ソフィア・コッポラ監督40代の代表作、『ビガイルド 欲望のめざめ』はファンタジー・スリラー！

『プリシラ』など最近のヒット作品が話題になる映画監督、ソフィア・コッポラ監督の作品です。

若手の女性監督といわれた時期を過ぎ、いよいよ実力監督となった作品『The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ』の紹介です。

原題の「The Beguiled」の意味は、「だます」「欺く」「楽しませる」「喜ばせる」「魅了する」など。

どれが一番適切かといえば、全部まとめると今作にはピッタリくる感じです。

今作の見どころは、シチュエーションの面白さ、ファンタジー感あふれる映像、そして登場人物のさまざまな個性が際立って物語が進むところです。

（冒頭画像：引用https://www.facebook.com/BeguiledMovie/）

あらすじ：女性視点で描く、男子禁制の寄宿舎での事件

アメリカ南北戦争時代、南部の静かな森にある学園で起こった出来事です。

寄宿舎には園長のマーサ・ファーンズワース（ニコール・キッドマン）、教師のエドウィナ・ダブニー（キルスティン・ダンスト）、そして帰省せずに残っていた女生徒5名。

森のキノコ採取に出かけた生徒の1人エミリーは、戦線を離脱した負傷兵ジョン・マクバニー伍長（コリン・ファレル）を発見します。

治療してあげようと、急いで宿舎に連れて帰ったのはいいのですが、男子禁制の学園で、しかも敵方の北軍の兵士を結果的にかくまうことになってしまいます。

結果、これまでの女性ばかりの保たれていた秩序が徐々に崩れ始めていきます…。

キリスト教の慈悲の精神、手厚く治療される伍長

女性ばかり7人のところに担ぎ込まれた若い男性兵士の、マクバニー伍長。

マーサ園長は、キリスト教の慈悲の精神で傷が癒えるまで、みんな協力して伍長の治療に当たるよう指示をします。

しかし、伍長は感謝する一方で、いつ南軍に引き渡されるか気が気でありません。

当初は、お互いに疑心暗鬼な日々が続いていました。

しかし、一緒に過ごすうちにそれぞれの人柄がわかりはじめ、お互い次第に打ち解けていきます。

緩み始める学園の秩序

しばらくすると、学園内、特に女性たちの間に微妙な変化が現れ始めたのです。

それは、若い男性を間近で世話をする女性たちの視線に変化が出てきたこと。

また、伍長自身も回復するにつれ、学園の女性たちに興味を持ち出したのです。

その結果、園長の元に規律正しく運営されていた学園の秩序が次第に緩み始めたのです。

元気になった伍長に、媚びを売る女生徒たち

伍長が元気になり出した頃には、全員で食事会が開催されるようになります。

若い女生徒たちは伍長のことが気になって仕方ありません。

一番年長のアリシア（エル・ファニング）は特に積極的です。

そして、生徒どころかエドウィナ先生も気持ちが抑えられません。

そんな雰囲気を察したマーサ園長は、自制させようと厳しくしつけるのですが、園長自身も伍長に接する態度が明らかに違ってきたのです…。

ある夜に起こった事件、転落し再び負傷した伍長

そんなある晩、事件が突然に起こります！

どうも伍長が自分の部屋から抜け出し、自分に積極的だったアリシアの部屋に忍び入っていたようです。

見つけたのはエドウィナ先生で、実は先生は伍長が自分の部屋に来てくれるものとばかり思っていた矢先にバッタリ遭遇！

暗闇の中で動転し、ぶつかるエドウィナ先生と伍長の二人。

そして、伍長は弾みで階段から落下してしまうのでした！

マーサ園長が決心、再び平和な寄宿舎を！

騒ぎを聞き駆けつけたマーサ園長。

いきさつを知ることになり、表向きは静かだった女だけの寄宿舎が一転、「恐ろしい館」に変わっていきます。

再び負傷した伍長の治療に当たるのですが、園長は平和な学園を再び取り戻そうとある決心をするのでした。

一体、なにを決心したのでしょうか？

最後のドンデン返しまでたっぷり楽しめる出来上がりになっています。

まとめ：ソフィア監督のファンタジー・スリラー

ソフィア・コッポラ監督をして、「ガーリー・カルチャーを語る作品群に定評がある」とよく言われます。

今作の作品テーマは確かに心理スリラー的な流れがあるのですが、実際に登場するキャストたちの衣装には監督らしさがよく出ています。

画像のように、パステルトーンのドレスや小物などが使われているため、ソフィア監督らしいファンタジー感が効いた作品になっています。

（第70回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門では監督賞を受賞、高評価を得ています。）

●ソフィア・コッポラ監督（Sofia Coppola）

誕生日：1971年5月14日生まれ

星座：おうし座

出身：アメリカ・ニューヨーク州

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