今夜は、とにかく楽しい映画が観たいですか?
そんな気持ちになったあなたに、ぴったりの映画をご紹介します。
「コメディ×社会風刺」を得意とするアダム・マッケイ監督作品の、『アザー・ガイズ 俺たち踊るハイパー刑事!』(10)。
107分と比較的短くも、楽しく、時にヒヤヒヤする場面も垣間見えて、観応えばっちりの作品です。
(冒頭画像:引用https://www.facebook.com/otherguysmovie/)
アダム・マッケイ監督について
作品の面白さをご紹介する前に、アダム・マッケイ監督について少し詳しくご紹介します。
アダム・マッケイ監督で一番有名な作品といえば、リーマンショックを予見した投資家や銀行家を描いた『マネー・ショート 華麗なる大逆転』(15)ではないでしょうか。
参考記事:難解『マネー・ショート 華麗なる大逆転』をやさしく解説!観る価値ありの実話メカニズム
米アカデミー賞の脚色賞を受賞し、その他の賞でも多くノミネートされました。
Netflixオリジナル映画『ドント・ルック・アップ』(21)でも同様に監督を務め、世界終末を目前とした時の人々の言動をコミカルに描きました。
その他にも最近の作品では、『フレッシュ』や『ザ・メニュー』(共に2022年、Disney+配信中)では製作も務め、様々な切り口でメッセージ性の高い作品を世に送り出しています。
非常に観応えのある作品の作り手で、私のお気に入りの監督のひとりです。
また、アダム・マッケイ監督作品には、非常に有名な俳優がキャスティングされることが多く、映画初心者さんであっても「あ、この人観たことある!」と気づくこともあるかもしれません。
そんな点も、彼の作品を推したいポイントでもあります。
では、今回私がオススメする『アザー・ガイズ 俺たち踊るハイパー刑事!』を紹介していきます!
あらすじ:毎日が喧嘩?刑事コンビが迫る事件!
舞台はニューヨーク。
ニューヨーク警察で働くテリー(マーク・ウォールバーグ)とアレン(ウィル・フェレル)。
カリスマあふれる刑事コンビが殉職したことをきっかけに、テリーは出世のチャンスと闘争心を燃やし始める。
しかし、相棒のアレンは危険を避け、デスクワークをしたいと言い張り、喧嘩する毎日。
職場の同僚からも笑いものにされるテリーとアレンであった…。
そんな正反対のやり方をするコンビが、ある建築に関する不正疑惑を調査することに。
次第に、その疑惑の中心人物が大きな犯罪の中心にいることが明らかになっていく。
警察の同僚や、犯罪組織に邪魔されながらも、二人の“アザー・ガイズ”が事件の真相に迫っていく!
(注意–ネタバレが含まれます–)
本作品の魅力、ポイント3つを徹底解剖
①冒頭からサプライズ炸裂!
一番初めに画面に映るアノ俳優、どなたか分かりましたでしょうか?
彼らこそが、カリスマ刑事コンビとして登場しますが、その出演時間はわずか。
しかし逃走犯を追いかけ、トランプタワーに車が突っ込む迫力あるアクションが満載で「これが物語の中心なのでは?」と思わずにはいられない、非常に贅沢なシーンとなっています。
しかし、これはあくまでプロローグ。本編には(ほぼ)関係のない事件…
この規模の前段階は必要なのか?と思わずにはいられない…
一方で、この後登場するテリーとアレンの凸凹コンビが、非常に鮮明に映るという仕掛けが絶妙です。
これを観客に突き付けることができるのが、アダム・マッケイ監督なのです!
②マーク・ウォールバーグとウィル・フェレルの謎の良コンビ
2人の関係は、仲が悪そうな雰囲気で始まります。
(マグロとライオンの生態に関する謎の言い合いに笑いが止まりません)
葬式シーンでの同僚との喧嘩でも「相棒を守ることが俺の役目だ」とアレンをかばうテリーの姿!
意外にも心優しい性格が見え隠れし、ほっこりするシーンも多数出てきます。
デスクワークしかしていなかったアレンが事件解決のヒントを次々に見つけており、体当たり気質のテリーとテンポよくストーリーが進んでいきます。
【おまけ】
実は二人は『パパvs新しいパパ』(15)で再共演しており、こちらでもライバル役としてバチバチな関係を演じています。
③エンドクレジットで学ぶ金融危機
今回、テリーとアレンが調査した事件は、詐欺に関するものでした。
エンドクレジットでは、映画の中での事件の背景となった2008年のリーマンショックをはじめとする、金融危機について解説されています。
ねずみ講(投資による配当分配を名目とした違法ビジネス)や、過去に似たような詐欺で大損害を起こした実在の人物が登場します。
このような被害を救済するためのTARPと呼ばれる不良資産救済プログラムで支払われた金額や、この時に救済された米大手保険会社AIGでのお金の流れなども紹介されていますが、その額の大きさには驚きを隠せません。
また、映画の中でも取り扱いされていた警察官の退職金や、それにまつわる資金運用についても、金融危機により損失を受けたという図解もありました。
ぜひ最後まで、目を凝らして観てみて下さい!
まとめ
いかがだったでしょうか。
軽いコメディ映画と思いきや、意外にも深いテーマを取り扱っていた映画でした。
ただ、重く感じさせない部分が、アダム・マッケイ監督の手腕といえるでしょう。
ぜひポップコーン片手に、楽しんでくださいね!
《ライター:Halle》
暇さえあれば、映画観る!がモットー。
映画が好きになったきっかけは、時間を持て余していた大学時代。
うかつにも数々のシリーズ映画に手を出してしまったのです。
Marvel、DC、スター・ウォーズ、トランスフォーマー、パイレーツ…
今ではすっかり映画が生活の一部になってしまいました。
Twitterでも、気ままに映画・海外ドラマネタでつぶやいています。
良かったら覗いてみて下さい(^^)//
映画という世界において、最強の盟友カップル4選 pic.twitter.com/5jgwjGGHMm
— ハル・ベリー(と2匹の犬達withクリエヴァ) (@IILoveMovies) November 13, 2019
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