2023年はディズニー100周年の年です。
実写版『リトル・マーメイド』などが公開され話題となりましたが、2023年に公開されたのが大注目作のアニメーション作品『ウィッシュ』です。
本作は大ヒット作『アナと雪の女王』の製作陣が手がける最新作。
さらに、ヒロインとなるアーシャの声を担当するのはアカデミー賞助演女優賞を受賞したアリアナ・デボーズということもあり、公開前から注目されています。
今回は、いま大注目のアリアナ・デボーズの代表作を2本まじえながら、彼女の魅力に迫ります。
(冒頭画像:引用https://www.facebook.com/ArianaNDeBose/)
アリアナの歌声を知らしめた、映画『ザ・プロム』
アリアナ・デボーズの映画デビューは、Netflixオリジナルのミュージカル映画『ザ・プロム』です。
本作は、元々は海外ドラマ『glee(グリー)』を手がけたライアン・マーフィーが制作したブロードウェイミュージカルであり、エミー賞などにもノミネートされました。
日本でも、日本人キャストでミュージカルが上演されたほどの人気作であり、映画『ザ・プロム』もNetflix配信前には劇場でも公開され話題となりました。
筆者はミュージカル版も好きですが、映画版だからこそ出来る演出の数々が、また異なる雰囲気を作っていて大好きです。
何より、アレンジされた音楽や色遣いがとにかく華やかで観ていて心躍ります。
少女の葛藤を歌いあげた、アリアナ・デボーズ
『ザ・プロム』は、同性の高校生カップルのエマとアリッサを描いた作品であり、アリアナ・デボーズはアリッサを演じています。
特にソロで歌う「Alyssa Greene」は、母親から押し付けられる理想像に苦しむアリッサを歌声と表情だけで見事に表現しています。
ここまでの表現が出来たのは、彼女のパーソナルな部分が関係しています。
実は彼女はクィアであることを公言しており、そのパートナーもSNSで公表しています。
彼女はこのことについて ジェンダーやセクシャリティでレッテルを貼られることに対して抵抗があることを語ったうえで、こう述べています。
「人間という言葉が好き。人間性を表現する方法は無数にあるけれど、あなたが人間であるという事実は変わらないから。」
舞台や映画界に新しい風を吹き込み、今も多くの人に勇気を与え続けています。
この彼女がもつ力強さが、彼女を一躍世に知らしめた次の作品に影響を与えているのだと思います。
【”Alyssa Greene” Full Song feat. Ariana DeBose | The Prom | Netflix】
トップスターに導いた『ウエスト・サイド・ストーリー』
最初に述べたように、アリアナ・デボーズはアカデミー賞助演女優賞を受賞しています。
彼女を一躍トップスターに導いたのが、スピルバーグ監督がリメイクした『ウエスト・サイド・ストーリー』でした。
アリアナの、もう一つのアイデンティティ
『ウエスト・サイド・ストーリー』は1950年代のアメリカを舞台とした傑作ミュージカルであり、「ロミオとジュリエット」に着想を得ていることも有名です。
本作は、ポーランド系移民とプエルトリコ系移民の青年たちの抗争を描いた作品であり、アリアナ・デボーズはプエルトリコ系移民のアニータを演じています。
実は、彼女自身、イタリア系、アフリカ系、そしてプエルトリコ系の血を受け継いでおり、この役を演じることが夢だったようです。
「自立した人としてこの役を演じることができて嬉しい。だって、この役をやる人が人生経験のない人だったら、この時代のアニータをちゃんと演じられたかどうかわからない。それがアニータという人。自立した人なの。自分の考えがはっきりしている人よ。」
アカデミー賞でもそう述べた彼女の想いが歌に存分に込められており、どの歌唱シーンも主演キャストに引けをとらないものとなっています。
ちなみに、この「America」(YouTube)はじめ、作品内では数々の華麗なダンスもこなしています。
これは彼女自身が、歌とダンスの才能を活かして20代をミュージカルに捧げたからでしょう。
出演していたミュージカル「Summer: The Donna Summer Musical」において、トニー賞にノミネートされると本国で話題になり、先に紹介した『ザ・プロム』の出演へとつながっていきました。
●アリアナ・デボーズ(Ariana DeBose)
誕生日: 1991年1月25日生まれ
星座:みずがめ座
身長:165cm
出身:アメリカ・ノースカロライナ州
▶おすすめの代表作品
歴史を切り拓いた、アリアナの名スピーチ
アカデミー賞でのスピーチもかなり話題となりました。
「『嫌なことも起こる世の中だけど、それでも夢は叶う。だから、私はアメリカにいたいの。夢を追う自分が、私を強くする』というアニータのセリフがあるのですが、なぜ彼女がそんなことを言ったのか、今なら気持ちがわかる気がします。」
有色人種でクィアを公言している俳優として、アカデミー賞を初めて受賞したことを受けて、彼女はこんなことも述べていました。
「自分のアイデンティティを疑ったことのある人たち、グレーゾーンにいると感じている人たちへ、私たちの居場所は確かにあることを約束します。」
新たな時代の幕開けを予感させる、すばらしい言葉の数々です。
成るべくして選ばれた、最新作『ウィッシュ』の声優
そして、2023年12月公開の最新作『ウィッシュ』は、ディズニー100周年記念作品であり、そのヒロインの声優をアリアナ・デボーズが担当します。
ディズニーと言えば、声優のキャスティングなどにも厳正な審査があります。
その人の生い立ちや辿ってきた人生までをも加味して選ばれることは有名な話で、今回のアーシャというキャラクターは、きっと彼女と似ているのではないでしょうか?
ディズニー最新作『ウィッシュ』、あらすじは?
ロサス王国は、願いが叶う魔法の王国。
ここでは、自分の一番大切な願いを王様に捧げることで、どんな願いも叶う。
しかしながら、アーシャはある出来事をきっかけに王国に隠された裏の顔を知ってしまう……。
予告編から炸裂する、圧倒的な歌唱力!
実は今回の『ウィッシュ』ではグラミー賞にもノミネートされ、ジャスティス・ビーバーやエド・シーランなど有名アーティストに楽曲提供しているジュリア・マイケルズが音楽を担当します。
また、ディズニーに新たな名作が誕生する予感がしてなりません。
何より、ディズニー作品を通してアリアナ・デボーズの歌声が世界中の子どもたちをはじめ、多くの人に届く日がくることが感慨深いです。
最後に…
是非、これまでディズニーを彩ってきた『アラジン』や『美女と野獣』、『塔の上のラプンツェル』や『アナと雪の女王』などのミュージカル作品を見返して、100年の歴史に想いを馳せてみてはいかがでしょうか?
それと同時に、100周年をその歌声で彩るアリアナ・デボーズの過去作も鑑賞し、彼女自身の成長もその目で確かめて頂ければ、と思います。
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映画と音楽が人生の主成分のライターのファルコンです。
学生時代に映画アプリFilmarksの“FILMAGA”でライターをしていました。
大人になって、また映画の世界の魅力を皆さんにお伝えできれば、と思いライター復帰しました。
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