
音楽を聴くだけで、その感動的な場面を思い出して心の底からじんわりとしてしまう映画ってありませんか?
映画音楽はたくさんあふれていますが、心を震わせる映画音楽っていうのはそうそうないものです。
今回は、聴くだけでじんわりしてしまう映画音楽を懐かしい作品含め、9作品紹介します。
この記事で取り上げる映画を観てみたくなったらうれしいです。
目次:涙がにじむ映画音楽9選
聴くだけで、じんわりとくる映画音楽9選
1.『イル・ポスティーノ』(94)
『イル・ポスティーノ』は、イタリア・ナポリの小島を舞台に、実在した詩人パブロ・ネルーダと郵便配達人マリオの心の交流を描いた1994年の作品です。
ネルーダが、彼に詩を教えるときに流れる優しい曲に、じんわりきてしまいます。
この作品でパブロ・ネルーダを演じたフィリップ・ノワレと、撮影後に41歳で亡くなったマッシモ・トロイージの温かみのある演技も泣かせます。
2.『プロヴァンス物語 マルセルの夏』&『マルセルのお城』(90)
(予告編では、『マルセルのお城』を同時紹介)
『プロヴァンス物語 マルセルの夏』は、イヴ・ロベール監督の1990年のフランス映画です。
「少年だったが、私はプロバンスの丘ですべての愛を教わった」で始まる物語。
主人公のマルセルが体験したひと夏の思い出が、南仏プロバンスの広々とした景色とともに優しくも切なく描かれています。
大人になったマルセルの詩的なナレーションも印象的でした。
エンディング近くに流れるウラジミール・コスマの切ない調べに、じんわりきます。
続編、『マルセルのお城』(1990年)とともに観ることをおすすめします!
この2作品は4年ほど前、4Kでリバイバル上映していました。
今では、スターチャンネルEXの動画配信チャンネルで観られますよ!
プロヴァンス物語 マルセルの夏/マルセルのお城(スターチャンネルEX)
3.『スモーク』(95)
次は、ウエイン・ワン監督が描いた、ニューヨークのタバコ屋を舞台に展開される1995年の映画『スモーク』です。
たばこ屋の店主(ハーヴェイ・カイテル)が、小説家の男(ウイリアム・ハート)に語る心温まる出来事。
その中で流れる音楽が、トム・ウエイツの『Innocent When You Dream』です。
音楽を聴くと、そのワンシーンが頭の中に現れて、じんわりときます。
ちなみにこの曲を歌うトム・ウエイツは、俳優としてもジム・ジャームッシュ監督の『ダウン・バイ・ロー』(1986年)などの作品で、独特の存在感を見せています。
4.『レナードの朝』(90)

聴くだけでじんわり、次のおすすめは『レナードの朝』。
惰眠性脳炎を患ってしまったレナード(ロバート・デ・ニーロ)と医師(ロビン・ウイリアムス)の心の交流を描いたペニー・マーシャル監督の1990年の作品です。
レナードが、好きになった女性と踊るダンスシーン。
この時に流れる切ない調べは、涙なくして観られません。
そして、彼女がバスに乗り込む姿を病院の窓越しに眺めるレナードの悲しげな表情も泣かせます。
5.『パリ、テキサス』(84)



『パリ、テキサス』は、ヴィム・ベンダース監督の1984年のロードムービーです。
記憶をなくした男トラヴィスと別れた妻、一人残された息子3人の物語です。
ライ・クーダーの乾いたスライドギターが印象的でした。
トラヴィスの弟ウォルトが過去に撮影した8ミリビデオを見ながら昔を懐かしむときに流れる、メキシコ民謡の「Cancion Mixteca」。
この曲に、じんわりきます。
久しぶりに再会した息子のハンターとの道を隔てた無言の会話も印象的でした。
Paris, Texas: Soundtrack(ライ・クーダー)
6.『ニュー・シネマ・パラダイス』(89)
『ニュー・シネマ・パラダイス』は、初老の映画技師と彼に憧れる少年の心の交流を描いた、ジュゼッペ・トルナトーレ監督の1989年の名作中の名作です。
このエンニオ・モリコーネの音楽を聴くと、大人になった少年が、映画技師の残したフィルムをつなぎ合わせて一人上映し涙ぐむ姿を思い出して、じんわりきてしまいます。
次の動画はエンニオ・モリコーネの公式オリジナル・トラックです。
ちょっと長い(54分)ですが、お時間のある人はじっくりお聞き下さい。
ニュー・シネマ・パラダイス(サウンドトラック:エンニオ・モリコーネ)
7.『ショーシャンクの空に』(94)



『ショーシャンクの空に』は、無実の罪でショーシャンク刑務所に入れられた男の、尊厳を掛けた戦いを描いたフランク・ダラボン監督の1994年の作品です。
個人的には、モーガン・フリーマン演じるレッドが言うセリフ「必死に生きるか、必死に死ぬか。俺は生きるぞ!」のセリフやティム・ロビンス演じるアンディーの手紙、「レッド。希望は素晴らしい。何にも替えがたい。希望は、永遠の命。希望はいいもんだ。」というセリフが心に染みます。
エンディングに流れる、トーマス・ニューマンの『エンド・タイトル』。
この曲にじんわりきてしまいます。
Shawshank Redemption (トーマス・ニューマン)
8.『エール!』(14)



2022年の第94回アカデミー賞で作品賞・助演男優賞、脚色賞にノミネートされている、『コーダ あいのうた』(2021年)の元ネタとなった、エリック・ラルティゴ監督の2014年の作品、それが『エール!』です。
聾唖者の家族と健常者の娘の家族の物語。
この作品で、主人公の娘ポーラ(ルアンヌ・エメラ)が歌う、ポップス界のモーツァルトといわれるミシェル・サルドゥの曲『青春の翼』を歌うシーンにじんわりきてしまいます。
彼女に「目を閉じて飛ぶんだ!」とアドバイスを送る先生のセリフにもグッときます。
涙腺崩壊必至です。
La Famille Belier(Original Soundtrack)
9.『街の灯/ City Lights 』(31)



「聴くだけでじんわり!」の映画音楽のご紹介、いよいよ最後になりました。
『街の灯』は、チャールズ・チャップリンが監督・脚本・主演を務めた、1931年のサイレント映画の名作です。
貧しい盲目の花売りと、放浪紳士の優しさあふれる愛の物語。
自分の店を持った花売りの女性が、手のぬくもりで彼のことを思い出すシーンとそこで流れる音楽は涙なくしては見られません。
まとめ
今回は、音楽を聴くだけでじんわりと来てしまう映画を9作品紹介しました。
いい映画は、映像とともに音楽もいつまでも心に残るもの。
紹介した中に、あなたのお気に入りの映画はあったでしょうか?
まだの方は、映画館や動画配信で、ぜひ、ご覧ください!
《ライター:shimojima》 クリックで担当記事一覧へ→