
邦画タイトル『ゲティ家の身代金』からは、映画のイメージがちょっと湧かないかもしれませんね。
原題は、『All the Money in the World』。世界中の金をかっさらった「あり余るカネ」とでもいうのでしょうか。
実在した世界一の大富豪「ジャン・ポール・ゲティ」がモデルで、孫が誘拐された実際の事件がベースになった映画です。
普通、可愛い孫が誘拐されるとまずは驚き悲しみ、身代金の要求には警察に相談しながらも誘拐犯との交渉テーブルにつくもの。
しかし、このゲティ家の当主は違っていたのです!
要求された身代金、なんと1700万ドル!
大富豪のゲティ(クリストファー・プラマー)の孫ポールが誘拐され、ポールの母親アビゲイル(ミシェル・ウイリアムズ)は
大きなショックを受けます。
誘拐犯の要求は、身代金として1700万ドル(当時で約50億円)!
アビゲイルはとてつもない金額に、絶対に無理だと突っぱねますが、誘拐犯は義父のゲティに頼めと足元を見られます。
藁をもすがる気持ちで義父のゲティに相談するアビゲイル。
しかし、ゲティが出した答えは断固とした「ノー!」だったのです。
うろたえる母親の相談も意に介さず!
(引用:https://www.facebook.com/gettyransom.jp/)
元CIAのアドバイザーを交渉の窓口に
どんな誘拐でも、気になるのは誘拐された身内の人間の安否。
身代金を払うべきかどうか、交渉はどうすすめればいいのか、当然ですが非常に難しい判断が求められます。
しかし、ゲティはもともと当代きってのケチだったこともあり、アビゲイルの相談もまったく意に介さず。
と、思いきやその裏で、ゲティは雇っている元CIAのアドバイザーのチェイス(マーク・ウォールバーグ)に、
犯人と折衝させていたのです。
大富豪の興味の対象は株と骨とう品!
犯人と交渉にあたるチェイスは、ポールの状態を尋ねながら金額交渉をしようとしますが、
犯人は一切応じません。
シビレを切らしながらチェイスは、この際、身代金を支払ってはどうかとゲティに進言。
しかし、ゲティは聞く耳を持ちません。彼の興味は骨とう品の売買や株の値動きのみでした。
イラ立つチェイスは、「お金はすでにたっぷりあるからいいではないか!」と詰め寄りますが、
ゲティの答えは「モア」。
まだまだだ!というのです。
お金の工面に走る母親の驚きとは?
一方、あせるのは母親のゲイル。一切相談に乗ってくれないポールの祖父に苛立ちを隠せません。
そんな時、ゲイルがふと思い出したのは、ポールが小さい頃ゲティから大切にしろよと言ってもらった、
古代の埋蔵品だという人形。
アビゲイルは、この骨とう品を売って身代金を工面しようと古美術商を当たることにしたのです。
しかし、わかったのはゲティがケチだったということだけ。
つまり、人形は何の価値もないただのガラクタだったのです。
送られてきた体の一部!そしてクライマックスへ
(最後のネタバレなし)
そんな中、一向に要求に応じようとしないゲティ家にシビレを切らした誘拐犯はついに強硬策に出ます。
ある日、新聞社に送られてきたのは切除された生身の耳とポールの横顔の写真。
さらに、要求に応じない場合は次は目玉を送るという脅しまで添えられていました。
これには、アビゲイルもチェイスも万事休すとばかりに行動に出ます。
ゲティの意向をまったく無視し、身代金を支払うことに決めたとマスコミを通じて公表したのです…。
kazemichiの感想とおすすめ度
耳の切除はちょっとキツイが、あとは早い展開に十分楽しめる映画です。
なんと言ってもカネの力はすごい度 ★★★★★
クリストファー・プラマーのベテラン度 ★★★★★
やっぱりミシェル・ウイリアムズ! ★★★★★
ストーリーの展開の早さと娯楽度 ★★★★★
マーク・ウォールバーグの目立ち度 ★★★☆☆
鑑賞後、大金持ちの孫になりたい ☆☆☆☆☆