある時大きな決心をします。
もはやサラより、アンは自分の言うことの方を聞いてくれると自信を持ったアビゲイルにとって、サラは不要な存在になっていきます…。
(以降、少しネタバレあるので注意)
ココから面白い、いよいよクライマックスへ!
サラとアビゲイル、さも何もなかったかのように二人で紅茶をおいしく飲んでいます。
しかし、二人の関係はお互いの腹を探り合う敵同士の関係に。
アビゲイルはいつも薬草を採取していた森から、別の目的の「薬草」を用意していました…。
アンは殺され、その後アビゲイルはアンの寵愛を受けて暮らすことに?
いいえいいえ、この映画の面白いのはこれからです!
まとめ:3人の実力オスカー女優が集結!
映画の最後は、「う~ん!」と唸るしかありません。
取り巻き連中に適当に話を合され、なんの意志も持たないアン女王、しかしエンディングに注目、彼女はそんなヤワではなかったのです!
ちなみに、アン女王を演じたオリヴィア・コールマンは本作でアカデミー賞主演女優賞獲得の快挙!
さすが、あの傲慢でワガママし放題の女王役の演技は素晴らしい!
また、実力女優のエマ・ストーンとレイチェル・ワイズは、今作で2人ともアカデミー賞助演女優賞ノミネート!
3人の円熟した演技が観られる、ぜひおススメしたいアカデミー賞作品です!
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