こんにちは、ライターすどうゆきです。
今回ご紹介する映画は、2008年にアメリカで起こった世界的な金融危機・リーマンショックを扱った『マネー・ショート 華麗なる大逆転』です。
本作については「経済用語ばかりで難しそう」「観たけど理解できなかった…」といった評価が目立つのですが、実は現代社会を考える上で示唆に富んだ素晴らしい作品。
しかも実際の出来事ということで、歴史、経済の勉強にもなる『マネー・ショート 華麗なる大逆転』は食わず嫌いするには勿体ないのです!
(冒頭画像:引用https://www.facebook.com/TheBigShortMovie/)
正直難解すぎて、100回くらい匙投げたくなる…
冒頭でも書きましたが、ぶっちゃけこの映画、かなり難しい話です。
一緒に鑑賞した筆者の夫は大学では経済学を専攻、というバックグラウンドがありながら、「今のどういう事?ちょっと調べさせて」と言いながら見ていたくらい。
なので、経済学の素養が無いと確実に理解に苦しむことになると思います。
そこで、今回はあまり細かい内容には触れずに、「いかに面白がるか」に焦点を当てていきますね。
(ちなみにキャスト陣はかなり豪華で、こちらはドイツ銀行の行員・ジャレッド・ヴェネット(ライアン・ゴズリング)です!)
(難解だけど)一応、あらすじは…
ニューヨークで働くトレーダーのマイケル・バーリ(クリスチャン・ベール)は、住宅ローン市場が崩壊することを予想し、それを利用して儲けることを考える。
証券会社や格付け会社は、住宅ローンの証券化を進める中で、住宅価格が上がり続けてくると予測し、投資家に住宅ローン証券を売り付けた。
しかし、住宅価格の上昇に伴い、サブプライムローンと呼ばれる高リスクローンも増加し、崩壊が始まる…
タイトル『マネー・ショート』、「ショート」って何?
ところで、本作の原題は「The Big Short」と言います。
Shortは金融業界で「空売り」を意味する言葉で、下がる方に賭けることを意味するので、「The Big Short」=「巨額な空売り」となりますね。
登場人物が指摘、依存から生じる市場の歪みとは?
映画の主題となったサブプライム・バブル崩壊を誰よりも早く読んでいたのはマイケル・バーリですが、その崩壊の種となった市場の歪みについても本作は具体的に描いています。
ざっくりと説明すると、金融市場には市場の健全性を担保するためにこんな機能があります。
投資銀行が売る金融商品にはランクが付けられており、そのランクは格付け機関の客観的な審査によって決められている。よって、消費者は商品購入時にランクを判断材料とすることができる。
ところが、そのシステムに歪みが生じていることが登場人物たちによって指摘されるのです。
理想と乖離する、「格付け機関<投資銀行」という実態
なぜ公正な市場を保つためのシステムなのにアンバランスが生じるのでしょうか?
実は、格付け機関と投資銀行の間には厄介な依存関係があったのです。
格付けをする側が商品の売り手よりも立場が上だと考えがちですが、その実態はむしろ逆で、同業他社に仕事を奪われまいと、たとえ銀行が「難あり」な商品だとしても、格付け機関は高評価を付け続けていました。
このような悪行が長年不問にされてきた米国金融業界…もはやリーマンショックとかサブプライムローン云々以前に業界の構造全体の問題なのでは?と思えてきますよね。
■【管理人・選】
※「リーマン・ショック」から長期投資、格差問題まで縦横無尽!テーマは経済成長の仕組みから借金のカラクリ、長期投資と「神の見えざる手」、貧富の格差拡大まで幅広くカバー。珍問・難問と格闘する生徒2人と一緒に、読者も経済の奥深さがストンと腹に落ちます。そしてさまざまな思惑や過去が絡み合い、物語は終盤、予想外の展開を見せる――!?【引用:Amazon】
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snsの「いいね数」も?あらゆるシステムに潜む欺瞞!
…さて、ここまで読んできて、「やっぱりややこしい話だ」と思われていると思いますが、もうちょっと頑張って踏み込んでみたいところ。
そこには「映画の話」では済まされない、あらゆるシステムに潜む欺瞞があるのでは…
金融業界から一旦離れてみましょう。
私たちの身近なシステムに、SNSにおけるユーザーへの「いいね」や「フォロワー」数による評価というのがありますね。
閲覧に値する投稿を行うユーザーほどいいねやフォロワーの数を稼いでいるもの、と私たちは信じています。
しかし、そのお墨付き自体が商品として取引されたものである可能性がある、とは考えられないでしょうか。
そういった歪みに気が付いたとき、真に価値のある情報を得るために私たちはどのような行動をすべきでしょうか。
そもそも本質的な価値を見抜くにはどうしたらよいのでしょうか。
と、こんな風に、今回SNSの例を挙げてみましたが、『マネー・ショート』の作中で取り上げられる問題を紐解き、現実社会に展開することで、難解な作品も考える力を鍛える題材と捉えられます。
■DVDと原作でちょっと深堀!【管理人・選】
※世界中が、アメリカ発の住宅好況に酔っていた2000年代半ば、そのまやかしを見抜き、世界経済が破綻する方に賭けた男達がいた。投資銀行、格付機関、米政府の裏をかき、彼らはいかに世紀の空売りと呼ばれる大相場をはったのか。『マネー・ボール』の著者マイケル・ルイスが世界同時金融危機の実相を描く痛快ノン・フィクション。【引用:Amazon】
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まとめ
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●洋画好きのすどうです。英語が飛び交う環境で働くペーペー社会人。
映画鑑賞で英語上達を画策中。
※ビジネス、日常生活…すべての思考は、「類推(アナロジー)」から始まる。「新しい発想」はどこから生まれるのか? 商品企画や新規事業の構想を考えるビジネスパーソンのみならず、ほとんどの人にとっての日常生活においても永遠の課題である。…【引用:Amazon】
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