ディオールも楽しめる映画『ミセス・ハリス、パリへ行く』
2022年11月に公開された映画『ミセス・ハリス、パリへ行く』をご覧になった方も多いのではないでしょうか。
本作はディオールのドレスも楽しめ、ファッション好きには必見のとってもキュートな映画です。
今記事では、主人公ミセス・ハリス(レスリー・マンヴィル)と対峙する女性コルベール(イザベル・ユペール)に注目。
パリジェンヌのファッションアイコンとしての彼女を取り上げてみました。
(冒頭画像:引用『エル ELLE』https://www.facebook.com/isabellehuppert/)
はじめに、最近の登場作『ミセス・ハリス、パリへ行く』のあらすじを簡単に紹介しておきましょう。
ミセス・ハリス、パリへ行く:原作ポール・ギャリコ(角川文庫)
あらすじ:夢を持つ人の、背中を押してくれる映画
戦争で夫をなくしたロンドンの家政婦ハリスは、クリスチャン・ディオールのドレスに一目惚れをし、ディオールのドレスが着たい!という夢を叶えるためパリへ行く決意をします。
階級社会のイギリスにおいて労働者階級であるハリスが、パリへの旅費とオートクチュールのディオールのドレス代を手に入れるのはとてもとても大変なことです。
時には賭けをしてお金が無くなったり、賃金を払ってくれないお金持ちの奥さまにヤキモキしたり・・・うまく行かないこともあるけれど、ハリスは夢を叶えるために前向きに進んで行きます。
夢を持つこと、諦めないこと、好きなものを大切にする気持ちはいくつになっても持っていて良いんだと背中を押してくれる、そんな映画です。
もちろん、代わる代わる出てくるゴージャスで眼福モノのディオールのドレスも必見です!
主人公に対峙する「コルベール役」は、フランスの大女優
さて、終始キュートさが画面から溢れてくるハリスと正反対なのが、ディオールのメゾンに入ってきたハリスを貼り付いた笑顔で丁寧に冷たくあしらうマネージャーのコルベールです。
実は、ただの意地悪な人ではないという複雑さもあるコルベールを見事に演じたのが、フランスの女優「イザベル・ユペール」。
本記事では、彼女の魅力とパリジェンヌらしいファッションが楽しめる映画を紹介しますので、ぜひ最後まで楽しんでくださいね!
これぞ大女優!フランスの至宝「イザベル・ユペール」
イザベル・ユペールは、多くの作品に出演し、名だたる映画祭では受賞経験も豊富なフランスを代表する女優です。
凛としたナチュラルな美しさと貫禄は、思わず「ユペール様!」とひれ伏してしまいたくなるほど!
演技力はさることながら、70代目前であってもファッション雑誌の表紙を飾ったりブランドの広告塔を努めたりと、パリジェンヌのファッションアイコンとして魅力を発揮し続けている女優の一人です。
●イザベラ・ユペール(Isabelle Huppert)
誕生日: 1953年3月16日生まれ
星座:うお座
身長:160cm
出身:フランス・パリ16区
▶おすすめの代表作品
パリジェンヌファッションを堪能!『エル ELLE』
大人のパリジェンヌファションを楽しめる映画として、オススメする1作目は『エル ELLE』です。
60代のユペール様が「女性」であることを全面に出しているのですが、その美しさと迫力ったらもう!
ゲーム会社の社長ミシェル(イザベル・ユペール)は、ある日自宅で覆面の男に襲われてしまいます。
とある事情から警察には頼りたくないミシェルは、自分で犯人探しを始めるのですが徐々にミシェルの本性が表れてきて・・・本当に異常なのは犯人か、ミシェルなのか?
終始不穏な雰囲気に包まれていますが、不思議と目が離せなくなる作品です。
ベーシックカラーとシンプルなデザインの洋服を多用している作品なのですが、そこら辺に置いてあった洋服をさらりと着ているように見えるのに質の良さを感じさせる着こなし方は、大人世代の女性にはとても参考になると思います。
シンプルな洋服を格上げするコツは小物使い!
スタンダードなベージュのコートに、靴底に厚みのあるプラットフォームと太さのあるチャンキー・ヒールの黒のパンプスを合わせているシーンがあります。
ここにピンヒールのパンプスだと無難にまとまりすぎてしまうのですが、足元に存在感を持たせて少しハズシを加えることでさりげない品のあるオシャレを表現。
60代の女性が履くからこその洒落感があって、年齢を味方につけている着こなしになっているのはさすが!の一言です。
手元にはレザーの手袋(グローブ)もオススメ。
寒くなってくるこれからの季節にぜひ取り入れてほしいアイテムなのですが、一番大切なのは手のサイズに手袋がピッタリ合っていること!
だかが手袋と侮るなかれ!
微妙なサイズの違いで手の美しさや高級感を取り入れることができるお手頃アイテムなんです。
百貨店ですとサイズ展開が豊富なのでご自身のサイズに合うものがきっと見つかると思います。
無難な黒い手袋も良いですが、パープルやブルーなどのカラーを選んだり、ケープコートや袖口が広めのコートの時はロンググローブを合わせるのも大人の女性らしさが演出できるのでオススメです。
洋服のシルエットが美しい、『ポルトガル、夏の終わり』
オススメの2作目は、『ポルトガル、夏の終わり』です。
ベーシックカラーが多かった『エル ELLE』とは打って変わって、世界遺産の美しい景色やカラフルな洋服の色使いが画面を飾ります。
死期を悟った女優フランキー(イザベル・ユペール)は、ポルトガルの世界遺産シントラで家族・友人と夏の終わりの休暇を楽しみますが、そこには残される家族・友人へのちょっとしたフランキーからの仕掛けがあるのです。
風や温度までも感じられそうなシントラの景色がとても美しく、日常を過ごしながら死へ近づいていくリアリティさとの対比がなんとも言えない切なさも感じます。
景色の雄大さはフランキーの芯の強さを表しているようでもあり穏やかな気持になる作品です。
本作ではキービジュアルになっているブルーデニムとパープルのワンピースの組み合わせがなんと言っても素敵!
風にひらりとなびく柔らかいワンピースにカッチリとしたデニムを合わせることで、いい感じに肩の力が抜けていて大人の余裕も感じさせるバカンスに合った着こなしになっています。
一歩間違えると若作り感の出てしまうデニムジャケットは生地感とシルエットが大切。
ウォッシュ加工の無い薄めの生地とウエストが絞られた丈の長いジャケットに、ストンと下に落ちるシルエットのワンピースを合わせて大人らしいIラインに仕上げています。
また、ジャケットの胸元は深いVになっているので胸元が痩せてくる大人世代はスカーフを巻いたりと首元をカモフラージュすることもポイントです。
まとめ
年齢を味方につけた無理のない美しさを発揮している姿を見る度に、こんな60代になりたいと思わせられる憧れの女優です。
冷淡で狂気的な役から主婦の役まで幅広いジャンルを演じていますが、次回作は2023年公開『EO(原題)』。
第75回カンヌ国際映画祭(2022年)コンペティション部門にて審査員賞を受賞している作品ということもあって、どのようなイザベル・ユペールが観られるのかとても楽しみです!
《ライター:咲里(えり)》 クリックで担当記事一覧へ→
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