『ベルファスト』の歴史背景とあらすじ。北アイルランド出身ブラナー監督の望郷の思いが…

ベルファスト,北アイルランド
『ベルファスト』

『ベルファスト』とは、北アイルランドにある地名でそのまま映画のタイトルとなりました。

この地は今作の監督ケネス・ブラナーの出身地であり、監督の半自伝的作品ともいわれています。

予告で流れる「私が愛した場所、愛した人たちの物語だ。」という監督の言葉は、まさに故郷ベルファストへの深い郷愁を語っているようです。

穏やかな田舎街でくらす9歳の男の子とその家族、幸せな日々はいつまでも続くはずでした…。

北アイルランド紛争として語られる歴史的な争いは、1969年8月15日に家族の生活を一変させてしまいます。

映画主演・監督、輝かしい経歴のケネス・ブラナー

ベルファスト,ケネス・ブラナー
『ベルファスト』主要キャスト

ケネス・ブラナー監督は、イギリス王立演劇学校出身でもとは舞台俳優から出発。

その後、数々の映画作品に登場する一方、映画監督としても活躍するなど輝かしい経歴の持ち主です。

最近作では、クリストファー・ノーラン監督の『ダンケルク』『TENET テネット』に出演。

また、『オリエント急行殺人事件』『ナイル殺人事件』のアガサ・クリスティー作品で監督兼主演として注目を集めています。

●ケネス・ブラナー(Kenneth Branagh)

誕生日:1960年12月10日生まれ

星座:いて座

身長:177㎝

出身:イギリス・北アイルランド

▶ケネス・ブラナーの出演映画一覧

▶おすすめの代表作品


オリエント急行殺人事件 (予告編:Amazon) (原作アガサ・クリスティ:楽天)

参考記事:新『ナイル殺人事件』登場人物、豪華キャストで再び密室ミステリーへ


ダンケルク(予告編) 

『ベルファスト』の歴史的背景とあらすじ

しかし、そんなブラナー監督も9歳ごろまで過ごした北アイルランド・ベルファストには、貧しくも懐かしい日々がありました。

その原風景はなにものにも代えがたく、今作の製作(監督・脚本)となったようです

インタビューの中で語られる「最も過酷な激動の日々」とはいったい何だったのでしょう。

監督は、特にそれは1960年代だったと言っています。

北アイルランドにもともとあった、過去からの帰属国問題を少しのぞいてみましょう。

ベルファスト,北アイルランド
引用:https://mainichi.jp/premier/

ちなみに、現在のイギリスの正式名称である「グレートブリテン及び北アイルランド連合王国」からもわかるように、イギリス=UK(United Kingdom)に属しています。

一方、地図を見ればわかるように、北アイルランドはひとつの「アイルランド島」にありながら、アイルランド島のほとんどを占める別国「アイルランド共和国」には属していません。

北アイルランドの帰属国問題というのは、イギリス側に属するか、イギリスから1920年に独立したアイルランド共和国に属するかという問題だったのです。

地政学的な印象とは別に、帰属を巡る政争の原因となったのは2国間に横たわる宗教の違いや、民族的な事情が複雑に入り混じった結果でした。

優しい両親と祖父母に包まれ、楽しく日々を過ごすバディ

ベルファスト,
左:祖母(ジュディ・デンチ)中:バディ(ジュード・ヒル)右:祖父(キアラン・ハインズ)https://www.facebook.com/BelfastMovie

さて、今作の舞台は1960年代後半の、北アイルランドの首府ベルファスト。

大人たちの世界では、プロテスタント教徒(=イギリス派)とカトリック教徒(=アイルランド共和国派)たちが、帰属を巡って対立を深めていました。

民族のルーツ的にもそんなに違わないはずなのに、長らく続く根深い対立は大人たちでさえ理解できません。

まして、優しい両親と祖父母に包まれ日々を過ごす9歳の男の子バディ(ジュード・ヒル)にとっては、わかるはずもない事情が街には渦巻いていました。

1969年8月15日、突如襲撃されるカトリック住民

平和なたたずまいが突如破られたのは、1969年8月15日。

それが「最も過酷な日々」の始まりでした。

バディ家族が住んでいた地域はカトリック系の住民が多く、どちらかといえば貧しい人たちが多い地域。

そこへやってきたのは、ベルファストからカトリック教徒を追い出そうとするプロテスタントの過激集団でした。

実は、バディ一家はプロテスタントだったのですが隣人たちと分け隔てなく暮らしていたにもかかわらずです。

しかし武装集団の襲撃により、図らずも地域住民の分断と対立が生まれてしまったのです。

子どもの視線から語られるストーリーに注目!

ここまで書くと、先には怖い戦争物語が待っていそうですよね。

しかし、今作で語られるストーリーはあくまでバディという9歳の男の子の視線。

バディの耳に入ってくる、カトリックとプロテスタントを分け隔てている事情についてほとんど理解できません。

周辺から聞こえる「カトリックは敵だぞ!」という声も、それが何を意味するのか…。

バディの関心ごとは、クラスの大好きな女の子キャサリンのこと。

彼女がカトリックだと知ってバディがお父さん(ジェイミー・ドーナン)に相談した言葉が、「カトリックの人とは結婚はできないの?」と。

この純粋さこそ、今作で大人たちが救われるテーマなのかもしれません。

「ベルファスト」を離れる決心をする父親、その時家族は?

ベルファスト,ジェイミー・ドーナン
父親:パー(ジェイミー・ドーナン)https://www.facebook.com/BelfastMovie

●ジェイミー・ドーナン(Jamie Dornan)


Jamie Dornan 2022 Calendar 

誕生日:1982年5月1日生まれ

星座:おうし座

身長:178㎝

出身:アイルランド

▶ジェイミー・ドーナンの出演映画一覧

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フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ (予告編) 

※どちらも新人に近い俳優が出演。話題を呼んだ官能映画です。


プライベート・ウォー(予告編) 

※戦場記者の伝記映画。ロザムンド・パイクと共演しました。

ベルファスト,カトリーナ・バルフ
母親:マー(カトリーナ・バルフ)https://www.facebook.com/BelfastMovie

●カトリーナ・バルフ(Caitriona Balfe)

誕生日:1979年10月4日生まれ

星座:てんびん座

身長:177cm

出身:アイルランド

▶カトリーヌ・バルフの出演映画一覧

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アウトランダー(予告編) 


フォードvsフェラーリ(予告編)

参考記事:『フォードvsフェラーリ』、ル・マン66に挑んだ伝説のケン・マイルズ

殺伐とした雰囲気に変わってしまったベルファストの街。

ある日、バディ家族に一大事件が訪れます。

父親パーが、なんとベルファストに見切りをつけ引っ越す決心を家族に打ち明けたのです。

年老いた祖父母をどうするの?

いつも優しいバディのお母さんマー(カトリーナ・バルフ)は?

そして、バディは?

激動の時代の中をモノトーンだけの映像で進んでいく今作、切なさと懐かしさが溢れてきそうです。

イギリス・アイルランド合作~各映画賞に受賞・ノミネート

ベルファスト,主要キャスト
左から:カトリーナ・バルフ ケネス・ブラナー監督 ジュード・ヒル ジェイミー・ドーナンhttps://www.facebook.com/BelfastMovie

今作の製作国は、アイルランドとイギリスの合作となっています。

そして、特筆すべきはキャストたちの出身です。

両親演じた二人はアイルランド出身、子役のジュード・ヒルと祖父役のキアラン・ハインズ(ベルファスト)が北アイルランド出身、祖母役のジュディ・デンチはイギリス出身という布陣でした。

今も世界各地で紛争が続きますが、過去の恩讐を乗り越え新しい時代を知らせてくれるスタッフ・キャストに各映画賞は絶賛の評価をもたらしています。

(トロント国際映画祭・観客賞受賞を皮切りに、数々の映画賞を受賞・ノミネート。第94回アカデミー賞では、7部門でノミネート発表がありました。)

こんな時代だからこそ、ぜひ見てみたい一作ではないでしょうか。

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