マーティン・スコセッシ監督『アイリッシュマン』、アカデミー賞対抗馬10部門で!

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第92回アカデミー賞のノミネート作品が発表されていますが、話題はやはり各部門の本命や対抗馬について。

ちなみに、ノミネート部門数の多いのは、1位『ジョーカー』(11部門)、2位は同数で『アイリッシュマン』『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』『1917 命をかけた伝令』(10部門)でした。

前回の「洋画のレタス炒め」では、各部門において本命の呼び声が高い『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』を取り上げました。

今回は、「対抗馬」ともいうべき『アイリッシュマン』を取り上げてみたいと思います。

参考:「『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』、大本命!アカデミー賞10部門でノミネート」

参考:1969年!『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』シャロン・テートの追悼映画かも?

 

作品賞なるか、監督賞はマーティン・スコセッシ監督?

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https://www.facebook.com/TheIrishmanFilm/ 左(主演):ロバート・デ・ニーロ 右:マーティン・スコセッシ監督

『アイリッシュマン』が、ノミネートされている部門は以下の10部門です。

作品賞、監督賞、助演男優賞(2人)、脚色賞、衣装デザイン賞、視覚効果賞、撮影賞、編集賞、美術賞。

ノミネート部門数が上位の4作品に共通しているのは、主要部門の作品賞と監督賞でのノミネートです。

作品として『アイリッシュマン』が取り上げた題材は、実在したアイルランド系アメリカ人(=アイリッシュマン)「フランク・シーラン」(ロバート・デ・ニーロ)の半生です。

といっても、あまり馴染みのない名前ですよね。

時代は1950年~80年代、マフィアが暗躍するアメリカの闇社会で生きた「ヒットマン=殺し請負人」の物語です。

ちょっと血なまぐさい場面が出てきますが、時代がそうさせたのか、救いようのない犯罪人の生きざまはなぜか胸を打ちます。

監督が、「マフィア映画」といえば、「あの」と代名詞のつくマーティン・スコセッシ氏。

盟友ロバート・デ・ニーロとともに、数々の名作で受賞歴!

マーティン・スコセッシ監督の代表作は、『グッドフェローズ』(1990年)や、『カジノ』(1995年)などが有名ですね。

この2作品の主演は、いずれもロバート・デ・ニーロがつとめています。

カジノ [ ロバート・デ・ニーロ ]

感想(3件)

グッドフェローズ [ ロバート・デ・ニーロ ]

感想(4件)


ロバート・デ・ニーロのしびれる演技力は、彼自身がマフィア世界で生きてきたかのような凄味を感じさせファンにはたまりません。

今回の『アイリッシュマン』も、久々の強力二人タッグで、素晴らしい作品に仕上がっています。

本当は、ロバート・デ・ニーロも主演男優賞への期待があったのですが、ちょっと及ばずでした。

その分、マーティン・スコセッシ監督には、ぜひ賞獲得を実現してもらいたいものです。

それだけ魅力ある映画ですが、さらに助演の二人がすごかった…。

闇社会の実在人物を演じた2人、助演男優賞にノミネート!

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(記事内画像:https://www.facebook.com/TheIrishmanFilm/)

今回のノミネート発表で他作品にない特徴は、主演に勝るとも劣らない名優二人が、助演男優賞にノミネートされていることです

一人は、主人公フランク・シーランをマフィア世界にリクルートした、ラッセル・ブファリーノ役で、ジョー・ペシ

口調が静かすぎて、怖さが一層増すといったキャラクターを演じるジョー・ペシの演技には引き込まれます。

もう一人は、裏社会のラッセルと組み、当時の政財界を陰で操ったとされるジミー・ホッファ役で、アル・パチーノ

ジミーは押しの強い実業界大物で、政財界へのコネクションをテコにのし上がっていった人物。

存在感のあるアル・パチーノのキャラクターにピッタリです。

映画は、実在したこの3人の激しい思惑が絡み合いながら展開、なかなかの見ごたえ!

予告編を紹介しておきましょう。

映画を支えた、視覚効果賞ノミネートについての秘話

もうひとつ、『アイリッシュマン』がノミネートされた部門で特徴的なのが「視覚効果賞」

CGなど撮影上の特殊効果を使い、現実を超えた映像の実現をしたテクニックに対して選ばれるものです。

さて、アイリッシュマンのどこが視覚効果撮影を使っているのか、マーティン・スコセッシ監督自らが語る紹介ビデオがあります。

実は、前段より述べてきた主演ロバート・デ・ニーロ、助演のアル・パチーノ、そしてジョー・ペシの実際の年齢は、みんな70歳台後半です。

もちろん、この映画で実年齢で通用する場面はいくらでもありました。

しかし、たとえばフランク・シーランの30歳代、40歳代を演じるとなると今のロバート・デ・ニーロではなかなか厳しいものがあります。

そこを、マーティン・スコセッシ監督は代役を使わず「特殊効果」を使い、すべて本人で押し通したと語っています。

実際、映画の中では違和感なく半世紀近い人間の物語を見ることができました。

この素晴らしい醍醐味は特殊効果あってのものといえるのではないでしょうか。

本当のテーマ、悪人なおもて往生す?

さて、この映画の究極のテーマは何でしょう?

題材がマフィアで、まして容赦なく人を殺してきた残忍非道な悪人の話。

しかし、あれだけの家族愛や恩義に固い生き方を見せられると、映画を見終わった後、「悪人なおもて往生す」といいたくなります。

単なる任侠だけのヤクザ映画ではない、「どうしようもなかった人間」への愛情がいつもマーティン・スコセッシ監督のテーマとはいうものの、なんともホットする結末の背景にはいったい何があるのでしょう。

「やっと死んでくれてありがとう」、とでも言いたくなるような奥深い不思議な映画です。

どの部門もオンリーワンとして、最後まで残ってほしい気持ちがやみません。



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