
今回ご紹介するのは、2025年のアカデミー賞で4部門にノミネートされた『ノスフェラトゥ』。
本作は、いわゆる「ドラキュラ映画」に分類されるのですが、これまでのドラキュラ映画とは根源的に違う恐怖を感じさせる「怪作」なのです!
主演リリー=ローズ・デップの不気味な演技も光る『ノスフェラトゥ』を詳しく解説していきます。
(冒頭画像:引用https://www.hollywoodreporter.com/movies/)
あらすじ:少女に迫る、身の毛もよだつ恐怖

幼い頃に母親を失った少女・エレン(リリー=ローズ・デップ)。
彼女は悲しみから守護天使に祈りを捧げるうち、吸血鬼と交信してしまうのでした…。
時が経ち、エレンは不動産業を営む青年・トーマス(ニコラス・ホルト)と結婚します。
ある日トーマスは仕事のため、東欧の富豪貴族・オルロック伯爵(ビル・スカルスガルド)へ会いに行くことに。
夫が不在の中、エレンは夜な夜な夢の中で得体の知れない「彼」の幻覚に悩まされていきます。
実は「彼」の正体こそ、彼女がかつて交信してしまった吸血鬼であり、オルロック伯爵その人。
オルロック伯爵はエレンの生き血を狙い、徐々に彼女に近づいていき…。
●リリー=ローズ・デップ(Lily-Rose Depp)
誕生日:1999年5月27日生まれ
星座:ふたご座
身長:160cm
出身:フランス
▶おすすめの代表作品(管理人選・楽天)
※主人公のライバル役のダンサーを美しく好演。
本当に怖いのは怪物か、あるいは腐った社会か?

そもそも、聞き馴染みのない言葉「ノスフェラトゥ」とは何なのか?
この言葉は、ルーマニア語で「吸血鬼」を指しています。
吸血鬼映画と言えば、おどろおどろしい血の演出とパニックに襲われる人々…というイメージ。
あまりに多く映画化されすぎて、「今さら吸血鬼映画って面白いの?」なんて思う方もいるのでは?
ところが本作は、現代にも通ずる普遍的な恐怖や社会問題を描いている点が他作品と一線を画していて魅力的なのです!
●ニコラス・ホルト(Nicholas Hoult)
誕生日:1989年12月7日生まれ
星座:いて座
身長:190cm
出身:イギリス・イングランド
▶おすすめの代表作品(管理人選・DVD楽天)
観客の心にも巣食う、「邪悪さ」を炙り出す

主人公・エレンは、男性社会に尽くす典型的な専業主婦というキャラクター。
オルロックの恐怖に怯えながらも、何か行動するでもなく夫に従順であり続けます。
ところが、物語が進むうちに、エレンの中にもオルロックの邪悪さが潜んでいることが分かっていくのです。
映画を観ている側としても、自分の中にも「悪」を生かしてしまう弱い心があると気付かされるはず。
そして、すぐそこに吸血鬼が迫っているような居心地悪さを感じさせられます。
心の中に潜む邪悪、それに服従することで腐った社会を助長させているという事実。
果たしてエレンは、「悪」に対してどのように決着をつけるのでしょうか?

本気度が違う!迫真の演技・演出を見てほしい!

本作の凄さは、役者陣の怪演と製作陣の演出の熱の入れようが段違いなこと。
まず1番に目が行くのは、主演のリリー=ローズ・デップでしょう。
洋人形のような愛らしい顔立ちのリリー。
ゴシックな雰囲気の本作にぴったりハマっているだけでなく、次第に闇に捉われていくエレンを不気味に熱演しています。
オルロック伯爵を演じるビル・スカルスガルドに至っては、ハリウッドの「新たなホラー王が誕生!」と絶賛されるほどの演技なのです。
ビルといえば、『IT イット』シリーズのペニーワイズ役でも有名。

本作でも徹底的に吸血鬼役を作り込み、トラウマ級の演技を見せてくれます。
同時に、役者だけでなく製作陣が仕掛ける演出にもご注目!
ひとたびオルロック伯爵が闇の力を解き放つと…
おびただしい数のネズミがうごめき、目からは黒い液体が流れる、地獄のごとき世界が広がっていきます。
実際に製作陣は、2,000匹ものネズミを用意したというから驚き。
どこまでも本物にこだわった演出、そして恐ろしさと対をなすような中世ヨーロッパの背景。
この2つが相まって、本作独特の美しさが生み出されました。
●ビル・スカルスガルド(Bill Skarsgård)
誕生日:1990年8月9日生まれ
星座:しし座
身長:192cm
出身:スウェーデン・ストックホルム出身
▶おすすめの代表作品(楽天)
まとめ:監督の熱意が生んだ、100年振りのリメイク

『ノスフェラトゥ』は1922年にサイレント映画として公開された、伝説の吸血鬼ホラー。
つまり、2024年版の本作はリメイク作品にあたります。
ロバート・エガース監督は、映画監督になってこの作品を手がけるのが夢だったのだそうですよ。
日本公開は2025年5月16日。
ぜひ肌で恐怖を体験してみてください!
《ライター:もな》 クリックで担当記事の一覧へ→

ウェス・アンダーソン作品の世界観が大好き!ライターの「もな」です。
映画にどハマりしたのは、小学生の頃に『ロード・オブ・ザ・リング』を観てから。
それからというもの、映画は私の人生にとって欠かせないもので、大学では映画学を専攻しました。
私の書く記事が、誰かと素敵な映画との出会いの場になったら嬉しいです。
記事へのご感想・関連情報・続報コメントお待ちしています!