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世界各国で行われるいろいろな選挙、また日本も例外なく選挙結果はもとよりどう戦ったかという「選挙戦」が話題になります。
この映画『選挙の勝ち方教えます』(Our Brand Is Crisis)は、南アメリカのほぼ中央に位置するボリビアという国で実際に行われた大統領選挙がモデル。
その中身はどこでもやっていそうな「選挙参謀」による「勝たせ方」の話なのです。
SNS戦略は残念ながらここでは出てきませんが、ネガティブキャンペーンなど現実世界の選挙と重ねるとなかなか興味深い作品です。
きっと、「あるある!」をあちこちの場面で見つけるに違いありません。
主演はベテラン女優サンドラ・ブロックで、コミカルかつ最後は皮肉たっぷりにしっかり見せてくれます。
(冒頭画像:引用https://www.facebook.com/OurBrandIsCrisisMovie/)
あらすじ:政治的な思想背景、全くないコンサルタント!
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主人公ジェーン・ボディーン(サンドラ・ブロック)は、選挙の参謀を生業とするコンサルタント。
選挙コンサルタント?どこかの国の選挙でもよく似た話が?
今回ジェーンが依頼されたのは、ボリビア国の大統領候補であるペドロ・カスティーヨ氏(ジョアキム・デ・アルメイダ)の選挙戦。
ジェーンがカスティーヨ氏の写真を最初に見せられた時、「あら、変わったヘヤスタイルね!」という程度の印象。
彼を支援する政治思想的な背景はまったく見当たりません。
あの手この手を駆使し、事前の下馬評では第3位程度の評判しかなかったカスティーヨを勝たせることに挑戦するのです。
●サンドラ・ブロック(Sandra Bullock)
誕生日:1964年7月26日生まれ
星座:しし座
身長:171cm
出身:アメリカ・バージニア州
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勝ち目のない候補者、それでも引き受けた理由は?
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投票日まで残り約3ヶ月時点の世論調査では、圧倒的トップは下馬評も高かったリベラ候補で支持率は39%。
(これって、かつてのイギリスのボリス・ジョンソンの事前の指示率と偶然にも一緒!ご存知のようにジョンソンが当選しました。)
それに対して、カスティーヨ候補は間にもう1人を挟んで、第三位の8%しかありません。
ここから、ジェーンは知恵を絞って立てる作戦の結果に一喜一憂。
ジェーンが、あまり勝ち目のない候補者の参謀を買って出たのはちょっと理由がありました。
ライバル候補者の参謀、怨念の過去とは?
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ここがいかにも、コンサルタント側から見た選挙戦らしい発想です。
つまり、最有力候補のリベラの選挙参謀が、これまで幾度となく戦ってきたライバル、パット・キャンディ(ビリー・ボブ・ソーントン)だとわかり、彼女の闘志に火が付いたというわけです。
しかも、ジェーンはここ何度か彼に敗れており、候補者から「疫病神」の異名をもらうほどでした。
巻き返しを目論むジェーンは、勝つためには何でもありとばかりに作戦を立てます。
ネガティブキャンペーン、「有権者のダマし方教えます。」
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たとえば、日本の選挙ではあからさまには出てこないネガキャン(ネガティブキャンペーン)。
ジェーンは、ライバル候補のスキャンダルなどを突いて、結果的に評判を落とすやりかたをも展開します。
しかし、相手側も違うスキャンダルで対抗。
この映画、「コメディ」というジャンルで括られることもあるのですが、この応酬合戦はこっけいでなかなかの見ものです。
これって、「選挙の勝ち方教えます」というより、「有権者のだまし方教えます」じゃないの?と思うほどです。
ジェーンが打った作戦は、起死回生の一手は?
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場面は変わって、各候補者が集合して持論を披露する討論会。
終わった直後、カスティーヨは反対候補の参加者と思しき人物から目の前で生卵をぶつけられるという事件が起こります。
突然のことに、カスティーヨは相手を殴打してしまうことに!
いくらなんでの殴り返したらダメだろうと、困ったスタッフは謝罪文を準備することに。
しかし、ジェーンの取った作戦は「得体のしれない暴漢」に敢然と立ち向かう「強い候補者」イメージを展開したのです。
混迷を深めるボリビアを救うのは彼しかいないと言わんばかりに宣伝するのでした。
ジェーンの作戦は当たり、そこから少しずつ支持率を上げていくカスティーヨ候補がいるのでした。
まとめ:参謀の正義はどこ?有権者にウソをつくな!
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選挙の結果は「ネタバレなし」ということでここでは触れません。
今作品が面白いのは、あの手この手を尽くした後の選挙結果ではありません。
候補者と一体となり、「勝たせること」を目的に戦ってきた選挙参謀が、候補者=当選者が選挙中の公約を全く反故にしたと知ったらどうなるかという点です。
勝たせたという結果だけで満足なのか?あるいは「有権者にウソをつくな!」と腹を立てるのか?
ラストシーンは、なんとも胸のすく意外なシーンで締めくくってくれますよ!
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