感動映画の「あるある」で、ラストシーンとともに流れるエンディング曲に聞き入ってしまい、いつまでも席を立てないという経験がありませんか?
また、その曲をどこかで聞くとあの時の映画の感動が再び蘇ってくることも。
映画と音楽は切り離せない関係です。
特にエンディングを飾るにふさわしいベスト・ソングは心に沁み渡ります。
今記事では、そんな感動映画のエンディング曲を集めてみました。
(テーマの性格から記事中、映画のネタバレ箇所もありますがご容赦下さい。)
(冒頭画像:引用https://www.facebook.com/BohemianRhapsodyJP)
《感動映画のエンディング曲 目次》
1.Over The Rainbow
『ジュディ 虹の彼方に』、「オーバー・ザ・レインボー」
『ジュディ 虹の彼方に』は、1940〜50年代のハリウッド映画で一世風靡した女優・歌手の「ジュディ・ガーランド」の物語です。
サブタイトルになった「虹の彼方に(Over The Rainbow)」は、ジュディの初主演となった『オズの魔法使い』で彼女が歌った主題歌です。
紹介した動画は、当時の本人が歌っているもので、どこかで聞いた記憶がある人もいるのではないでしょうか。
デビュー当時の可愛らしいジュディ・ガーランドは、この映画がきっかけとなり一気に時代の寵児になります。
しかし、彼女の人生は子供の頃の純粋さや、映画で見る愛苦しさとは別に混とんとした生活と顔があったのです。
映画『ジュディ 虹の彼方に』は、そんな彼女の隠された過去が主演レネー・ゼルウィガーによって明らかにされていきます。
彼女はこの映画で、見事、アカデミー賞主演女優賞に輝きました。
●レネー・ゼルウィガー(Renée Zellweger)
誕生日:1969年4月25日
身長:163㎝
出身:アメリカ・テキサス
▶おすすめの代表作品
ジュディーの度重なる離婚や結婚の経緯、子どもたちへの一方通行の愛情、知らず知らず深みにはまっていく薬物依存症など、見るに耐えかねる過去が映画の中で明かされていきます。
彼女が死んだのは、なんど享年47歳。
若すぎる彼女の死は、一体、どこから始まったのでしょう。
ボロボロになりながらもステージで歌い出したのが、あまりにも奇麗すぎる名曲「虹の彼方に」でした。
メロディが流れた時、ジュディがどんな気持ちで歌詞をなぞっていくのか偲んでみてはいかがでしょうか。
2.Memory
『キャッツ』、ジェニファー・ハドソン「メモリー」
こちらも名曲です。
ミュージカル『キャッツ』といえば、この代表曲「メモリー」が数多くの歌手によってカバーされています。
映画化された『キャッツ』のエンディングで歌うのは、ジェニファー・ハドソンです。
●ジェニファー・ハドソン(Jennifer Hudson)
誕生日:1981年9月12日
身長:175㎝
出身:アメリカ・イリノイ
▶おすすめの代表作品
映画の中では、もちろん「ネコ姿」で登場します。
彼女の役は、年老いた雌ネコ「グリザベラ」。
かつて雄ネコたちからモテモテだった昔の栄光はすでになく、今は、みんなの嫌われ者。
月夜の舞踏会「ジェリクル・ボール」を懐かしみ、彷徨うような存在でした。
そんなグリザベラに優しく声を掛けてあげたのは、ステ猫の白猫ヴィクトリア(フランチェスカ・ヘイワード)。
ヴィクトリアの優しさに次第に心を開いていくグリザベラがだんだん愛おしくなります。
Memory (From The Motion Picture Soundtrack “Cats”)
舞踏会に集まったたくさんのネコ「ジェリクルキャッツ」たち。
このイベントの目的は、自分たちの中から、唯一、天上に召されるネコを選ぼうとしています。
長老ネコのオールド・デュトロノミー(ジュディ・デンチ)から指名されたのは、なんとグリザベラでした。
突然の指名に感激、切々と歌いあげるのがこの歌です。
♪月の光の中で、過ぎ去った日々の「思い出」
私は美しかった、私は覚えている、幸せの意味を、思い出よ甦れ…(筆者意訳)
作品詳細:映画化『キャッツ』の魅力、悪ネコ役テイラー・スウィフトを見逃すな!
3.Hey Jude
『イエスタデイ』、感極まるビートルズ曲がイッパイ!
こちらは、全編通じて「ビートルズ」一色で、オープニングはタイトルとなった「イエスタデイ」からです。
といっても、残念ながらビートルズは出てきません。
そもそも、映画の構成(ネタ)が「もしビートルズを誰も知らなかったら」というちょっと変わった設定で始まります。
ビートルズが大好きな主人公ジャック(ヒメーシュ・パテル)は田舎の売れないミュージシャン。
●ヒメーシュ・パテル(Himesh Patel)
誕生日:日 1990年10月13日生まれ
星座:てんびん座
身長:180㎝
出身:イギリス
▶おすすめの代表作品
密かにジャックのことが好きなマネージャー、エリー(リリー・ジェームズ)になんとか支えてもらっていました。
ところが、ある時交通事故にあってからというもの、なんだか変わってしまったのです。
マネージャーや友達から退院祝いにもらったギターで試しに「イエスタデイ」をポロポロン♪と演奏した途端、全員が驚くことに!
●リリー・ジェームズ(Lily James)
誕生日:1989年4月5日
身長:170㎝
出身:イギリス
▶おすすめの代表作品
「ジャック!いつの間にこんな素晴らしい楽曲を作れるようになったんだ!」
そこから、ジャックはビートルズ・ナンバーを歌うたびに注目され、一挙に世界的ミュージシャンに上り詰めます。
と、同時に有頂天になったジャックは、エリーのこともいつしか忘れがちに。
エリーから決別宣告をされ、はじめてエリーが好きだったことに気付くジャック…
さあ、ここから始まるエリー奪還作戦!
友達たちが仕組んでくれたコンサート会場で、ジャックは驚きの方法でプロポーズを始めます!
リリー・ジェームズの好演も素晴らしく、もちろん、盛り上げる楽曲はビートルズ・ナンバーのオンパレード。
ラストの余韻に浸りながら、エンドロールで名曲中の名曲「ヘイ・ジュード」(Hey Jude)を流されたら涙腺崩壊!
しみじみ、「ビートルズってやっぱり、いいなぁ…」というわけでなかなか帰れません。
4.Don’t Let the Old Man In
『運び屋』、トビー・キースの歌が切ない!
今作『運び屋』は実話映画で、クリント・イーストウッドが演じた「アール」は本人と同じ80歳代です。
知人に頼まれる形でアールが運んだのは、なんと麻薬でした。
好きな園芸の仕事が破綻し、「配達するだけ」という気安さもあって引き受けたのが最初でした。
作品詳細:クリント・イーストウッド監督『運び屋』、トビー・キースの曲が切ない!
運んでいるものが麻薬と知るのはしばらくしてからです。
多少の小遣いにでもなればと思っていたのが、報酬が想像以上にあって驚くアール。
もともと年齢以上に粋な老人で付き合いの広い彼は、もらったお金を気ままに散財していきます。
この仕事がすっかり気に入り、危ういときも咄嗟の知恵を働かせ巧みにすり抜けていくのでした。
●クリント・イーストウッド(Clint Eastwood)
誕生日:1930年5月31日
身長:193㎝
出身:アメリカ・カリフォルニア
▶おすすめの代表監督作品
しかし、物事はそうそううまく行きません。
DEA(麻薬取締局)の捜査線上に上がってきたこと、長らく続く妻や家族との不和、麻薬組織から監視され出したこと。
そして、アールがいつもより大量の麻薬を配送中に妻が危篤だという連絡が入り、これが転機になります。
荷物を積んだまま妻の元へ駆けつけたことから一気に事件として発覚。
捜査官の一番の驚きは、まさか80代の老人が「運び屋」だったとは…。
エンディングでは、妻に先立たれた老人の侘しすぎる顛末がクローズアップされていきます。
流れる曲は、トビー・キースのオリジナル曲「Don’t Let the Old Man In」。
「老いを受け入れるな。もう少し生きたいのなら…」と、まるで主人公とクリント・イーストウッドを被らせて歌っているようです。
5.Unfinished Song
『アンコール!!』、歌姫セリーヌ・ディオン
こちらの映画『アンコール!!』の原題は「Unfinished Song」(終わらない歌)で、実はセリーヌ・ディオンの同名ナンバーです。
映画の主題歌がタイトルとなっています。
映画の主人公は、テレンス・スタンプ演じる、アーサーという72歳の男。
武骨で無口で、頑固者オヤジの典型のような人間が心を開いていくというストーリーです。
彼の妻マリオン(ヴァネッサ・レッドグレイヴ)は歌が好きで、同年代の人たちと一緒に合唱団に入っていました。
音楽教師エリザベス(ジェマ・アータートン)のもと、コンクールでの入賞を目指して練習に余念がありません。
しかし、そのささやかな夢を実現しないままマリオンはガンで亡くなってしまいます。
最愛の妻を亡くした傷心のアーサーを励ますべく、合唱団の連中や家族は彼に入団を進めます。
しかし、堅物の彼は一切、耳を貸そうとしません。
音楽教師エリザベス(ジェマ・アータートン)は根気よくアーサーを説得しますが、彼の心が動いたのは「マリオンの夢を叶えて!」でした。
歌なんか歌ったことのないないアーサーが、やっと口ずさみ始めます。
家族や親しい友人たちが応援する合唱団の発表会。
歌い終わった彼に割れんばかりの拍手とスタンディングオベーション!
静かに流れだすセリーヌ・ディオンの声は、アーサーだけでなく今を生きていく人たちへの「Unfinished Song」でした。
So you’re thinking it’s ending
But it’s only just begun「もう終わりだと思ってるかもしれないけど、始まりにすぎないのよ。」と。
6.I’ll Never Love Again
『アリー/ スター誕生』、レディ・ガガのエンディング曲
『アリー/ スター誕生』は、これまで『スター誕生』として何度もリメイクされてきた映画のひとつです。
その都度、時代を反映したキャスティングが話題となります。
今作は、貧しい時代からスターに駆け上るヒロイン役「アリー」に現代の歌姫レディー・ガガ。
そして、ヒロインの出世とは反対に落ちぶれていく大スター役ジャクソンをブラッドリー・クーパーが演じます。
『スター誕生』の面白いところは、かつてヒロイン役を演じたジュディ・ガーランド(1954年作品)も、バーブラ・ストライサンド(1976年作品)も、自らの若い頃の苦労を被らせて演じたこと。
レディー・ガガも然りで、学生時代にいじめにあったことなど重なって演じたと語っています。
参考記事:「レディー・ガガも闘った──『スター誕生』主演の歌姫3人」(ニューズウィーク記事)
映画はミュージカル仕立てで、アーティストであるレディー・ガガのオリジナルナンバーが随所で聞かれます。
なにより感動的なのは、劇中で二人が出会った時を象徴する楽曲「Shallow」。
デュエットで歌う二人は、すでに「浅瀬」を遠く離れて次第に深みにはまっていくのを暗示しているようです。
アリーが周囲からもてはやされるにつれ、ジャックの酒量は次第に増え修復しがたいすれ違いが始まり出します。
壊れていくジャックは見ていられません。
悲惨な結末を迎えていく中で、アリーが切々と歌い上げるエンディング曲が「I’ll Never Love Again」。
涙を流しながら歌うアリーと、万感の思いを込めているであろうレディー・ガガが見えてくるようです。
I’ll Never Love Again (Extended Version)
7.Don’t Stop Me Now
『ボヘミアン・ラプソディ』、最高に盛り上がったあの曲!
さて、感動のエンディング曲も最後になりました。
世界的大ヒットとなった有名な『ボヘミアン・ラプソディ』からの紹介です。
映画の内容は、伝説の実在ロック・バンド「クイーン」のリードボーカル、フレディ・マーキュリーの半生が描かれています。
45歳というあまりにも若すぎる彼の死が、ファンに与えた影響は計り知れず死後30年経った今でも語り継がれる存在です。
フレディ・マーキュリー演じたのは、ラミ・マレックです。
エネルギッシュで、特徴的なフレディのステージをよく捉え映画を観る人をなんの違和感なく「クイーン」の世界に連れて行ってくれました。
さあ、映画のエンディングは20億人もの人間が視聴したと言われている「Live aid 1985」でのステージ。
(トップ画像:https://www.facebook.com/BohemianRhapsodyJP)
フィナーレ曲は、「We Are The Champions(伝説のチャンピオン)」でした。
(この時の実際の映像と比べると細部に渡って再現されています。)
観客との大合唱で最高に盛りあがった直後、静寂はゆっくり訪れます。
HIV感染による数年後の彼の死を思わざるを得ません。
そして、エンドロールとともに流れだすのはフレディ・マーキュリーの実像です。
静かに始まる「Don’t Stop Me Now」を聞きながら、彼がすでに亡くなったことを実感するのです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
音楽と映画、この素敵な関係を楽しんで下さい。
もちろんこれら7作以外にも、もっと素敵なエンディング曲がいっぱいあります。
またの機会に紹介していきましょう。
《まとめ 感動映画のエンディング曲》
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