『アス』、『ゲット・アウト』の異色サスペンス映画で知られる、ジョーダン・ピール監督。
監督の最新作となる映画『NOPE /ノープ』が日本で公開されました。
今回はその公開に合わせ、鬼才ジョーダン・ピール監督が手がけた映画を2つ紹介します。
(冒頭画像:引用https://www.facebook.com/nope.movie.jp/)
ジョーダン・ピール監督:紹介
1979年、ニューヨークで白人の母と黒人の父の間に誕生しました。
幼少期から映画に興味を持ち、13歳からホラー映画監督を志望していたと言われています。
中でも『ローズマリーの赤ちゃん』(68)は、史上最高の作品だと語っています。
学生時代は、人形劇を学ぶため、サラローレンス大学へ進学。
最初のキャリアはコメディアン
大学でレベッカ・ドライズデールに出会い、コメディの道へ進むため、大学を中退します。
その後、オランダのアムステルダムに拠点を置くコメディ劇団「Boom Chicago」のメンバーに。
2003年は、コメディ番組「マッドTV!」に出演し、主に黒人有名人のものまねで人気を博します。
2012年には、番組で共演したキーガン=マイケル・キーと「キー&ピール」というコメディ番組を立ち上げ、コメディアンとして活躍を続けます。
そして映画の道へ
2016年には、コメディデュオだったキーガン=マイケル・キーとダブル主演で『キアヌ』という映画で脚本を担当します。
あらすじは、麻薬王の飼い猫にキアヌと名付け、ギャングに攫われるも奪い返すというようなコントを映画にしたようなストーリー。
実はこのキアヌという子猫の声は俳優のキアヌ・リーブスが声をあてています(笑)。
その翌年の2017年、初監督作である『ゲット・アウト』を公開し、第90回アカデミー賞で脚本賞を受賞します。
それをきっかけに2019年『アス』、2021年『キャンディマン』(※脚本)とサスペンス、ホラー映画界で有名な人物となっていくのです。
今回は出世作『ゲット・アウト』と『アス』、2022年公開の新作『NOPE/ノープ』の3作の見どころを紹介します。
●ジョーダン・ピール監督(Jordan Peele)
誕生日:1979年2月21日生まれ
星座:うお座
出身:アメリカ・ニューヨーク市
▶おすすめの代表作品
『ゲット・アウト』人種差別がテーマの最恐サスペンス
コメディ出身ジョーダンピールが手がけた最初のホラー映画。
初監督作ながらアカデミー賞4部門でノミネート、見事脚本賞を受賞した作品です。
黒人の若者の共感を多く呼んだ本作は、全米の人種差別問題に一石を投じました。
主演は、『キック・アス/ジャスティス・フォーエバー』、『ブラック・パンサー』に出演しているダニエル・カルーヤ。
今作で、アカデミー賞、ゴールデングルーブ賞など著名なコンクールにおいて主演男優賞にノミネートされました。
本作のエンディングはトランプ大統領の当選を受けてラストはエンディングは変更をしたそうです。
『ゲット・アウト』簡単なあらすじ
主人公で黒人のクリス(ダニエル・カルーヤ)は、白人の恋人ローズ(アリソン・ウィリアムズ)の家に挨拶に行くことになります。
ローズの実家アーミテージ家についたクリス。
様子のおかしい黒人メイドと召使いが変だったり、お母さんに催眠術をかけられたりと次々と奇妙な行動を目の当たりにしていきます。
そしてアーミテージ家ではパーティーが開催されることになっており、またも不審な招待客が続々と集まっていきます。
黒人をやたら褒める老人たち、年寄りと一緒のなんとなく見覚えのある裕福そうな黒人青年など。
募る不信感から恋人ローズとパーティを抜け出し、帰る支度をしているとローズの部屋で疑念を確信に変えるものを見つけてしまいます…!
アーミテージ家の目的とは? 果たしてクリスの運命は!?
タイトル『ゲット・アウト』に隠された衝撃の真実に恐れ慄く一作です!
『ゲット・アウト』:見どころ
黒人の人種差別に対する被害妄想が、まさかのミスリードを呼ぶ意外な結末になったことは、誰もが予想しえなかったことでしょう。
ジョーダン・ピール監督自身の原体験を基に書かれたため、アメリカ社会における黒人の立場が非常にリアルに描かれています。
また、コメディ出身であることから恐怖と表裏一体のギャグもまた秀逸です。
絶妙なタイミングに仕掛けてくるセンスはさすがコメディアン!
初めて観る場合でも、怒涛の伏線回収のストーリーに非常に満足されるかと思いますが、2回目以降の鑑賞も非常におすすめです。
ラストを知っているから、前半から緻密に散りばめられた伏線に気づくことができます。
また違った角度から物語を観ることができますよ。
『アス』瓜二つの自分達、襲い掛かる意味深サスペンス
ジョーダン・ピール監督、第2作目のサスペンス映画。
R指定ながらも全米初登場1位を記録、『ゲット・アウト』に次ぐヒット作品です。
主演は『それでも夜は明ける』でアカデミー助演女優賞を獲得したルピタ・ニョンゴ。
この作品のアイデアは、監督自身が抱えるドッペルゲンガー(自己像幻視:自分自身の姿を自分で見る幻覚)への恐怖心から思いついたそうです。
『アス』:簡単なあらすじ
主人公アデレード(ルピタ・ニョンゴ)は幼少期、カリフォルニア州サンタクルーズの遊園地でミラーハウスに入ります。
そこで自分とそっくりな人間に遭遇し、心理的ショックで口が聞けなくなってしまいます。
それから数十年後、アデレードは成長し、2人の子を持つ家族に。
夏のバカンスで、再びやってきたのはカリフォルニア州サンタクルーズ。
過去のトラウマがフラッシュバックしてきて、もう帰りたい!となった時の夜、家族4人にそっくりな人間が一家に襲い掛かります!
一家は果たしてドッペルゲンガーから逃れられるのか、彼らの目的に迫る手に汗握るホラーサスペンスです!
『アス』:見どころ
展開が最後まで読めないストーリーに釘付けになる一作です。
最初のミラーハウスの出来事はなんだったのか?
いきなり現れるドッペルゲンガーの目的はなんなんだ?
いくつのも疑問をもったまま襲われる恐怖が続き、目が離せません。
後半になるにつれ、徐々に謎が明らかになってきますが、最後にはてな?が残る人も多いはずです。
設定や謎についても調べれば調べるほど、非常に興味深いです。
ーなぜ、ドッペルゲンガーたちは赤いつなぎを着ているのか?
ーどうして手をつなぐのか?
ー片手だけグローブで、武器が植木バサミなのはなぜか?
いずれもネタバレにつながってしまうため今回は割愛しますが、気になる方はぜひ調べてみてください!
『NOPE/ノープ』
夏の話題作の1つであるジョーダン・ピール監督最近作『NOPE/ノープ』。
『ゲット・アウト』で主演を務めたダニエル・カルーヤと再びタッグを組み、他にも、
ドラマ『ウォーキング・デッド』シリーズ、映画『ミナリ』のスティーブン・ユァン、
『バズ・ライトイヤー』で声優を務め、歌手・女優としても幅広く活躍するキキ・パーマー
といった、名だたる俳優陣が揃っています。
『NOPE/ノープ』:簡単なあらすじ
田舎の牧場を経営している一家。
ある日、突然空から降り注ぐ物体によって父は亡くなってしまいます。
雲に覆われた謎の飛行物体を動画に収め、バズり動画を撮影しようと試みるが想像を絶する事態に。
“絶対に空を見てはいけない”
見つめた先に何が起こるのか? 最悪の奇跡の真相に注目の新作です!
まとめ
ジョーダン・ピール監督の生い立ちから代表作2作と注目の新作を紹介しました。
これをきっかけに作品をさらに深ぼって、自分の解釈をぜひ見つけてみてください!
《ライター:kenya》 クリックで担当記事一覧へ→
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