2023年7月、パリの自宅で亡くなったジェーン・バーキン。
60年代のデビューから、永遠のファッションアイコンとして晩年まで人気が衰えなかった大スターの突然の訃報に、驚いた人も多いのではないでしょうか?
ジェーンを撮ったドキュメンタリー映画は、1990年公開の『アニエス・Vによるジェーン・b』(アニエス・ヴェルダ監督)が有名です。
ですが、ジェーン・バーキンに関する新作『ジェーンとシャルロット』は、娘であるシャルロット・ゲンズブールがカメラを回し、よりパーソナルな母娘のドキュメンタリーとなっているようです。
今回は、2023年公開の『ジェーンとシャルロット』をご紹介します。
(冒頭画像:引用https://www.reallylikefilms.com/janeandcharlotte)
プロフィール:「ジェーン」と「シャルロット」
60年代にデビューし、一気に人気が出たジェーン。
可愛らしいルックスで瞬く間に永遠のファッションアイコンとなり、晩年は飾らない笑顔が素敵で「こういう年の取り方をしたい」と思わせてくれる人でした。
また、シャルロットは、ジェーンの3人いる娘のなかで一番名が知られているのではないでしょうか?
女優として活動し、今回は初めて長編映画の監督を務めました。
そんな2人のプロフィールを、映画の予備知識として軽くご紹介します。
ジェーン・バーキン
1946年、イギリス生まれ。18歳の頃に映画『ナック』で脇役として女優デビューしたジェーン。
この作品で、最初の夫であるジョン・バリーと出会い、長女のケイトをもうけました。
しかし、結婚生活はすぐに破綻。
1968年にケイトを連れてパリに渡り、出演した※映画『スローガン』でシェルジュ・ゲンズブールと出会います。
そしてシェルジュとの間には次女・シャルロットが生まれました。
シェルジュとは結婚せず、ずっと事実婚だったそうです。
1980年に、シェルジュとは別れることを選んだジェーンですが、その後もシェルジュが亡くなるまで交流は続きました。
ちなみに、エルメスのバーキンは、ジェーン・バーキンから名前をとったもので有名です。
永遠のファッションアイコンとして愛されてきたジェーンに相応しいですよね。
※参考:『スローガン』とCD「ベスト」【管理人・選】
※その官能と哀愁で人気の高い女優であり、シンガーであるジェーン・バーキンのエレガントでシックな名曲の数々を収録したベスト・アルバム。
シャルロット・ゲンズブール
ジェーン・バーキンとシェルジュ・ゲンズブールの間に生まれた、正真正銘のサラブレッドであるシャルロット。
1984年の映画『残火』でデビューし、1986年には※映画『なまいきシャルロット』で14歳にしてセザール賞の若手有望女優賞を受賞。
両親から受け継いだ才能はすぐに発揮され、それ以降も数々の作品に出演してきました。
特に、ラース・フォン・トリアー監督の作品に多く出演しており、2009年の映画『アンチクライスト』では、カンヌ国際映画祭で女優賞を受賞しています。
私生活では、俳優兼監督のイヴァン・アタルと事実婚関係にあり、2人の間には3人の子どもがいます。
次女は今回のドキュメンタリー撮影に同行することが多かったようです。
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※夏休み前日、水泳の飛び込みに失敗したシャルロットは足を怪我する。教室に戻る途中、シャルロットが音楽室を覗き込むと、彼女と同じ13歳の天才ピアニスト、クララ・ボーマンの演奏がテレビ中継されていた。シャルロットはクララの美しさに魅了される。夏休みに入り、シャルロットと病気がちの少女ルルは父の使いで工場へと向かっていた。途中でふたりは、コンサートのためこの地を訪れたクララとマネージャーに道を尋ねられる。【引用:Amazon】
あらすじと概要:最もアイコニックな母娘を描く物語
2018年の東京。シャルロットは、ジェーンが行っていたオーケストラのツアーに同行し、ドキュメンタリーの撮影を開始することに。
それは、母親との間にできた距離を少しでも埋めるため、そして会話をするための口実でもありました。
シェルジュと別れた母・ジェーンが家を出て行ったあと、父親の元で育ったシャルロットには、ジェーンとの距離を感じていることが多かったのです。
自分よりも姉や妹たちのほうが愛されているのではないか?
そういったことを聞きたいと思っていたシャルロット。
カメラを回すことで、母・ジェーンを知ることになります。
ですが、これはジェーンのことだけでなく、母と娘の関係を描くドキュメンタリーとなりました。
■参考:「ジェーン・バーキン」スタイルとは?【管理人・選】
※「若いころは四十歳になったら、もう何もかもおしまいだと思っていたけど、現実に は大恋愛をしたの。何も見えないくらいに夢中だったわ」「理想の年齢は四十代ね」(中略)人生を思うままにスキャンダルに生き、結婚、出産、離婚、そして最愛の人や娘の死を経て、見事に美しく「変容」していく…。【引用:Amazon】
ジェーン・バーキン (MARBLE BOOKS Love Fashionista)
※カジュアルな定番スタイルでありながら、独特の魅力のあるスタイル! 今また若い女性からファッションアイコンとして絶大な支持を 得ているジェーンバーキン。 ファッション、ヘアメイク、恋愛、出演作品・・・など彼女の魅力の すべてがわかる、“バーキンスタイル”のコツがわかる ファッションフォトBOOK。
撮影は一時中断、シャルロットの投げた質問とは?
撮影が始まる2年以上前。
シャルロットは姉・ケイトの死にショックを受け、少しでもパリの喧騒から離れたいとニューヨークへ移住していました。
ジェーンとは連絡をとっていたものの、フランスとNY、地理的にも距離があり、2人の距離は離れていくばかり。
そこで、ジェーンと会話をする口実として、ドキュメンタリー製作に踏み切ることにしたシャルロットは、2018年のコンサートへ同行します。
リハなどを撮りたい、と承諾を得たものの、ドキュメンタリーの正確な主旨は伝えずにいたシャルロット。
東京での最初のインタビューで、「どうして他の姉妹と同じように私のことを扱ってくれなかったの?」という質問をし、ジェーンを怒らせてしまいます。
シャルロットは純粋にこのことを聞きたかっただけでしたが、ジェーンは責められているとネガティブに捉えてしまい、フランスに帰国後、撮影は中断してしまいました。
数年後、NYを訪れたジェーンに、シャルロットは東京で撮影したフッテージを見せることに。
思ったよりも綺麗に撮れていたその映像に、ジェーンは撮影を続けることを承諾したそうです。
■参考本【管理人・選】
※Interview2:シャルロット・ゲンズブール(俳優、歌手)・絶対的な存在の「母」を繊細に描くフランス出身の俳優で歌手のシャルロット・ゲンズブールは、芸能一家に生まれました。彼女の母、ジェーン・バーキンを繊細に描いた自身初監督作品である『Jane by Charlotte』に関するインタビューをお届けします。常にメディアの注目を集め続ける両親の下に生まれたゲンズブールが、世界的に著名な母との関係を映画の題材に選んだ経緯、父が残した家にまつわるプロジェクト、そして自身の子育てについて率直に語ります。【引用:Amazon】
まとめ
娘からみたジェーン・バーキン。
これだけでも興味深いドキュメンタリーとなっていそうですね。
ジェーン亡き今、撮影が再開されて完成したのは本当に良かったと思います。
ぜひとも劇場で観賞したい作品です。
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高校時代にハマった映画観賞が、いつのまにかライフワークに。
ハリウッド大作からインディペンデント作品まで、ジャンルを問わず見ています。
オタク気質ゆえ、気になる作品はとことん調べてしまいます(笑)
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