イギリス文学界で有名なジェイン・オースティン。
「高慢と偏見」をはじめ、現代でも愛され続けるイギリス文学を生み出してきた女性作家。
ラブコメで有名な『ブリジット・ジョーンズの日記』(01)も「高慢と偏見」が基になっていることで有名です。
彼女が描く女性心を擽らせるラブストーリーは、18世紀からずっと普遍的なものです。
ジェイン・オースティン原作の映画作品を観尽くしてきたと自負している映画ライターanzuの視点で、オータム・デ・ワイルド監督の魅力を徹底解説したいと思います。
(冒頭画像:引用 https://www.facebook.com/emmafilm/)
映画『EMMA エマ』(20):あらすじ
舞台は19世紀のロンドンの小さな村ハイベリー。
裕福な家庭で育ち、美しく聡明なエマ・ウッドハウスは母が亡くなり姉が結婚して家を出て以来、父と2人で暮らしていました。
恋愛の橋渡しに成功した経験があったエマは、年下の友人であるハリエット・スミスにも男性を紹介しますが計画は失敗に終わります。
友人のナイトリーには、お節介を辞めるようにと忠告される始末・・・
環境や容姿にも恵まれて育ったエマは、失敗を重ねて自らの欠点を認識することに。
成長を描きつつ、エマ自身も素敵な相手を見つけるという恋物語です。
原作者ジェイン・オースティンの魅力
anzuは、大学ではフランス文学を専攻していましたが、違う学部である英文のイギリス文学の授業も受講していました。
その理由は、高校生の頃に読んだジェイン・オースティン原作の「高慢と偏見」に胸をときめかせていたからです。
ジェイン・オースティンの作品は、映画化されている作品数を見てもどれだけ愛されている小説かが分かると思います。
18世紀後半、ロマン派の時代を代表する彼女は、ユーモアに溢れた文才と心理描写を巧みに描いていることで人々の心を掴みました。
長編作品は6作品しか残されていませんが、現代小説に大きな影響を与えた人物として今も語り継がれているのです。
(若い頃に短編小説も描いていますが…)
そこには従順な女性とは違って、自立した精神を持つ主人公を描いていることも現代でも愛される理由ではないかと考えています。
マンスフィールド・パーク (以下、ちくま文庫) 分別と多感 説得
小説もオススメしたいのですが、映画ですとアン・ハサウェイとジェームズ・マカヴォイが出演している『ジェイン・オースティン 秘められた恋』(07)がオススメです。
(筆者はDVDを持っているくらい大好きな作品です笑)
ジェイン・オースティンの初恋を描いていて、代表作「高慢と偏見」のストーリーにも通ずるものがあるので、彼女を知るのには最適な作品ではないかと思います。
●ジェイン・オースティン(Jane Austen)
誕生日:1775年12月16日
没:1817年7月18日(41歳)
出身:イギリス イングランド・ハンプシャー
▶おすすめの関連作品
『EMMA エマ』(20)キャスティング、旬な女優ばかり
主演を務めるのは、「アニャ・テイラー=ジョイ」
最近だとエドガーライト監督の『ラストナイト・イン・ソーホー』(21)で、60年代のロンドン・ソーホーで歌手を夢見る魅惑的な女性を演じて注目を集めていました。
他にも、Netflixオリジナルドラマ「クイーンズ・ギャンビット」の主演のイメージも強いのではないかと思います。
(作品としても大変面白いので、Netflixユーザーは観て損はないドラマです。)
王道の美しい女優さんとはまた一味違った、異彩なオーラを放ち、圧倒的な存在感。
アニャ・テイラー=ジョイは、今後も公開を予定している映画がたくさん控えている旬の女優さんです。
●アニャ・テイラー=ジョイ(Anya Taylor-Joy)
誕生日:1996年4月16日生まれ
星座:おひつじ座
身長:169㎝
出身:アメリカ・マイアミ
▶おすすめの代表作品
アニャ・テイラー=ジョイは、『モーガン』『ウィッチ』など、「新絶叫クイーン」の出世作となりました。
年下の友人であるハリエット・スミス役、「ミア・ゴス」
当サイトでもご紹介させていただいたA24『X エックス』主演のミア・ゴス。
作品によって全く違う人物に変化する女優さんです。
今回は、素朴であどけない少女を演じています。
この役柄だけを観るとあまり印象に残らないかもしれませんが、過去作と比較すると彼女の演技の幅に驚かされます。
これからのミア・ゴスの活躍にも目が離せません!
参考記事:魅惑的なミア・ゴス主演の『X エックス』、A24が手掛ける70年代ホラーがアツい!
●ミア・ゴス(Mia Goth)
誕生日:1993年11月30日生まれ
星座:いて座
身長:170cm
出身:イギリス・イングランド
▶おすすめの代表作品
オータム・デ・ワイルド監督について
オータム・デ・ワイルド監督が長編映画を撮ったのは本作が初めてです。
しかし、調べていくとanzuは数年前に彼女の作品に出逢っていたことに気づきました。
それは、プラダのPR動画です。
品の良い色使いにクスッと笑える演出に惚れ込んで、anzu自身のInstagramに投稿しているだけでなく、この動画をきっかけに当時はブランドのPR動画をよく漁って観ていたのを思い出しました。
それから監督のInstagramもフォローしていたこともあり、本作の投稿を観てからずっと日本の公開を待ち焦がれていました。
映画監督になる前から個人的に追っていた存在だったので、本作を初めて映画として鑑賞した時は涙が出るくらい嬉しかったです。
オータム・デ・ワイルド監督の作品は映像だけでなく、写真家と言われるだけあって、一枚の描写だけで心を奪われます。
エマのお屋敷やドレスの淡い色使いが言葉では言い表せないくらい美しい。
唯一無二のセンスで満ちあふれた19世紀イギリスの豪華絢爛な世界をぜひ楽しんで下さい。
まとめ
今回ご紹介した『EMMA エマ』は、今までの映画化されてたジェイン・オースティン作品の中でも、一枚一枚を絵画として眺めていたくなるような映像で収められていることに感動しました。
原作のまま引用した美しい台詞の数々に加え、緑豊かなイギリスの情景や可憐な衣装に惚れ惚れします。
今までに『プライドと偏見』(05)はもちろん、BBCのドラマ作品や過去の『Emma』(96)なども観てきましたが、その中でも圧倒的に本作の監督のセンスが一番好きだったのでお勧めさせていただきました。
是非ジェイン・オースティンの美しい台詞と監督の色使いやセンスに酔いしれてください。
《ライター紹介:anzu》
大学生時代にフランス文学を専攻していたこともあり、ヨーロッパ映画に惹かれる傾向にあります。
映像や台詞、音楽のときめき、ホラーやサスペンスのような怖さの驚き等、ドキドキする作品がたまらなく好きです。
今まで観てきた映画の数は1400本を越え、今も更新中です。
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