映画『スキャンダル』は、内部告発による実話セクハラ訴訟。20億円払った話題の真実とは?

スキャンダル
『スキャンダル』シャーリーズ・セロン

映画『スキャンダル』は、全米№1のニュース専門放送局、FOXニュース(FNC)社で2016年に起こったセクハラ訴訟を題材にした実話映画です。

「セクハラ」事件といえば、確かにその会社にとっては「スキャンダル」なのでしょうが、原題は『Bombshell』

もっと深刻でした。

「Bombshell」のひとつの意味は、大企業のトップを最終的に辞任させた「爆弾」の意味と、性的な俗語「かわいこちゃん」の意味とを掛け合わせたタイトルだったのです。

2016年といえば、アメリカの大統領選挙選中に起こった出来事で、政治的背景をもった訴訟でもありました。

当然、当時のトランプ大統領(候補)も実名で登場してきます。

いったい、FOXニュース社で何があったのでしょう?

(冒頭画像:引用https://www.facebook.com/BombshellMovie/)

FOXニュース社(FNC)と、実名登場の主要人物

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左:シャーリーズ・セロン 中:ニコール・キッドマン 右:マーゴット・ロビーhttps://www.facebook.com/BombshellMovie/ 【YouTube:予告編】

前トランプ・アメリカ大統領が、主要マスメディアが発信するニュースをフェイクニュースと言い切ったのは記憶に新しいところ。

しかし、FOXニュースだけは違っていました。

アメリカでは、FOXニュースはトランプ前大統領の所属する共和党寄りといわれているニュース局なのです。

映画は、そこで働いていた実際の社員がモデルで主要人物は実名で登場します。

ちなみに、現在も生存する人たちです。

この辺がアメリカ映画のすごいところで、事件勃発の約2年後から制作、今も現存する放送局を「スキャンダル」映画にしてしまったのです。

CEOを提訴、キャスターのグレッチェン・カールソン

FOX社では、長年にわたりトップによるセクハラが恒常化していました。

たまりかねてセクハラを提訴した人物が「グレッチェン・カールソン」で、ニコール・キッドマンが演じます。

FOXニュース社のベテランキャスターです。

トップからのセクハラ言動とともに、活躍していた最前線の担当を外されてしまいます。

トップとは、同社の会長兼CEOであるロジャー・エイルズ(ジョン・リスゴー)

CEOとは最高経営責任者のことで、まさに会社の絶対権力者だったのです。

●ニコール・キッドマン(Nicole Kidman)

誕生日:1967年6月20日生まれ

星座:ふたご座

身長:180㎝

出身:ハワイ~オーストラリア

▶ニコール・キッドマンの出演映画一覧

▶おすすめ代表作品

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https://www.facebook.com/BombshellMovie/

スキャンダル (予告編)

※エンディングのニコール・キッドマンはさすが見どころ!

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提訴に同調する、FOX局の人気キャスター

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メーガン・ケリー(シャーリーズ・セロン)https://www.facebook.com/BombshellMovie/

提訴に同調するのが、同社の人気ニュースキャスター「メーガン・ケリー」で、(シャーリーズ・セロン)が演じます。

ところで、ニコール・キッドマンとシャーリーズ・セロンの二人の画像をご覧になって、なんだか雰囲気が違うことに気付かれた方も多いのではないでしょうか。

実はこの映画、二人が演じた実在人物に似せるために限りなく「特殊メイク」が施されたのです。

そして、メイクを担当した日本人カズ・ヒロ氏が、アカデミー賞「メーキャップ・ヘアスタイリング賞」を受賞したのはこの一連の特殊メイクに対してでした。

参考記事:特殊メイクの有名女優・俳優、「いったい誰?」話題の映画シーンからクイズ!

●シャーリーズ・セロン(Charlize Theron)

誕生日:1975年8月7日生まれ

星座:しし座

身長:177㎝

出身:南アフリカ共和国

▶シャーリーズ・セロン出演作品一覧

▶おすすめの代表作品

シャーリーズ・セロン,アトミック・ブロンド,スパイアクション
https://www.facebook.com/AtomicBlondeMovie

アトミック・ブロンド(作品情報) 

参考記事:スパイ映画おすすめ3選、女スパイのミッションと生きた政変の時代

ここまでが実在の人物ですが、今作にはもうひとり一般社員を代表する形でモデル化した「セクハラ被害者」が登場します。

ニュースキャスターの座を狙う架空の人物、「ケイラ・ポスピシル」マーゴット・ロビーが演じます。

●マーゴット・ロビー(Margot Robbie)

誕生日:1990年7月2日(かに座)

身長:168㎝

出身:オーストラリア

▶マーゴット・ロビーの出演作品一覧

▶おすすめの代表作品

マーゴット・ロビー,ハーレークイン,スキャンダル
https://www.facebook.com/BirdsOfPreyMovie/

ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY(作品情報)

セクハラの代償、「FOX20億円で和解成立」

さて、この映画、実話という意味で結論はすでに世間では周知の事実でネタバレ済です。

ひとりの女性キャスターが、勤務する大企業のトップをセクハラで提訴したというニュースに驚いたのはもちろんですが、訴訟の結末にはさらに驚かざるを得ません。

AFP通信が報じた実際のニュースでは、FOX社から20億円で和解が成立したと伝えています。

参考記事:AFP通信の実際のニューズ

金額は推測とはいうものの、ニューヨークタイムズ社も同額の和解金での解決を報道しています。

なんともすさまじい金額ではないでしょうか!

静まりかえる社内、メーガン・ケリーの場合は?

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メーガン・ケリー(シャーリーズ・セロン)https://www.facebook.com/BombshellMovie/

さて、グレッチェン・カールソンが提訴したとわかった時、FOXニュース社の社内の雰囲気はどうだったのでしょう?

「私もそうだったのよ!」とオープンに声を上げる風潮を「#MeToo運動」と言い出したのは、FOX訴訟から一年後の話。

しかし、この時から社内では間違いなく「私も!」の声が出始めていました。

事実、提訴した(あるいは提訴にかかわった)人物は複数人あったとされています。

このあたりのムーブメントが、映画の中でどう表現されているか見どころです。

中でも、提訴を大きく動かしたとされるメーガン・ケリーの場合は、第一線から外されていたグレッチェン・カールソンと違って複雑でした。

彼女は、FOXニュースの人気番組を担当する人気キャスターだったのです。

彼女は大統領選挙選の期間中に、本来FOXニュース社として応援すべき共和党トランプ候補に対し、逆に彼の「セクハラ問題」を厳しく非難していた経緯があったのです。

同時に、彼女はトランプ候補から執拗にTwitterでやり返されていました。

共和党の息のかかったFOXニュース社のCEOに対して、共和党からどんな圧力があったのか興味あるところです。

そこで起こった、同じ社内の同僚グレッチェン・カールソンによる提訴。

メーガン・ケリーの取った行動に注目したいところです。

■世はまさに「内部告発」の時代へ!

内部告発の時代 (平凡社新書)

社会正義か、組織への裏切りか──。オリンパス事件の第一通報者と、それをスクープした記者が現代における内部告発の意味を問う。

Black Box (文春文庫)

※社会を変え続けるジャーナリスト、渾身の手記。「そうは言ってもあなたも悪かったんじゃないの?」社会システムの隅々まではびこる性暴力被害者への偏見。立ち上がり闘う魂の記録。

※著者:伊藤詩織

セクハラもそうですが、社内の不正に対し、勇気を出して声を上げる「内部告発」は増えてきています。

特に有名な国家機密レベルの内部告発は、映画にもなった2013年の「スノーデン事件」です。

これは、元CIA職員のエドワード・スノーデンが、国家のよる個人情報侵害が日常的であるとしてマスコミにリークした事件です。

興味のある人は、下記の記事をご覧ください。

参考記事:「元CIA職員の告発映画『スノーデン』、事件から今も逃亡する実録モノ!」

■国家機密レベルの内部告発

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https://www.facebook.com/SnowdenTheMovie/

スノーデン 監視大国 日本を語る (集英社新書)

※2013年のリークで世界を震撼させた元アメリカ情報局員のスノーデン。そして2017年、日本関連の秘密文書が新たに暴露され、そこには大量監視システムXKEYSCOREがアメリカ政府から日本政府に譲渡されていることが記されていた。【引用:Amazon】

※著者:エドワード・スノーデン,

1983年生まれ。CIA、NSA及びDIAの元情報局員。アメリカ政府が無差別監視をしている実態等を暴露した2013年6月の「スノーデン・リーク」で世界を震撼させた。

シャーリーズ・セロン、主演女優賞でのノミネート!

今作は、グレッチェン・カールソンの勇気ある行動をたたえる一方で、事件の経緯や関わった人たちの思惑など知りたい点がいっぱいの映画!

ちなみに、第92回アカデミー賞では3部門にノミネートされています。

主演のメーガン・ケリーを演じたシャーリーズ・セロンに主演女優賞

キャスターを目指す若手社員のマーゴット・ロビーに助演女優賞

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ケイラ(マーゴット・ロビー)https://www.facebook.com/BombshellMovie/

そして、日本人メイクアップアーティスト、カズ・ヒロ(辻一弘)氏メイクアップ&ヘアスタイリング賞の3冠です。

登場するシャーリーズ・セロンやニコール・キッドマンの顔がなんだか変だと思いませんか?

これは限りなく本人に似せたカズ・ヒロ氏のメイクの結果でした。

カズ・ヒロ氏は、第90回の『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』で同賞の受賞歴があります。

そして、2月10日の授与式で、見事、「メイクアップ&ヘアスタイリング賞」を獲得しました!

そんな話題がいっぱいの傑作、ぜひご覧ください!

■ぜひ参考に読んでいただきたい一冊です! 顔に魅せられた人生

特殊メイクアップアーティストとしてハリウッドで重宝されるなか「食っていけない」かもしれない現代アーティストへ転身を決意した裏にある“人生観”を語り明かす。夢に向かって一歩前に踏み出したい方へ、勇気と希望を与える一冊です。

※著者:辻 一弘

1969年、京都府生まれ。幼少期から人の顔、もの作りに興味を持つ。独学で特殊メイクを学び、1995年に渡米。特殊メイクアップアーティストとして、数々のハリウッド映画制作に携わる。2018年、ゲイリー・オールドマンからの熱烈オファーで参加を決めた、映画『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』第九十回アカデミー賞メイクアップ&ヘアスタイリング賞を日本人として初めて受賞。

ダーケストアワー,ゲイリー・オールドマン,特殊メイク
https://www.facebook.com/churchill.movie

ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男(作品情報)

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