映画『バーナデット ママは行方不明』ケイト・ブランシェット主演、人嫌いの建築家を演じる!

バーナデット
『バーナデット ママは行方不明』主演:ケイト・ブランシェット

今回は2023年9月22日日本公開映画、『バーナデット ママは行方不明』をご紹介します!

アメリカ人作家マリア・センプルによる小説『where’d you go bernadette』(「バーナデットをさがせ!」)を原作。

気難しいアーティスト気質の主人公バーナデットを『TAR』で圧巻の演技力を披露したケイト・ブランシェットが演じています。

そして監督は『6才のボクが、大人になるまで。』リチャード・リンクレイターという、名女優×名監督のタッグにより誕生した注目作品です。

バーナデット
引用:https://twitter.com/longride_movie/(冒頭画像共)

『バーナデット ママは行方不明』:あらすじ

バーナデット ママは行方不明
https://twitter.com/longride_movie/

かつて天才建築家として活躍したバーナデット(ケイト・ブランシェット)は、現在は主婦として夫のエルジー(ビリー・クラダップ)、娘のビー(エマ・ネルソン)とシアトルに暮らしている。

人間関係で苦労しがちなバーナデットは日に日に息詰まりを感じていき、ついに家出を決行。

彼女の向かった先はなんと南極?!

ひょんなことから始まったバーナデットの家出だが、エルジーやビーにとっても思わぬ気づきを与えるものとなっていく…

『TAR/ター』に次ぐ、ケイト・ブランシェットの熱演

バーナデッド
https://twitter.com/longride_movie/

主人公バーナデットは根っからの芸術家肌で、ママ友たちとのご近所づきあいはうまくできないし、精神的な不安から不眠症に。

不眠からまた不安が生まれ…という負のループにはまってしまったり、わかりやすく言ってしまいえばいわゆる「社会不適合者」なキャラクターです。

しかし建築に関してのセンスは抜群で、第一線を退いたあとでも彼女を慕う者は少なくありません。

そんな感じなので、結構見る側としては共感しにくいところがあるんですが、映画を通して彼女を追っていくと、だんだん身近に感じるようになっていきます。

そこは、ケイト・ブランシェットのすごいところだと思います。

(同じく2023年公開の『トゥ・レスリー』も難しい役どころの主人公(レスリーアンドレア・ライズボロー)を演技力で魅せるという作品でした。)

参考記事:感動作『To Leslie トゥ・レスリー』を考察、驚異のレビュー高評価「再起の価値」とは?

本作も同様に、繊細なバーナデットというキャラクターにケイト・ブランシェットが見事に息を吹き込んでおり、ケイトは本作で自身10度目となるゴールデングローブ賞ノミネートを果たしました。

特にバーナデットが話しているときの間の取り方や、娘の前でしか見せないであろうあどけない表情など、素晴らしいの一言に尽きます。

《原作者紹介》【管理人・選】

●マリア・センブル(Maria Semple)

誕生日:1964年5月21日生まれ

出身:アメリカ・カリフォルニア州

▶原作タイトル:「バーナデットをさがせ!」

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【Amazonブックス】

幼少期は、両親と共にヨーロッパを旅して回り、のちにロサンゼルスで暮らす。父親が脚本家として名をなすと、一家はコロラド州アスペンへ移住。(中略)15年にわたってロサンゼルスでテレビ脚本家を務め、数々のヒット作を手がける。現在はシアトル在住。【引用:Amazon】

「時間」をテーマ、リチャード・リンクレイター監督節!

バーナデット
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リチャード・リンクレイター監督といえば、『ビフォア』三部作や『エブリバディ・ウォンツ・サム!! 世界はボクらの手の中に』等、「時間」をテーマにした作品が多い印象。

本作はどうだったのかというと、前述の作品ほどとまではいかなくとも、やはり「バーナデットが建築家としてキャリアを築いていた時間」「バーナデットが南極へ旅するまでの時間」という時間を意識させるつくりにはなっていたように思います。

特に「建築家の時間」については映画内映画のようなビデオクリップによって丁寧に描かれており、バーナデットの人生にとって建築やアートが欠かせないものというのがよく伝わってきます。

本作は主演女優のケイトとリンクレイター監督が原作に惚れこんで製作が決まったとのこと。

監督は本作を通して、バーナデットにまとわりつく「世界に馴染めない人」というレッテルを剥がす代わりに「才能に満ちた魅力的な人物」として描いており、原作そしてバーナデットへのリスペクトがあるのがわかります。

「傷つき易いままオトナになったっていいじゃないか」

バーナデット
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宇多田ヒカルさんの名曲『タイム・リミット』の歌詞に、

「傷つき易いままオトナになったっていいじゃないか 

タイム・リミットの無いがんばりなんて続かないよ」

というフレーズがあります。

『バーナデット ママは行方不明』の言わんとすることはつまりそういうことだと私は勝手に受け取りました。

南極にたどり着いたバーナデットは本作終盤で新たなスタートを切ることになるんですが、自分の繊細さや扱いにくいところを丸ごと引き受けて、タイムリミットを課したプランに沿って一歩を踏み出します。

ずっとこわばっていたバーナデットの表情が笑顔にほころぶラストシーンは心にじんときます。

気になりましたら鑑賞してみてください。

●ケイト・ブランシェット(Cate Blanchett)

誕生日:1969年5月14日生まれ

星座:おうし座

身長:174㎝

出身:オーストラリア

▶ケイト・ブランシェットの出演映画一覧

▶おすすめの代表作品(管理人・選)

TAR ター(作品情報)

キャロル(作品情報) (楽天)

※パトリシア・ハイスミス原作。セリフより、主演二人の表情が物語を進めていきます。

まとめ

本作の主人公バーナデットですが、お洒落で人嫌いで気高さがあって、ちょっと※『異国日記』の高代槙生がある気がします。

こちらが好きな人は『バーナデット』も好きかも。

《ライター:すどうゆき》 担当記事一覧はこちらへ→

●洋画好きのすどうです。英語が飛び交う環境で働くペーペー社会人。

映画鑑賞で英語上達を画策中。

違国日記(1) 

※少女小説家の高代槙生(こうだいまきお)(35)は姉夫婦の葬式で遺児の・朝(あさ)(15)が親戚間をたらい回しにされているのを見過ごせず、勢いで引き取ることにした。しかし姪を連れ帰ったものの、翌日には我に返り、持ち前の人見知りが発動。槙生は、誰かと暮らすのには不向きな自分の性格を忘れていた……。【引用:Amazon】

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一市民としてゆるふわに映画鑑賞しています。専門用語や知識に偏らず、たくさんの方に馴染みやすい、息の長い記事を書きたいと思っています。 ご依頼などありましたらこちらまでどうぞ。 s9.aqt.xxx@gmail.com

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