実話モデル映画『ゴーン・ガール』を考察、煮詰まりすぎた夫婦のトリッキーな事件とは?

ゴーンガール,ロザムンドパイク
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大好きな人と共に過ごす交際期間や新婚期間は、何もかもが光り輝くようで楽しいものです。

しかし、それなりの時間一緒に過ごせば、どうしても許せない部分が出てくるはず。

今回ご紹介する映画『ゴーン・ガール』は、こうした「許せない」問題に煮詰まりすぎた夫婦が登場する作品です。

今作の特徴は、作品内に散りばめられた、思わずハッとしてしまうようなトリックの数々。

ネタバレをしてしまうと最初に見る衝撃が薄れてしまうため、できる限りネタバレを避けて、今作の魅力を考察しながらご紹介していきます。

(冒頭画像:引用https://www.facebook.com/GoneGirlMovie/)

映画『ゴーン・ガール』:作品概要

ゴーンガール
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映画『ゴーン・ガール』は、2014年に公開されたサスペンス/スリラー映画です。

監督は『セブン』『ファイト・クラブ』などで知られるデヴィッド・フィンチャー

原作は※ギリアン・フリンの同名小説ですが、「どんでん返し」的作風が得意なデヴィッド・フィンチャーの味付けが今作でも冴えています。

主演を務めるのはベン・アフレックロザムンド・パイク

絶妙なダメ夫と底が知れない美しい妻役で魅せてくれます。

今作が描くのは、夫婦関係が究極までうまくいかなかった末の姿。

ハラハラするサスペンス要素は勿論ですが、細かな要素の1つ1つは共感できる人も多いことでしょう。

《原作者紹介》【管理人・選】

●ギリアン・フリン(Gillian Flynn)

誕生日:1971年2月24日生まれ

出身:アメリカ・ミズーリ州

原作タイトル:「ゴーン・ガール」

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著者:ギリアン・フリン

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ミズーリ州カンザスシティ生まれ、カンザス大学卒業後、ノースウェスタン大学でジャーナリズムの修士号を取得。デビュー作「Sharp Objects」で2007年度のCWA賞最優秀新人賞、最優秀スリラー賞をW受賞、第2作「Dark Places」も09年度のCWA賞最優秀スリラー賞にノミネートなど(中略)現在、いまアメリカでもっとも活躍が期待される女性ミステリ作家のひとりです。

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あらすじ:妻エイミーのこと、何も知らない夫

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5回目の結婚記念日、ニック(ベン・アフレック)は妹と共に経営するバーで朝から酒を飲み、やさぐれていました。

ニックは妻のエイミー(ロザムンド・パイク)とうまくいっておらず、毎年のように投げかけられる「宝探しクイズ」が解けないでいたのです。

バーを出て自宅に戻ったニックが見たものは、エイミーがいない、荒らされた部屋でした。

すぐに警察を呼び調査をしてもらったものの、捜査官が投げかけるエイミーについての質問にニックは答えることができません。

ニックはエイミーの事を何も知らなかったのです。

警察が調査を進める中、エイミーの日記など、彼女が残した失踪に関わるであろう証拠を見つけていきます。

そしてその証拠の多くが、エイミー失踪にニックが関わっていることを示唆していたのです。

●ロザムンド・パイク(Rosamund Pike)

誕生日:1979年1月27日生まれ

星座:みずがめ座

身長:174㎝

出身:イギリス・ロンドン

▶ロザムンド・パイクの出演映画一覧

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モデルになった実話とは?

衝撃的なストーリーラインを持つ映画『ゴーン・ガール』ですが、実はモデルになった実話があります。

その実話とは、「スコット・ピーターソン事件」と言われる2002年に起きた事件です。

この事件は、妊娠中のレイシー・ピーターソンの失踪を、夫のスコットが通報したことから始まります。

夫妻の容姿が優れていたこともあり、事件はすぐに全米の注目を集め、マスコミも盛んに報道しました。

しかし、警察はスコットを犯人だと考えており、さらに彼の不倫が発覚したことから、スコットに集まる世間の目は冷たいものとなりました。

次の年、レイシーと赤ちゃんの死体が見つかり、スコットは殺人の罪で逮捕。

スコットは無実を主張しましたが、死刑を言い渡されてしまいました(現在は死刑の撤回がなされている模様)。

「人間」にゾッとする、衝撃のスリラー作品

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幽霊が怖い、ゾンビが怖い……

世の中には、種類を問わず「怖い」作品が山ほどあります。

その中でも一番怖いのが、一番現実的で身近な「人間が怖い」作品ではないでしょうか。

『ゴーン・ガール』もまた、そんな「人間が怖い」映画の1つです。

そして、その怖さが今作の大きな魅力となっています。

今作には、数多くの人間が登場します。

ニックにエイミー、エイミーの両親、街の人々、マスコミ関係の人々……

ニックを責めるエイミーの「友人たち」に、妻が失踪した人間に笑顔を求めるマスコミ、それを見て炎上してしまう世間。

取り巻く人々の行動や思い、感情をかき乱される

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これらの行動は、1つ1つを見ていくとそれほどおかしなものではなく、感情的にも納得できるものです。

しかしよく考えてみれば、どこかしら変なことに気が付きます。

なぜ、有罪かどうか分からない人を手ひどく責められるのでしょうか。

なぜ、傷心し疲れていると明らかに分かる人に、笑顔での写真を求めるのでしょうか。

「ありがちなこと」と違和感が奇妙に混ざり合い、なんとも言えない恐怖感が押し寄せてきます。

今作の主人公であるニックやエイミーに、見る人が何かを思うのは当然でしょう。

しかし、今作ほど主人公を取り巻く人々の行動や思いに感情をかき乱される作品は多くありません。

これこそが、今作を素晴らしいスリラー作品に仕上げているのです。

●ベン・アフレック(Ben Affleck)

誕生日:1972年8月15日生まれ

星座:しし座

身長:192cm

出身:アメリカ・カリフォルニア州

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恐ろしいながらも共感してしまう、秀逸なエミリー像

今作の主人公でありキーパーソンとなるニックの妻・エイミー。

そんな彼女の人物像は、今作の一番の仕掛けでもあり、最大の魅力となっています。

できる限りのネタバレを避けて、エイミーの人物像を考えていきましょう。

エイミーは美人な上に、頭の良い女性です。

父親は有名な児童文学作家であり、エイミーは彼の作品のモデルとして、「完璧なエイミー」として知られていました。

エイミーのイラだちの種、決して珍しいものではない

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その反面、目的のためには手段を択ばないサイコパス的要素も持ち合わせています。

頭脳派でサイコパス、その上美人。

絶対に敵に回したくない人物ですよね。

しかし、そんなエイミーも夫婦生活においては人間です。

私たちにも身に覚えがあるように、共に暮らす夫の行動に日々イラつき、不満を募らせ、やがて爆発に至るのです。

エイミーのイラだちの種は決して珍しいものではなく、共感できる人も少なくないことでしょう。

共感と恐怖。

エイミーはこの2つの感情を見事に両立させた、秀逸な人物像を持つ登場人物なのです。

まとめ:幾度か見返した上で…

デヴィッド・フィンチャーの映画作品『ゴーン・ガール』についてご紹介してきました。

フィンチャー監督作品の中でも人気の高い今作は、数多くのメディアで紹介や考察がなされています。

しかし今作には、紹介や考察を読んだだけでは理解しきれない部分が数多くあります。

ぜひ幾度か見返した上で、自分が「どう感じたか」を考えてみてください。

そしてできれば、同じ作品を見た人と意見交換をしてみてください。

おそらく、異なる意見が聞けるはずです。

《ライター:オオノギガリ》 担当記事一覧はこちらから→

プロフィール,オオノギガリ

洋画が大好きwebライター。王道の物語も大好きですが、少し捻った作品を偏愛しています。大好きな映画監督はクリストファー・ノーランとクリント・イーストウッド。

主に映画内容の考察を得意としており、魅力に溢れながらも「わかりにくい映画」を最後まで楽しめるお手伝いができればと考えております。

https://twitter.com/oonogigari

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