アイスランド映画『LAMB/ラム』、新時代ホラーをラストで知る!従来作品との違いを解説

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アイスランドを舞台に作られたホラー映画『LAMB/ラム』

この作品は、あらゆる点で従来のハリウッドのホラー映画とは違う内容となっていて、異彩を放っています。

そこで今回は、映画『LAMB/ラム』のどこが従来のホラーと異なっているのか、見どころを解説をしたいと思います。

(冒頭画像:引用https://twitter.com/LAMBMOVIE_JP/)

映画『LAMB/ラム』(21):作品概要

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https://x.com/LAMBMOVIE_JP/ 【YouTube:予告編】

本作はアイスランドで作られた映画となっていて、全米で公開されたアイスランド映画でオープニングの最高成績を記録。

さらに、数々の映画賞を受賞しました。

監督は『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』などの特殊効果を担当したヴァルディミール・ヨハンソン

本作で長編監督デビューを果たしました。

主演は『プロメテウス』『ミレニアム』シリーズのノオミ・ラパスが務めています。

あらすじ:「アダ」と名付けた一頭の羊…

山々が連なるアイスランドの草原。

イングヴァルマリアの夫婦は、そこで羊飼いをしながら暮らしていました。

ある日、一頭の雌羊が出産をします。

ところが、生まれたのは羊ではない「謎の生命体」でした。

それはまるで、羊と人を混ぜたような姿をしていたのです。

幼い子供を失っていたイングヴァルとマリアは、その生物に「アダ」と名前を付け、娘として育てることに。

「アダ」との生活によって、二人の心は徐々に満たされていきますが、それは破滅への入口でした。

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左:イングヴァル(ヒナミル・スナイル・グブズナソン)https://twitter.com/LAMBMOVIE_JP/

夫婦に愛され、癒される謎の生物

「謎の生命体」が登場するパニックホラーでは、いわゆる「モンスター」が人々に襲い掛かります。

ところが、この作品に登場する謎の生物「アダ」は襲うどころか、人を癒します。

その姿は、モンスターのように恐怖を与える得体のしれないものではありません。

「アダ」は頭から右腕にかけてが羊、それ以外が人の姿をしています。

服を着ると羊の頭の幼い子供が歩いているように見え、とても可愛らしいのです。

言葉は喋りませんが、人の言うことは理解しているようで、なつきます。

その姿以外は幼い子供と変わらないため、癒される存在となっているのです。

このように、「謎の生命体が愛される」という点で、他の映画とは異なっています。

ホラーにほど遠く、淡々と描かれる日常の営み

映画の舞台となるのはアイスランドの雄大な自然です。

草原の中にぽつんと羊飼い夫婦の家が建っていて、牧歌的な雰囲気が流れています。

その風景は、ホラーとはほど遠いものといえます。

また、物語に劇的な展開はほとんどありません。

序盤は夫婦が羊を世話する毎日の営みが淡々と描かれます。

中盤以降は「アダ」と暮らすことによって、満たされていく夫婦の姿が描かれています。

それはまるで、ホームドラマのようなストーリーなのです。

そのような内容でも、常に不穏な雰囲気が漂い、観ていて不気味な気持ちになります。

さらに、あっけにとられるラストによって、この映画がホラーであることを思い出させられます。

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異彩映画と言われる理由、モンスターが被害者に…

従来の謎の生命体が登場するホラー映画では、主人公がモンスターなどによって被害を受けます。

主人公は何もしていないのに襲われるため、とても理不尽なものだといえます。

ところが、この映画では謎の生物「アダ」は、主人公マリアに何の害も与えません。

それどころか、「アダ」によって主人公のマリアは癒されるのです。

マリアは雌羊が産んだ「アダ」を取り上げて奪ったうえ、子供を取り戻そうとする雌羊を銃で撃ちます。

破滅の発端を作ったのは、主人公本人といえます。

加害を与えたのが人で、被害を受けたのはモンスターなのです。

このように、主人公と敵であるはずのモンスターの立場が逆転しているという点で、この映画は異彩を放っています。

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●ノオミ・ラパス(Noomi Rapace)

Noomi Rapace(画像:Amazon)

誕生日:1979年12月28日生まれ

星座:やぎ座

身長:163㎝

出身:スウェーデン

ノオミ・ラパスの出演映画一覧

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LAMB/ラム(作品情報)

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まとめ:全編に漂う妙な不気味さ

映画『LAMB/ラム』の見どころを、従来のホラー映画と異なる点において、解説をしてきました。

一応ホラーと分類されていますが、諸説あってジャンル分けの困難な映画となっています。

セリフも限定的で淡々と日常が流れる映像が続きますが、妙な不気味さが全編に漂っているため、見飽きるということがありません。

さらに物語のラストにも驚きを覚えます。

みなさんも、この何とも言えない不穏な雰囲気の映画を味わってみてください。

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プロフィール,げん

こんにちは!ライターの「げん」と申します。

映像が好きで、テレビドラマのプロットなどを書いていました。また、恋愛小説をファッション誌で連載したこともあります。これらの経験をもとに、映画を通して恋愛を学ぶ記事などを書いています。

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