世界的ハイブランドである「グッチ」が映画に!
と聞けば、描かれるのはその創業から世界に名を轟かせた栄光の歴史だと想像してしまいますよね。
しかし、原作となった作家※サラ・ゲイ・フォーデンの同名のノンフィクション本「ハウス・オブ・グッチ」は、実は栄光でもなんでもありません。
暗くて陰湿な過去を白日の下にさらしていたのです。
原作のサブタイトルは、「A Sensational Story of Murder, Madness, Glamour, and Greed」。
殺人・狂気・幻惑・強欲…と、恐ろしい英単語が並んでいますが、出来上がった映画も聞きしに勝るセンセーショナルなものでした。
【最後段に原作者を紹介】
映画『ハウス・オブ・グッチ』のあらすじ
いったいグッチの過去に何があったのでしょう。
ひと言で言えば、実際にあった創業家「グッチ」一族内の確執と、その結果、起こるべくして起こった殺人事件があったのです。
「グッチ」は、1921年に創業者グッチオ・グッチがイタリア・フィレンツェで始めた皮革製品が発祥です。
その後、第二次大戦を経てキャンバス地、バンブー(竹)製品などアイデアと工夫を凝らした商品開発が顧客に支持され、グッチは確実に事業を拡大していきます。
しかし、問題が起こり始めたのは創業者グッチオが死んでからです。
次期社長候補に接近する、一族以外の女「パトリツィア」
2代目として、グッチオの次男アルドが次期社長に一旦就任するのですが、経営権や経営方針をめぐるグッチオの5人兄弟の確執は目に余るものがありました。
そんなグッチ家のいざこざを傍から見ていたのが、まったくの部外者の女「パトリツィア」。
貧しい育ちのパトリツィアが興味を持ったのは、グッチ家の名声と裕福な一族の面々でした。
接近したのは、五男ロドルフォの一人息子マウリツィオ。
一族の内紛を眺めつつ、パトリツィアが特に興味を持ったのは次期社長候補とその財産だったのです。
パトリツィアは周囲の反対を押し切り、なんとかマウリツィオとの結婚にこぎ着けることに。
一旦結婚してからは、まるで自分のハウス・ブランドかのようにふるまい、一族に深く入り込んでいきます。
のちに「レディ・グッチ」とまで言われるようになったパトリツィア、最後は血なまぐさい事件に発展するのです。
主な登場人物、主人公に「レディー・ガガ」
登場する主要キャストを紹介しましょう。
パトリツィアを演じるレディ・ガガは、ご存じのようにSNSを通じ世界中に圧倒的フォロワーを持つ歌姫です。
2020年のアメリカ大統領選では、バイデン支持を打ち出し応援ソングを歌ったり、バイデン当選が決まった時は泣きはらした顔をツイートして話題になりました。
そして歌手だけではなく、『アリー/ スター誕生』で初めて主演女優として映画界デビューし、強烈な印象を残したのは記憶に新しいところです。
あれから4年、再び主演で登場するのが今作『ハウス・オブ・グッチ』。
その役どころが、なんと「性悪女=パトリツィア」だったのです。
●レディー・ガガ(Lady Gaga)
誕生日:1986年3月28日生まれ
星座:おひつじ座
身長:155㎝
出身:アメリカ・ニューヨーク
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グッチ家の御曹役、マウリツィオ・グッチ役にアダム・ドライバー
次に、注目の登場人物マウリツィオは、今、最も旬のアダム・ドライバーが演じます。
『スター・ウォーズ』のカイロ・レンはもとより、最近作では『ザ・レポート』『最後の決闘裁判』など話題映画に登場。
また、その鍛え上げられた肉体と189cmに達する長身は、「バーバリー」香水のアンバサダーに起用され、上半身裸のPVは現代版「ケンタウロス」(ギリシャ神話の創造物)との呼び声も。
(プロフィール欄参照)
映画の中では、パトリツィアにまんまと篭絡され最後には悲しい末路が待っている次期社長候補ですが、名門グッチの御曹司役にはぴったりの雰囲気です。
●アダム・ドライバー(Adam Driver)
誕生日:1983年11月19日生まれ
星座:さそり座
身長:189㎝
出身:アメリカ・カリフォルニア州
CMブランド:バーバリー香水「ヒーロー(Hero)」
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※同時多発テロから20年。アメリカは安全になったのかを問う社会派映画です。
※映画を観ながら静かな時間がゆっくり流れていきます。何も起こらないことの幸せ?
波乱に満ちたグッチ一族、実力派キャストたち
中央に位置するのは、レディー・ガガのパトリツィア。
その左が、パトリツィアと結婚した夫マウリツィオ・グッチ(アダム・ドライバー)。
一番右がアルド・グッチで、創業者グッチオ・グッチの後を継いだ三男になります。
演じるのは、『ゴッドファーザー』などマフィア映画でお馴染みの名優「アル・パチーノ」。
凄味ある演技と存在感は今も変わりません。
●アル・パチーノ(Al Pacino)
誕生日: 1940年4月25日
身長:170cm
出身:アメリカ・ニューヨーク州
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※なんといっても出世作!凄味が半端ではありません!
次に、右から2番目が、アルド・グッチの次男、パオロ・グッチ。
グッチ家騒動の発端となったトラブルメーカーの異端児で、演じるのはジャレッド・レト。
アメコミの「ジョーカー」(『スーサイド・スクワッド』)や、近作の『モービウス』など病んだ役には定評があります。
そして最左が、ロドルフォ・グッチ。
創業者の五男で、息子のマウリツィオに言い寄る」パトリツィアの結婚には反対をしていました。
これも、ベテランのジェレミー・アイアンズが演じます。
●ジャレッド・レト(Jared Leto)
誕生日:1971年12月26日生まれ
星座:やぎ座
身長:180㎝
出身:アメリカ・ルイジアナ
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映画『ハウス・オブ・グッチ』見どころ&テーマ曲
そうそうたるキャストたちが見せてくれる、原作のフレーズ「殺人・狂気・幻惑・強欲…」が一番の見どころです。
孫たちの世代とは、2代目アルドの息子パオロと、ロドルフォの息子マウリツィオ。
創業者から受け継がれた株式の配分争いと並行し、相続争いも日に日に激しくなっていくのですが、そこで暗躍していたのがマウリツィオの妻の座を狙ったパトリツィア。
結婚を果たしたのちに影響力は、「レディ・グッチ」とまで言われた女です。
可憐な歌姫、レディー・ガガがどこまでこの醜悪な女を演じ切るのでしょう。
テーマ曲:ブロンディ「Heart Of Glass」(ハート・オブ・グラス)
ちなみに、予告編で流れるテーマ曲に気付かれたでしょうか?
残念ながら、レディー・ガガでなかったですネ。
こちらは、1970年代のロック・グループ「Blondie(ブロンディ)」(女性ボーカル:デボラ・ハリー)の「Heart Of Glass」(ハート・オブ・グラス)です。
パトリツィアの悪さ加減にピッタリな、クセになりそうなテーマ曲ですね。
華麗なる「グッチ・ワールド」に見とれる、とっておきの映画!
さて、世界的ハイブランド「GUCCI」にとって、こんなスキャンダルの塊のような暴露映画。
いまや創業一族とつながりはないとはいえ、ブランドの名前を汚すだけだったのではと思ってしまいますよね!
いいえ、答えはまったくの逆でした。
スクリーンいっぱいに終始映し出される「グッチ・ブランドの世界観」は、どんなショー・ウィンドウより優れていることがわかります。
なぜなら、劇中登場する一流俳優たちが身にまとうものすべてが「グッチ」だからです。
映画を見終わった後に感じるのは、映画のストーリーもさることながら、2時間のファッション・ショーを見終わった感じのほうが強いかも?
しかもそれは、映画プレミアから始まっていたのですから!
現在も、名だたるプレステージ・ブランドとして支持されるグッチ・ブランド。
実名の実話映画として登場する今作、必見の作品です。
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