ロシアがウクライナに侵攻して始まった戦争。
日本でも報じられたウクライナの被害を見ると心が痛いですね。
戦争はいけないものだという日本での戦争経験者は徐々に減ってきていますが、語り部は経験者だけではありません。
そんな戦争の様子は映画という媒体でも知ることができます。
今回はトム・ハンクスが出演した戦争に関連する映画を3つ紹介します。
※これはあくまで個人の感想となりますので、情報の取捨選択は慎重にお願いいたします。
(冒頭画像:https://www.facebook.com/SavingPrivateRyanMovie/)
①参戦した兵士の戦争『プライベート・ライアン』
作品情報
映画タイトル | プライベート・ライアン |
原題 | Saving Private Ryan |
監督 | スティーヴン・スピルバーグ |
出演 | トム・ハンクス、エドワード・バーンズ、マット・デイモン、トム・サイズモア他 |
制作年 | 1988年 |
『プライベート・ライアン』あらすじ
『プライベート・ライアン』は、第二次世界大戦最中、ライアン二等兵(マット・デイモン)をミラー大尉(トム・ハンクス)率いる部隊が救出する話。
4人兄弟のライアン家は兄弟が全員戦地へ送られてしまっていました。
激化する戦地では3人の兄が亡くなり、末弟は生死すら不明ということが分かります。
軍上層部からの命令で、ミラー大尉は末弟のジェームズ・ライアン二等兵を捜し出す任務を命じられます。
ミラー大尉は少数精鋭の部隊を組織し、生死不明のライアンの捜索作戦を開始します。
道中で仲間の死を乗り越えながらも捜し出さなければならないライアンとはどんな人物なのか?
救い出すに値する人物なのか?
部隊ではライアンに対するハードルが上がってきていました。
そして、ついにライアンを発見します!
しかし、ライアンは現在の任務が完了しなければならないと、ミラー大尉の帰還命令を拒否します。
敵地ど真ん中での無謀な任務を遂行し、ライアンを無事に帰還させることができるのか?
運命の結末に感動を呼ぶ物語です。
『プライベート・ライアン』から学ぶ戦争
物語冒頭の30分で描かれているノルマンディー上陸作戦は、戦場の第一線を見事に描いています。
あらゆる方向から飛んでくる銃弾。
周りにいる大量の負傷兵。
血で染まった海。
いつ死んでもおかしくない緊迫感を感じることができ、戦地の悲惨な様子を知ることができます。
もしも、ウクライナでの戦争が発展し誰もがあんな戦場に送り込まれてしまうのではと、想像してしまうだけでも恐ろしいですね。
多くの人の命が奪われてしまう戦争は決してあってはいけないものだと強く感じさせてくれる代表的な映画です。
②報道視点『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』
作品情報
映画タイトル | ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書 |
原題 | The Post |
監督 | スティーヴン・スピルバーグ |
出演 | トム・ハンクス、メリル・ストリープ、サラ・ポールソン、ボブ・オデンカーク、トレイシー・レッツ、ブラッドリー・ウィットフォード、ブルース・グリーンウッド、マシュー・リース他 |
制作年 | 2017年 【YouTube:予告編】 |
『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』あらすじ
『ペンタゴン・ペーパーズ』は、泥沼化したベトナム戦争の事実が書かれた政府の機密文書、通称「ペンタゴン・ペーパーズ」の内容を世間に公表するために奔走した新聞社の事実に基づく話。
トム・ハンクスは、ワシントン・ポスト紙の編集幹部ベン・ブラッドリーを演じます。
泥沼化するベトナム戦争、その最前線を視察した分析官から報告を受けたアメリカ国防長官。
状況はアメリカが苦戦を強いており、勝利の可能性が低いことが分かります。
しかし、政府は敗戦色濃厚という事実の隠蔽を図ります。
マスコミに圧力をかけ、報道をコントロールする政府
ペンタゴン・ペーターズの内容は、報道各社にとっては一大スクープです。
ワシントン・ポスト、ニューヨーク・タイムズの2社がこぞって記事を作成していると政府からは圧力をかけられます。
ワシントン・ポストの社長キャサリン(メリル・ストリープ)は真実を隠して会社を守るのか、事実を公に晒すのかと決断に迫られます!
『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』から学ぶ戦争
ベトナム戦争での米軍撤退は、アメリカ国内での反戦運動の高まりによる世論に動かされたと言われています。
そんな反戦運動のきっかけになった報道があった裏では、真実を明るみに出そうと努力をした人たちがいたんですね。
現在のロシアでは政府によって、情報がコントロールされていると言われています。
21世紀の今、戦争を終わらせられるのは民衆の世論なのかもしれません。
ロシア国内でも国営テレビで意見を主張する人が現れるなど、報道側でも壮絶な戦いがあるのではないかと思います。
報道の自由が勝った事例をドラマチックに観ることができる素晴らしい映画ですので、興味のある方は是非ご覧になってみてください!
③政治家が戦う戦争『チャーリー・ウィルソンズ・ウォー』
作品情報
映画タイトル | チャーリー・ウィルソンズ・ウォー |
原題 | Charlie Wilson’s War |
監督 | マイク・ニコルズ |
出演 | トム・ハンクス、ジュリア・ロバーツ、フィリップ・シーモア・ホフマン他 |
制作年 | 2007年 【YouTube:予告編】 |
『チャーリー・ウィルソンズ・ウォー』あらすじ
3作目は、『チャーリー・ウィルソンズ・ウォー』です。
米ソ冷戦時代、米下院議員のチャーリー・ウィルソン(トム・ハンクス)がアフガニスタンへ侵攻しているソ連軍を撤退に向け、軍事資金をかき集めるために政界を奔走する実話をコメディタッチに描いた話。
1980年、アメリカとソビエト連邦は冷戦で緊迫状態の真っ只中。
ソ連は領地拡大のためアフガニスタンに侵略戦争を仕掛けていました。
当時のソ連は世界の覇権をアメリカと競うほどの強国です。
戦闘機・ヘリといった先端の兵器を駆使し、技術が遅れていたアフガニスタンを圧倒的な力で制圧していました。
チャーリー・ウィルソン米下院議員は酒と女が大好きです。
ある日、ストリッパーとジャグジーに浸かっているとテレビでソ連・アフガニスタン戦争のテレビ番組を目にします。
心を打たれ、アフガニスタンへの軍事資金提供を決意
ただ、アメリカがソ連の戦争に支援をしたことが公になってしまうと二国の全面戦争になってしまう危険性があります。
そこでアメリカ国内にも内緒の予算を調達するために周りの政治家への根回しをしていきます。
同時に間接的にアフガニスタンを支援するために、いがみ合う隣国の説得も行い支援の準備を進めます。
苦労の果てに、無事に軍事資金・兵器を送り込みソ連戦闘機・ヘリを撃ち落とすことに成功します!
そこからジュネーブ和平協定(1988)でソ連軍はアフガニスタンから完全撤退をします。
シリアスな実話をテンポよくコメディチックにすることで、非常に分かりやすく見ることができる物語です。
『チャーリー・ウィルソンズ・ウォー』から学ぶ戦争
アフガニスタンに侵略戦争を仕掛けるソ連という構図は、2022年のウクライナに侵略戦争を仕掛けるロシアと重なるように感じます。
標的となったアフガニスタンは、諸外国の支援を受け強国ソ連の猛攻を凌ぎ勝利を掴むことができました。
支援を支えた裏側には、政治家の地味な根回しのような見えない功績があったのだと知ることができます。
2022年もロシアとの関係を悪化させたくない国の政治家が、周辺諸国を通じてウクライナに支援をしているのか気になるところですね。
まとめ
今回はトム・ハンクスが出演している戦争関連映画を3つ紹介しました。
兵士・マスコミ・政治家。
いずれの映画も、戦争という辛い局面をそれぞれの立場で戦っているということが分かる素晴らしい映画です。
興味のある方はぜひ、鑑賞してみてください。
2022年は悲しいことに戦争が勃発していましましたが、今の時代はテレビや新聞だけでなく、多くのSNSから情報を得ることができる時代です。
必ずしも明るみに出ている情報が全てではないため、正しい情報の取捨選択が必要になると思います。
偏った見方だけではなく、普遍的に世の中を見渡して自分の意見を持つことが大事でしょう。
映画という私たちの共通の趣味から、少しでも筆者なりの反戦メッセージが広がることを願っています。
●トム・ハンクス(Tom Hanks)
誕生日:1956年7月9日生まれ
星座:かに座
身長:183㎝
出身:アメリカ・カリフォルニア州
▶おすすめの代表作品
ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書 (予告編:Amazon) (原作「キャサリン・グラハム わが人生」より:楽天ブックス)
※メリル・ストリープとの絶妙な共演!さすがトップ俳優同士です。
参考記事:好きな映画、正義とジャーナリズムの『ペンタゴン・ペーパーズ』は大作だった!
プライベート・ライアン (予告編:Amazon) (ゲオ:楽天)
※2作ともスティーブン・スピルバーグ監督作品の名作です。
《ライター:kenya》
記事へのご感想・関連情報・続報コメントお待ちしています!