米発のフランス支局、『フレンチ・ディスパッチ』誌
ユニークで面白そうな映画がやってきます!
映画タイトルの長さだけだと、ギネス級の映画『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』!
原題は『The French Dispatch of the Liberty, Kansas Evening Sun』を見てもほとんどわかりません。
簡単に言えば、アメリカ雑誌社のフランス支局が発行する『フレンチ・ディスパッチ』誌といったところでしょうか。
(さらに言えば、そのアメリカ雑誌社はカンザス州リバティー市の「夕刊サン」とのこと。)
それはわかったとしても、さあ、どんな雑誌で肝心の映画はどんなあらすじになるのでしょう?
国際問題から、アート・ファッション&グルメまで?
まず、『フレンチ・ディスパッチ』誌が編集している内容ですが、オフィシャルサイトによれば、
「国際問題からアート、ファッションから美食に至るまで…」とあります。
もう少しテーマを絞ればいいのに…と思うのですが、ジャンルの広さこそちょっと摩訶不思議な匂いが。
ここが後に述べる監督の「フランス愛」を表現したものであることがわかります。
そして、
「アメリカ生まれの名物編集長が集めた一癖も二癖もある才能豊かな記者たち」がいて、
「深く斬り込んだ唯一無二の記事で人気を獲得している。」とのこと。
名物編集長、一癖二癖のある記者、ユニークな記事と聞くとちょっと映画のイメージも湧いてきたのでは?
『フレンチ・ディスパッチ』誌、編集部の面々
さあ、『フレンチ・ディスパッチ』編集部にはどんなメンバーがいるのでしょうか?
まず編集長は、アーサー・ハウイッツァー。
「私のオフィスで泣くな」(予告編参照)がモットーの人情家編集長で、ベテラン俳優ビル・マーレイが演じます。
今、『ゴーストバスターズ/アフターライフ』が話題ですが、その初代ピーター・ヴェンクマン博士です。
●ビル・マーレイ(Bill Murray)
誕生日:1950年9月21日生まれ
星座:おとめ座
身長:187cm
出身:アメリカ・イリノイ州
▶おすすめの代表作品
ゴーストバスターズ (予告編:Amazon) (雑貨:楽天)
※このマークに見覚えのある人が多いのでは?愉快なコメディ!
※ソフィア・コッポラ監督。スカーレット・ヨハンソン共演。多くの映画賞を受賞。
そして、登場するユニークな記者の中から2人紹介しましょう。
まず「ルシンダ・クレメンツ」。
彼女は、高潔なジャーナリストで私生活にちょっと秘密を抱えているとのこと。
演じるは、なんと「フランシス・マクドーマンド」!
いかがですかこの顔!
『スリー・ビルボード』で怒りまくっていた顔や、『ノマドランド』のウラ寂しい顔は消え失せ、なんともすっとぼけた顔で登場し、そのギャップにはあきれかえるほど!
あたりまえと言えばあたりまえの、オスカー女優です。
●フランシス・マクドーマンド(Frances McDormand)
誕生日:1957年6月23日生まれ
星座:かに座
出身:アメリカ・イリノイ州
身長:165㎝
▶おすすめの代表作品
※飄々として、時にはにかむ優し気な顔。現実の厳しさを垣間見せながら淡々と進む素晴らしい映画、そして女優です。なんと3度目の主演女優賞。
※いかつくも頑固な役を好演。主演フランシス・マクドーマンドが2度目のアカデミー賞主演女優賞を受賞した名作です。
次は、祖国を追われた孤独なフード・ジャーナリストの「ローバック・ライト」。
これも演じるのは、『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』でジェームズ・ボンドの盟友だったジェフリー・ライト。
もう、ギャップがどうのこうのレベルではなく、まったく別人と言っていいほどのキャラクターで登場します。
ウェス・アンダーソン監督の、ユニークな世界観
果たしてどんなストーリー展開となるのか、その前に、触れておきたいのは今作の監督「ウェス・アンダーソン監督」です。
今作は、監督がかつて住んだことのあるフランスへの賛歌とも。
独特のユーモア満載の世界観は有名で、すでに『グランド・ブダペスト・ホテル』で証明済です。
2014年公開で、第87回アカデミー賞を4部門で受賞の他、合計8部門でノミネートされた実績のヒット作です。
キャストへのこだわりが強く、共演は絶対無理だとされる著名な女優、実力俳優をいとも簡単にラインナップ。
いわゆる「ウェス組」とも言われる面々が無造作に並んでいるのがわかるでしょうか。(画像参照)
「あれ、今のはレア・セドゥ?」で、まさかの端役!
たとえば、『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』でボンドとともに最高のクライマックスを迎えたレア・セドゥ(3段目:最左)や、若手オスカー女優のシアーシャ・ローナン(中段:右2人目)。
『グランド・ブダペスト・ホテル』では、完全に端役扱いながら、ストーリーの中では圧倒的な存在感で登場します。
とにかく、「すっとぼけ感」は半端ではありません。
『フレンチ・ディスパッチ』の前に『グランド・ブダペスト・ホテル』を見ておくと、ウェス・アンダーソン監督ワールドにすんなり軟着陸できるかもしれません。
もちろん、二人は登場します!
廃刊?最終号で、名スクープをオムニバス構成
さて物語の方は、『フレンチ・ディスパッチ』誌の名物編集長ハウイッツァーが死亡したことで急展開。
遺言によって廃刊が決まってしまい、追悼を兼ねた最終号が発行されることになります。
映画では、短編オムニバス形式で紹介されていきます。
まず最初に登場するのは、「ウェス組」の常連、オーウェン・ウィルソンです。
「自転車レポーター」編:サゼラック記者
オーウェン・ウィルソンが演じるのは、ハウイッツァー編集長がお気に入りだった記者サゼラック。
ご覧のようにベレー帽がトレードマークで、お気に入りの自転車で映画の舞台となるフランス架空の街「アンニュイ・シュール・ブラゼ」を紹介していきます。
もともとオーウェン・ウィルソンは、ウェス・アンダーソン監督の実生活の親友でもあるとのこと。
劇中ではユニークな、ちょっと無鉄砲なキャラクターで街中を周回しながら紹介してくれます。
【YouTube:『フレンチ・ディスパッチ』(自転車レポーター 編)】
●オーウェン・ウィルソン(Owen Wilson)
誕生日:1968年11月18日生まれ
星座:さそり座
身長:179cm
出身:アメリカ・テキサス州
▶おすすめの代表作品
オムニバスで3部構成の、追悼スクープ集
スクープ集にはタイトルが付いており、#1「確固たる名作」、#2「宣言書の改訂」、#3「警察所長の食事室」と3部構成で進んでいきます。
予告編を注視して観ていくと、数々の「ウェス組」の名優に出くわしますよ。
各スクープのメイン・キャストと劇中の役柄を紹介しておきましょう。
スクープ#1「確固たる名作」
・ベニチオ・デル・トロ (投獄された芸術家 )、エイドリアン・ブロディ(美術商)
●ベニチオ・デル・トロ(Benicio del Toro)
誕生日:1967年2月19日生まれ
星座:うお座
身長:188㎝
出身:プエルトリコ
▶おすすめの代表作品
※前作のアクション映画『ボーダーライン』からさらに過激に!ベニチオ・デル・トロにスポットが当たります。
●レア・セドゥ(Léa Seydoux)
誕生日: 1985年7月1日生まれ
星座:かに座
身長:168㎝
出身:フランス・パリ
▶レア・セドゥのおすすめ代表作
ミッション:インポッシブル/ ゴースト・プロトコル (予告編:Amazon) (楽天)
※レア・セドゥは「007」だけじゃなかった!ゴースト・プロトコルの「サビーヌ・モロー」は痺れます!
007 スペクター (予告編:Amazon) (映画ポスター:楽天)
※2作連続でボンド・ウーマンで登場は快挙!
スクープ#2「宣言書の改訂」
・ ティモシー・シャラメ(左:学生運動リーダー)、リナ・クードリ(右:学生運動グループ員)
すごいですネ~。
『DUNE /デューン 』など、今が旬のティモシー・シャラメまで顔を出します!
でも、救世主ポールの顔を被せてはいけません。
●ティモシー・シャラメ(Timothée Chalamet )
誕生日:1995年12月27日
星座:やぎ座
身長:182㎝
出身:アメリカ・ニューヨーク
▶おすすめの代表作品
詳細記事:映画『DUNE /デューン 』は豪華キャストによる、スターウォーズ的宇宙観が圧巻!
スクープ#3「警察所長の食事室」
・マチュー・アマルリック(息子を誘拐された警官)、シアーシャ・ローナン(ショーガール)
シアーシャ・ローナンは、『グランド・ブタペスト・ホテル』では、なんと美貌の顔にアザまで作って登場していましたが、今作では「ショーガール」!
●シアーシャ・ローナン(Saoirse Ronan)
誕生日:1994年4月12日生まれ
星座:おひつじ座
身長:168㎝
出身:アイルランド
▶おすすめの代表作品
2年ぶり開催の、カンヌ国際映画祭に正式出品
今作は、約2年ぶりの開催となった「第74回カンヌ国際映画祭」に正式出品された作品です。
上映後は、10分近いスタンディングオベーションで讃えられたと伝えられています。
左から6番目が、ウェス・アンダーソン監督。
並んだ顔ぶれに多くの出演者の顔を見ることができます。
●ウェス・アンダーソン監督(Wes Anderson)
誕生日:1969年5月1日生まれ
星座:おうし座
出身:アメリカ・テキサス州
▶おすすめの代表作品
※アニメでも独特の世界観を醸しだし、『犬ヶ島』は第91回アカデミー賞・長編アニメ映画賞ノミネートの話題作品です。
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