映画『キャロル』あらすじとLGBTの世界観。複雑でエレガントで、人に見惚れる瞬間を思い出す

キャロル
『キャロル』ケイト・ブランシェット&ルーニー・マーラ

世の中には同性・異性問わず、人を惹きつけるような不思議な魅力を持つ人がいます。

そんな人を目にして、目が離せなくなった経験はありませんか?

それはまるで引力のようなもので、どうしたって抗うことはできません。

そして、そんな一瞬の記憶を思い出すことができるのが、今回ご紹介していく『キャロル』という映画です。

今作が持つ魅力、そして、その魅力の素とも言える世界観を、この記事でたっぷり見ていきましょう。

映画『キャロル』:作品概要

キャロル
左:テレーズ(ルーニー・マーラ)右:キャロル(ケイト・ブランシェット)https://twitter.com/carol_movie/

映画『キャロル』は、2015年に公開された恋愛映画です。

監督はトッド・ヘインズ

主演は、多くの主演作品を持つ大女優ケイト・ブランシェットと、『ドラゴン・タトゥーの女』などで知られるルーニー・マーラの2人が務めています。

同性愛をテーマにした今作ですが、ありがちな「問題提起」や「センセーショナルさ」は感じられません。

主人公2人の恋愛があくまでも自然に、葛藤を交えながらも、「あるべきこと」のように描かれているからです。

この空気感は、他の作品にはない今作の大きな特徴となっています。

●ケイト・ブランシェット(Cate Blanchett)

誕生日:1969年5月14日生まれ

星座:おうし座

身長:174㎝

出身:オーストラリア

▶ケイト・ブランシェットの出演映画一覧

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※パトリシア・ハイスミス原作。セリフより、主演二人の表情が物語を進めていきます。


エリザベス (予告編:Amazon) (楽天)

※『エリザべス ゴールデン・エイジ』の2作は、イギリス王室を知る上でもぜひ見ておきたい映画です。

参考記事:英国王室騒動は、イギリスの歴史。映画に残る一大事件とスキャンダル!

あらすじ:気品と優雅さ、美女キャロルとの出会い

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1950年代のアメリカ。

テレーズ(ルーニー・マーラ)は写真家を目指しながら、デパートで働く女性です。

ある日仕事をしていたテレーズは、1人の気品に満ちた美しい女性から目を離せなくなってしまいます。

その女性の名前はキャロル(ケイト・ブランシェット)

娘のためのクリスマスプレゼントを買いに来ていたのでした。

テレーズがキャロルの忘れ物を届けたことをきっかけに、2人の距離は縮まっていきました。

親密な付き合いを重ねるうちに、テレーズはキャロルが離婚や親権の問題を抱えていることを知ります。

そんな中、テレーズはキャロルから旅行に誘われ、一緒にでかけることになります。

●ルーニー・マーラ(Rooney Mara)

誕生日:1985年4月17日生まれ

星座:おひつじ座

身長:160㎝

出身:アメリカ・ニューヨーク州

▶ルーニー・マーラの出演映画一覧

▶おすすめの代表作品

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※切なさがほとばしる表情が、とってもかわいい演技派女優の代表!

大女優二人が紡ぐ、繊細な恋愛物語

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一目見た瞬間から目を離すことができず、じっと見つめてしまう。

その人が目の前から去った後も、何度も思い返してしまう。

おそらく多くの人が、こうした経験をしたことがあると思います。

映画『キャロル』の冒頭では、テレーズがキャロルから目を離せなくなる、というシーンが描かれています。

凛とした立ち姿に、きちんと手入れされた金色の髪。

大人の女性としての美しさに、洗練された仕草。

テレーズで無くとも、キャロルに見惚れてしまう女性は多いことでしょう。

そしてテレーズは、まだ少女の面影を残す、物静かで知的な女性です。

この2人が紡ぐ恋愛模様は、どこまでも繊細です。

少し触れたら今にも壊れてしまいそうな、ボタンの掛け違いが一つでもあれば、何もかもが台無しになってしまいそうな、そんな雰囲気を放っているのです。

2人の持つ美しさの違い。

テレーズとキャロルの関係性。

テレーズの若さと、「強い女性」に見えるキャロルの弱さ。

こうした要因が合わさることで、ガラス細工のような恋愛物語が創り上げられているのです。

『キャロル』で描かれる、50年代価値観が与える「難しさ」

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今作『キャロル』は、同性愛をごく自然に描いています。

しかし同時に、キャロルは作中で50年代の価値観に苦しめられてもいます。

キャロルの弱さの原因ともなる「価値観による難しさ」を、ここで見ていきましょう。

同性愛について

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キャロルは夫と子供を持ちながらも、テレーズ以前にも女性と交際したことのある同性愛者です。

キャロルは、同性愛者である自身に対し、マイナスな感情を抱いていません。

しかし50年代という時代柄、周囲の人間はキャロルに対し複雑な感情を抱いています。

夫のハージが、その代表格と言えるでしょう。

ハージは妻の一面を受け入れることができません(結婚しているから……と考えることもできますが)。

しかし、彼女を手放すこともできません。

ハージにとってキャロルは魅力的な女性であり、未練があると共に、トロフィーワイフ的な役割を期待しているからです。

だからこそ無理やりにでも、キャロルの性的指向をコントロールしようとするのでしょう。

また、ハージの両親の「同性愛が病気(意訳)」というセリフからも、当時の同性愛についての認識を知ることができます。

同性愛に強い偏見があった50年代のアメリカ。

その状態で自己を貫きとおすのは、至難の技なのです。

「母」という存在について

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キャロルは「女性を愛する自分」を大切にすると同時に、自分の娘を心から愛しています。

しかし、「母」という立場はキャロルを苦しめてもいます。

作中当時の世間では、「母」が女性と恋愛をするなど、勿論ご法度。

同性愛が病気と言われるのですから、治療がうまくいかなければ親権を奪われても仕方がないのです。

それでも、キャロルは「母としての自分」と「女性としての自分」を両立させようともがきます。

その葛藤こそが、キャロルが持つ弱さなのでしょう。

■映画『キャロル』原作本の紹介【管理者選】


キャロル (河出文庫)   

著者:パトリシア・ハイスミス

1921年、テキサス州生まれ。45年に「ヒロイン」が雑誌掲載され作家デビュー。『見知らぬ乗客』『太陽がいっぱい』が映画化され、人気作家に。『太陽がいっぱい』でフランス推理小説大賞、『殺意の迷宮』で英国推理作家協会(CWA)賞を受賞。サスペンスの巨匠として多くの作品を発表。生涯の大半をヨーロッパで過ごした。1995年死去。


殺意の迷宮 (創元推理文庫)  

まとめ~LGBTテーマ作品に触れるきっかけに~

映画『キャロル』は、シーンの一つ一つが美しい作品です。

また、キスシーンやベッドシーンなどの描写はあるものの、いやらしさや下品さなどはかけらもなく、まるで芸術作品を見ているかのような感覚に陥ります。

同性愛は、苦手な人がいることは確かでしょう。

しかし、少しでも今作に興味が湧いたならば、観賞してみてください。

むしろ、LGBTをテーマとする作品に触れるきっかけとしてもおすすめできる作品です。

《ライター:オオノギガリ》 担当記事一覧はこちらから→

プロフィール,オオノギガリ

洋画が大好きwebライター。王道の物語も大好きですが、少し捻った作品を偏愛しています。大好きな映画監督はクリストファー・ノーランとクリント・イーストウッド。

主に映画内容の考察を得意としており、魅力に溢れながらも「わかりにくい映画」を最後まで楽しめるお手伝いができればと考えております。

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