皆さんは、“スパイダーマン”と言ったら誰の顔を思い浮かべますか?
熱心にシリーズを追ってきたファンであれば3〜4人の顔が一気に浮かぶと思いますが、そうでなければ案外世代によって違うものだと思います。
この記事では、3人の主演俳優による『スパイダーマン』シリーズを紹介します。
2022年に公開された、ここ最近のスパイダーマン映画の集大成でもあった『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』は、過去の作品のヴィランの再登場など復習・予習ポイントの多い作品です。
なかなか本数が多いですが、ここはストレートに公開順に見ていくのがわかりやすいでしょう。
同じヒーローの同じような物語とはいえ、俳優や世界観などそれぞれの魅力や個性があり、知っておくとこの先のマーベル映画を楽しむ幅がぐっと広がること間違いなし!
チェックしていない作品があったら是非観てみてください!
(冒頭画像:引用https://twitter.com/SpiderManMovie/)
トビー・マグワイア:個性的な初代スパイダーマン
スパイダーマンが初めてハリウッドで実写化されたのは2002年のこと。
それまでカルトホラー映画の監督として有名だったサム・ライミ監督がメガホンを取り、以前から子役として活躍し、演技派としても知られていたトビー・マグワイアがピーター・パーカーを演じました。
マグワイア×ライミの『スパイダーマン』シリーズは全部で3本。
・『スパイダーマン』(02)
・『スパイダーマン2』(04)
・『スパイダーマン3』(07)
内気な高校生のピーターが社会科見学で行った化学センターで遺伝子改造された蜘蛛に噛まれ、超人的な能力を得ることに。
今となってはお馴染みの物語が丁寧に描かれています。
サム・ライミ監督ならではのオカルトホラーちっくな描写や、妙にテンポの良い話の進みが今観るととても個性的な作品です。
ヒロインのメリー・ジェーンはキルスティン・ダンスト、親友のハリー・オズボーンはジェームズ・フランコが演じました。
シリアスでユニークなヒーロー像!
トビー・マグワイアのピーター/スパイダーマンは、素朴で真面目、ヒーロー活動中もあまり喋らない寡黙なところが特徴です。
まだ※MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)も無かった当時、ヒーロー映画といえば(ティム・バートンの『バットマン』が大ヒットしたこともあり)マーベルよりもDC!という雰囲気があった様子。
そんな影響があったからなのか、よりリアルに、よりシリアスにという路線だったようです。
ベンおじさんやメリー・ジェーンとの関係など、スパイダーマンの物語に欠かせない要素がかなりきちんと描かれているので、観たことがない人は一見の価値ありです!
A・ガーフィールド:リブート版、2代目スパイダーマン
トビー・マグワイアのスパイダーマンは4作目も続く予定があったそうですが、結局企画自体が消滅してしまいます。
スパイダーマンの映像化権を所有しているソニー・ピクチャーズは、監督や俳優を変えて物語を一からやり直す「リブート」を企画しました。
「リブート」という言葉もまだ馴染みがなかった当時、「別の人がスパイダーマンをやるの?」と首を傾げた人も多かったと筆者は記憶しています。
新しいピーター/スパイダーマンは、『ソーシャル・ネットワーク』(10)でフェイスブックの共同創始者を演じたアンドリュー・ガーフィールド。
監督は『(500)日のサマー』や数多くのミュージックビデオを手がけることで知られていたマーク・ウェブ監督が担当しました。
親しみやすい当時の高校生像を体現!
アンドリュー・ガーフィールドのスパイダーマン映画は、全部で2本。
・『アメイジング・スパイダーマン』(12)
・『アメイジング・スパイダーマン2』(14)
トビー・マグワイアが2000年代のピーター・パーカーであるなら、アンドリューは2010年代のピーター。
校内をスケボーで移動したり、携帯電話の着信をスパイダーマンのテーマにしたり、より「現代の子供」であることが意識された親しみやすいキャラクターです。
また、アンドリューのスパイダーマンはトビー・マグワイアと比べるととてもお喋り。実はお喋りな方が原作のコミックには忠実なんです。
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トム・ホランド:待ち望まれたMCUスパイダーマン
さて、アンドリュー・ガーフィールドの『アメイジング・スパイダーマン2』は2014年の作品。
2014年というと、MCUはすでに最初の『アベンジャーズ』(12)を終えて、『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』や『ガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシー』などのあったフェーズ2に入っています。
「MCUにスパイダーマンが合流するか/できるか否か」は、早い段階からファンの間で話題になってきました。
しかし、MCUはそもそも「マーベル・コミックス」というコミック会社が自社制作した映画群。
「スパイダーマン」の映像化権は(今現在も)※ソニー・ピクチャーズが所有しているので、いくら原作がマーベルだからといって自由にMCUに登場させるわけにはいかない事情がありました。
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ゴジラで負けてスパイダーマンで勝つ: わがソニー・ピクチャーズ再生記
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『シビル・ウォー』から、新スパイダーマンが登場!
そんな中、ついにスパイダーマンのMCU入りが発表されます。
ソニー・ピクチャーズが※マーベル・スタジオと権利を共同で持つという形に収まって、2016年の『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』からトム・ホランドがスパイダーマンとして出演することになったのです。
こういった事情があり、トム・ホランドのスパイダーマンは最初からMCUの一部として登場しました。
なので、オリジンストーリー(蜘蛛に噛まれて能力を得る過程)にあたる映画が制作されておらず、作中の台詞などで触れられる程度になっています。
トム・ホランドのスパイダーマンが登場する映画は、全部で6本。
星印は個人タイトルの作品です。
・『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(16)
★『スパイダーマン:ホームカミング』(17)
・『アベンジャーズ/エンドゲーム』(19)
★『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』(21)
トビー・マグワイアとアンドリュー・ガーフィールドはどちらも20代後半でピーターを演じましたが、トム・ホランドは当時19歳。
単独主演の『ホームカミング』では20歳でした。
今までよりもぐっと若く、親しみやすく、1番鮮やかなスーツを身に纏った、コミックから飛び出してきたようなフレッシュなスパイダーマンとなりました。
監督は、『コップ・カー』『クラウン』などのユニークな映画を作ってきたジョン・ワッツ。
サム・ライミ的なカルト映画の系譜を受け継いでいる、とても個性的な監督です。
MCUの一部として語られる新しい物語!
また、ストーリーもMCUに組み込まれたことによって今までのスパイダーマン映画では見られなかった展開になりました。
『シビル・ウォー』でピーターをアベンジャーズにリクルートしたトニー・スターク/アイアンマン(ロバート・ダウニー・Jr)との師弟関係を中心に。
そして、最近のMCUでの大きな山場だった『インフィニティ・ウォー』と『エンドゲーム』を経て、ピーターが1人のヒーローとして独り立ちするまで壮大な成長譚として観ることができます。
特に、集大成である『ノー・ウェイ・ホーム』では、そのサプライズ演出が大きな話題になりました。
スパイダーマン映画を観てきたファンへのご褒美のような展開、是非今回紹介した過去の作品を観てから鑑賞することをおすすめします!
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『ヴェノム』の世界との繋がりも!
ソニー・ピクチャーズが作っているスパイダーマンの世界は、これだけではありません。
アニメーションの『スパイダーバース』はもちろん、『ヴェノム』や『モービウス』なども元々はコミックのスパイダーマンに登場するヴィラン。
ソニーが作るこれらの映画はMCUのように同じ世界を共有していて、SSU(ソニーズ・スパイダーマン・ユニバース)と呼ばれています。
そして、あまり大々的には扱われていませんが、MCUと『ヴェノム』はエンドクレジット後の映像ですでに何度か交差している(『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』、『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』のポストクレジット)んです。
つまり、両者はマルチバースの一部として、繋がることのできる関係にあるということ。
そんな事情もあり、今後もっと大きなコラボレーションがあると期待しているファンはたくさんいるようです。
トム・ホランド主演でのさらなるスパイダーマン映画の制作についても、噂が絶えません。
実際にMCUとSSUが接続できるのかというのは、まだまだ不確定な要素が多いです。
ファンとしては過去の作品を観返しながら朗報を待ちたいところですね!
ひょっとしたら、『シビル・ウォー』でスパイダーマンが登場した時のような興奮をまた味わうことができるかもしません。
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高校2年生で『アベンジャーズ』を観て以来の映画ファン。大学と大学院では映画研究にどっぷり浸かっていました。
アナログでファンアートを描いてはインスタグラムに載せています。楽し〜!
話題の作品や、そこにつながる過去の名作、注目のキャストなどをわかりやすく楽しく紹介していきたいです!
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