圧倒的なビジュアルセンスとアクションで全世界に衝撃をもたらした、『マッドマックス:怒りのデス・ロード』から8年。
シャーリーズ・セロンが演じたヒロイン、フュリオサ大隊長の前日譚が描かれるスピンオフ『マッドマックス:フュリオサ』の予告編が公開されました!
もともとは79年にメル・ギブソン主演の近未来アクション映画として始まった『マッドマックス』シリーズ。
今回は、2024年5月31日(金)公開の、『怒りのデス・ロード』の復習と、新作『フュリオサ』のキャストを紹介していきます!
(冒頭画像:引用https://www.furiosaamadmaxsaga.com/)
復習『怒りのデス・ロード』:27年ぶりのカムバック!
一番最初の作品『マッド・マックス』(79)の舞台は、暴走族による暴力が蔓延している近未来の世界。
警官のマックス(当時の主演はメル・ギブソン)が暴力の連鎖に巻き込まれていく物語です。
二作目以降は核戦争後の荒廃した世界を舞台に、砂漠を彷徨うマックスが様々な出来事や人々に遭遇していきます。
2016年の『マッド・マックス:怒りのデス・ロード』は、このシリーズの27年ぶりの続編として製作されました。
「続編」ですが、主演のマックス役はトム・ハーディ、元警官であることも劇中では語られず、この映画だけで楽しめるようになっています。
あらすじ:所有された「妻」達と大隊長フュリオサの復讐劇
主人公のマックスは、荒廃後の世界で農作物や水を支配しているイモータン・ジョーの一味に遭遇し、血液を供給する「輸血袋」として捕まります。
イモータン・ジョーはシタデル(砦)の人々を支配する恐ろしい権力者です。
数人の女性を「Breeders(交配者)」として幽閉し自分の子供を産ませ、健康な男児を自分の信者として育てています。
女性は産む機械や母乳の生産源として、男性は洗脳し使い捨ての兵士としてモノのように扱われる、家父長制の象徴のようなイモータン・ジョーの砦。
ジョーの下で働く大隊長のフュリオサ(シャーリーズ・セロン)は、実は幼い頃に砦に攫われてきて以来、人生を賭けて故郷に戻ろうとしていました。
フュリオサは5人の「妻」を秘密裏に助け出し、外部との取引に向かう車に乗せ、水や自然が豊かな故郷「緑の地」へ向かおうとします。
マックスは、ジョーの信者であるウォー・ボーイズの一人、ニュークスの輸血袋として連れ出され、フュリオサ討伐隊に同行します。
しかし、ニュークスの車は転倒。
偶然にもフュリオサ一行と出会い、マックスは彼女達の砂漠の大横断に協力することになります。
監督:ジョージ・ミラー、『マッドマックス』でデビュー!
監督は、オーストラリア出身のジョージ・ミラー。
『マッドマックス』は長編映画デビュー作でしたが、いきなりの世界的なヒットで一躍有名になりました。
本シリーズ以外では、『ベイブ/都会へ行く』(98)や『ハッピーフィート』(06)など、動物を主人公にしたアニメーション映画の監督で知られています。
雰囲気の違いから意外に思われるかもしれませんが、実際に観てみると、主人公が動物というだけでかなり殺伐とした生き物の生殺与奪をテーマにしていることがわかります。
食肉にされる運命からたまたま逃れた子豚や、自分探しの旅をして動物園に捕まってしまうペンギンなど、根幹の部分では『マッドマックス』と同じです。
囚われの場所から逃げ出して自らの尊厳を取り戻す、力強い映画になっていますので気になった人はぜひ観てみてください。
新作『フュリオサ』:主演アニャ・テイラー=ジョイ
ネットフリックスのドラマ『クイーンズ・ギャンビッド』(20)で一躍人気俳優となったアニャ・テイラー=ジョイ。
デヴィッド・O・ラッセルやエドガー・ライトなど、個性的な監督たちとのコラボレーションが続いています。
ミステリアスな役が多いイメージですが、近年では『スーパーマリオブラザーズ・ムービー』(23)でピーチ姫のボイスキャストを務めるなど、親しみやすいキャラクターも増えてきています。
シャーリーズ・セロンとはイメージの違うキャリアですが、予告編で披露された目元を黒と銀に塗ったスタイルはかなり近い雰囲気が出ていました!
アニャのトレードマークである長髪はそのまま、そして、片腕が義手ではないショットもありました。
ひょっとしたら、劇中で片腕をなくした過程や、詳しい過去が明かされるかもしれません。
ドクター・デメンタス役に、クリス・ヘムズワース!
『アベンジャーズ』の雷神、ソー役が有名なクリス・ヘムズワースですが、実は幅広いキャラクターを演じています。
『ホテル・エルロワイヤル』(18)のカルト教祖や、『スパイダーヘッド』(22)の科学者などの一風変わったキャラクターも。
『ゴーストバスターズ』(16)や『メン・イン・ブラック:インターナショナル』(19)では、「金髪碧眼のマッチョ」という自身の風貌を逆手に取った、既存の男性像に当てはまらないキャラクターを演じています。
今回『フュリオサ』でクリス・ヘムズワースが演じるのは、かつてイモータン・ジョーと覇権争いを繰り広げていたらしいドクター・デメンタス。
予告編を見る限り、幼いフュリオサを故郷から連れ去った張本人のようにも見えます。
イモータン・ジョーと争っていたということは、必然的にその戦いでは破れることになると思うのですが、何やら一捻りありそうです。
これまでのキャリアから見ても、かなり期待できるキャラクターになりそうですね!
まとめ:2024年5月31日(金)公開!
『北斗の拳』や『ウォーターワールド』など、後世のエンターテインメントに大きな影響を与えた『マッドマックス』。
『怒りのデス・ロード』後では、ディズニー映画の『モアナと伝説の海』(17)にもインスピレーションを与えたそうです。
『フュリオサ』以外にも、5作目と6作目の企画があるらしい本シリーズ。
斬新な世界と力強い物語をまだまだ見せてくれそうです。
【画像追記(管理人)】
▶フュリオサの子ども時代を演じたアリーラ・ブラウン(Alyla Browne)。(オーストラリア出身)
▶フュリオサの母親メリー役、 チャーリー・フレイザー(Charlee Fraser)。
《ライター:ぜろ》 担当記事一覧はこちらをクリック→
高校2年生で『アベンジャーズ』を観て以来の映画ファン。大学と大学院では映画研究にどっぷり浸かっていました。
アナログでファンアートを描いてはインスタグラムに載せています。楽し〜!
話題の作品や、そこにつながる過去の名作、注目のキャストなどをわかりやすく楽しく紹介していきたいです!
前日譚にありがちな、やっぱり本編(『マッドマックス 怒りのデス・ロード』)には及ばないのでは?という思いがありました。シャーリーズ・セロンへの未練?しかし、鑑賞後は見事払拭!むしろ、文字通り、前日譚としての役割を果たし、子役の存在感、フュリオサの母親のインパクトも強烈で、トータルで世界観を楽しめる作品でした。フュリオサの望郷の念を、どこかで叶えてあげたい…ということは、後日談作品への期待も募る作品でした!