2019年のクリスマス映画『ラスト・クリスマス』は、ワム!の1984年の同名のヒット曲から生まれた映画。
懐かしくも切ない曲と、ロンドンのキレイな街並みとがマッチした素敵なラブストーリーでした。
特に、主演のエミリア・クラーク演じるケイトが、トム( ヘンリー・ゴールディング)に励まされながら健気に生きる姿は元気が出ます。
さて、そのエミリア・クラークを見て思ったのは、安楽死がテーマの映画『世界一キライなあなたに』。
同じくエミリア・クラークが主演でしたが、彼女の演技の素晴らしさは共通なのでぜひ紹介したいと思います。
原題「Me Before You」、意味を知ってまた涙
『世界一キライなあなたに』の原題は、「Me Before You」。
ジョジョ・モイーズの『ミー・ビフォア・ユー きみと選んだ明日』が原作です。
見終わった後は、「Me Before You」の意味が「あなたとしっかり向き合う私」、そして「世界一キライなあなた」になった意訳の深さがよくわかります。
《原作者の紹介》
●ジョジョ・モイーズ(Jojo Moyes )
誕生日: 1969年8月4日生まれ
出身:イギリス
▶原作タイトル:「ミー・ビフォア・ユー: きみと選んだ明日」
主演エミリア・クラークといえば、長編ドラマシリーズ『ゲーム・オブ・スローンズ』が最も有名かもしれません。
また、最近(2018年)では、『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』に登場しています。
でも、彼女の本質の「健気な可愛さ」「一生懸命さ」は、今作と「ラスト・クリスマス」のようなハートウォーミング映画がピッタリ!
もしかしたら、泣きそうになるかもしれません。
でも、グッとこらえて応援したくなるラブ・ストーリーです。
●エミリア・クラーク(Emilia Clarke)
誕生日:1986年10月23日
身長:157㎝
▶おすすめの代表作品
ラスト・クリスマス (予告編:Amazon) (サントラ:楽天)
※ワムの楽曲をバックに、感動のエンディングで迎えるクリスマス!
余命が半年、身体障害者のお世話
物語は、不治の身体障害のため、安楽死を希望する男性に最後まで寄り添ってあげた女性の話です。
男性はウィリアム・トレイナー「愛称ウィル」(サム・クラフリン)。
女性は、ルイーザ・クラーク「愛称ルー」(エミリア・クラーク)。
失業中のルーが新しい仕事を探していた時、職業相談所から勧められたのが身体障害者のお世話。
はじめての経験で不安はあったものの、扶養する身内を持つルーは高給な仕事だったこともありやってみる決心をします。
そして出会ったのが、ウィルでした。
◇仕事は、話し相手になるだけでいい…
はじめての訪問で、ルーはウィルの両親から説明を受けるのですがなにより驚いたのは、ウィルの余命が半年ということ。
もちろん、ルーは大きなショックを受けます。
聞けば、ウィルは2年前の交通事故で下半身不随となり、以降車いす生活。
しかも、脊髄損傷のため自ら体温調整ができない体でした。
仕事は、話相手になってくれるだけでいいとのこと。
不安が募るルーですが、とりあえずウィルと会うことにします。
◇不愛想なうえに、憎まれ口ばかり
しかし、初めて会ったウィルは無精ひげを伸ばし放題。
そして、態度も不愛想そのもので、まともに話をしてくれるような人物ではなかったのです。
家族のこともあり、今さら引き返せないルー。
悩みながらも通い始めるのですが、彼は口を開けば憎まれ口ばかり。
「こんな仕事、はたして私に勤まるのかしら?」がルーの正直な気持ちでした。
見ていても痛々しい日々が続きます。
持ち前の明るさで、一歩ずつ踏み出す
そんな中、ルーには持ち前の健気な明るさがあり、毎日通ううちにウィルに気持ちが少しずつ届いている気配も。
この辺り、エミリア・クラークの一生懸命さの演技は秀逸なのでじっくり鑑賞して下さい。
とにかく、顔全体で気持ちを表現する彼女が愛おしくなりますよ。
さて、二人の雰囲気が好転し出すのは、ある時ルーがウィルに投げた質問からです。
「好きな映画は?」と尋ねたルーに、ウィルが返した答えはなんと「ゲイポルノ」!
もちろん、マジメなルーをからかうための軽口でした。
しかし、いつも真剣なルーはウィルの答えに驚きを隠せません。
ウィルが次第に心を開き出したのは、ルーのそんなまじめな態度でした…。
心を開きだすウィル、一方、変わらない決心
何気ないひとつの会話から心が通じ合い、お互いを認め出した二人の関係。
しばらくは楽しい日々が続きます。
時折、ウィルの症状が急変しますが、ルーや周囲の人たちのケアでなんとか乗り越えます。
すべてがうまく進んでいるように見える一方で、ウィルには絶対に譲ろうとしないことがひとつありました。
それは、ウィルが不治の障害で余命を知った時から決めていたこと、それは「安楽死」という選択肢。
彼は、それを実行してくれる施設とすでに契約を済ませており、その日が近づいてきていたのです。
まとめ~ルーの決心に涙~
ルーの必死の説得にも決心を変えようとしないウィル。
そんなウィルに対して取った決心に涙が止まりません。
この悲しすぎる映画、救われるのはなんといってもルーの健気さです。
そしてもうひとつ。
本作は、映画全体が決して暗くならないよう配慮されていることに途中から気付きます。
それは、全編を通じシーンが変わるたびに現れる、ルーの底抜けに明るいファッション!
こちらも注目です!
ぜひ、彼女の頑張りを最後まで見届けてあげて下さい。
その頑張りは、冒頭で書いた『ラスト・クリスマス』で、悲しい事実を知った主人公ケイトとまったく一緒だったのです。
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