法廷スリラー映画『モーリタニアン』、同時多発テロから20年で明らかになったこと

モーリタニアン,同時多発テロ20年

出発点は、2001年米「同時多発テロ」の勃発

ショッキングな実話映画『モーリタニアン 黒塗りの記録』が公開されました。

(全米:2021年2月)

「法廷スリラー」「黒塗りの記録」とくれば、否が応でも背後の闇を感じてしまいますよね。

「モーリタニアン」の意味は、アフリカ北西部の国「モーリタニア」(正式名:モーリタニア・イスラム共和国)出身者のこと。

米軍事刑務所に、2002年から10数年間収監され、後に無罪釈放された主人公「モハメドゥ・ウルド・スラヒ」が描かれています。

スラヒが逮捕されたのは2001年11月。

そう、世界中を震撼とさせた「同時多発テロ」(同年9月11日)の勃発が出発点でした。

テロ容疑者を収監した、グアンタナモ収容所

モーリタニアン,グアンタナモ湾収容所
https://www.facebook.com/TheMauritanian

さて、2021年は同時多発テロから20年。

いろいろなことが明らかになっていく中で、初めて聞くことになった人も多いのが「グアンタナモ収容所」です。

同時多発テロ直後、アメリカ政府がCIAを中心に必死になったのは「テロを指示した人物は?」「次はどこが標的?」など、テロ組織を壊滅し再発を阻止する捜査でした。

そして、テロに関わったと思しき容疑者を収監したのがキューバのアメリカ基地「グアンタナモ収容所」でした。

主人公「モハメドゥ・ウルド・スラヒ」も収監された容疑者のひとりです。

投獄されていた10数年間を綴った、本人による回想録を元に制作されたのがこの映画です。


モーリタニアン 黒塗りの記録 (河出文庫) 

「不当な拘禁」を白日にさらす、今作の実力キャスト

左:ナンシー弁護士 中:テリー 手前:スラヒ https://kuronuri-movie.com/

本作に実名登場する主要キャストを紹介しておきましょう。

容疑者となった主人公スラヒには、セザール賞(フランスの映画賞)受賞歴のあるタハール・ラヒムが出演。

そして、彼の弁護を引き受けた弁護士ナンシー・ホランダーには、名優ジョディ・フォスター

助手のテリー・ダンカンにシェイリーン・ウッドリー

スラヒの起訴を担当する軍検察官にベネディクト・カンバーバッチ

「不当な拘禁」が実力俳優たちによって明らかにされていきます。

●ジョディ・フォスター(Jodie Foster)

誕生日:1962年11月19日 (さそり座)

身長:160cm

出身:アメリカ・カリフォルニア州

▶ジョディ・フォスターの出演映画一覧

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ホテル・アルテミス ~犯罪者専門闇病院~(予告編)


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●シェイリーン・ウッドリー(Shailene Woodley)

誕生日:1991年11月15日(さそり座)

身長:173㎝

出身:アメリカ・カリフォルニア

▶シェイリーン・ウッドリーの出演映画一覧

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※「ビッグ・リトル・ライズ」はシーズン2まで公開されておりたっぷり楽しめます!

弁護人・検察官の双方が驚いた、スラヒの証言

スチュアート・カウチ中佐 https://kuronuri-movie.com/

スラヒは同時多発テロ以前に、居住地ドイツやカナダとアフガニスタンを往来。

また、かつてのテロ事件に容疑者として浮上しており拘束された後に「グアンタナモ収容所」に送還されます。

スラヒは、同時多発テロの首謀者のひとりとされたのです。

弁護士ナンシー(ジョディ・フォスター)がスラヒの弁護を引き受けた時、一番驚いたのが拘束後一度も裁判が開かれていないことでした。

一方、アメリカ世論がテロ犯の確定を期待する中、軍検察官スチュアート・カウチ中佐(ベネディクト・カンバーバッチ)は早々にスラヒを起訴するよう指示を受けます。

二人の目的は違えど、拘束後の状況を精査する中で驚くべき真相と向き合うことになります。

それは、スラヒが収容所から送ってきた驚くべき証言でした。

●ベネディクト・カンバーバッチ(Benedict Cumberbatch)

誕生日:1976年7月19日(かに座)

身長 183cm

出身:イギリス・ロンドン

▶ベネディクト・カンバーバッチの出演映画一覧

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※イギリス紳士の毅然とした役柄やインテリジェンスのある映画がよく似合う俳優です。


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参考記事:実話スパイ映画『クーリエ 最高機密の運び屋』、キューバ危機の一触即発を回避!

収容所内で、容疑者に行われてきたこととは?

モーリタニアン,グアンタナモ収容所
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210910/k10013251101000.html

さて、ここでグアンタナモ収容所を紹介する「NHKwebニュース」の記事があります。

記事が掲載するこちらの画像は、国防総省が提供した画像の引用です。

同時多発テロと同時に作られ、一時は800人近い収容者がいたが現在は縮小されたことを伝えてます。

驚くべきはその実態で、記事は『モーリタニアン』でスラヒが訴えたとされる拷問ともいえる不当拘束の事実。

他の出所者を通じて語られていますのでご覧下さい。

ハッピーエンドとはならない、現実世界への期待

モーリタニアン,ジョディ・フォスター
https://kuronuri-movie.com/

映画的には、無実の拘束者が正義感に燃える弁護士と検察官により無罪放免でハッピーエンド?

いいえ、現実はもっと深刻であることが伺えます。

調査を始めた弁護士たちに、当初見せられたのは「黒塗りの記録」でした。

最近の同テーマを扱った映画『ザ・レポート』でも登場する「黒塗り」です。

(ちなみに、「The Report」の文字の間には、「Torture(拷問)」が入り、ここを黒塗りするという手の込んだタイトルになっています。)

アメリカにとって不都合な中身はいったい何だったのでしょう。

モーリタニアン,黒塗りの記録
https://kuronuri-movie.com/

前述の記事は問いかけます。

収容者たちから得たテロ情報はどれだけアメリカを平和にしたのでしょう。

スラヒ本人に残る深い心の傷もさることながら、彼と同じ時期に収容所にいた容疑者に馳せる思いはいかがなものか。

ニュース記事の最後にショッキングなことが語られていますので紹介しておきましょう。

それは、「元収容所の拘留者が今、アフガニスタンの新タリバン政権に入閣。」

そして、忌まわしき「グアンタナモ」は「イスラム過激派組織の対米プロパガンダに使われている」というのです。

映画で語られる内容とともにぜひ見届けて下さい。

日本公開は、2021年10月29日から。

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