
不思議なもので、「泣ける映画」はずっと記憶に残っています。
映画ファンならではの満足感で、泣いた後はなぜか優しい気持ちになれます。
泣ける映画が映画セラピーと言われ、セラピー効果があるのもわかるような気がします。
今回はそんな「泣ける映画」の特集で、サイト内の紹介作品50本と、検索人気ランキングで選んだ3本を紹介したいと思います。
(残念ながら、「泣ける」に至る最後のネタバレは伏せていますのでご了承下さい。)
(冒頭画像:引用https://www.facebook.com/Yesterday/)
泣ける映画、ランダムに50本を紹介!

泣ける映画【洋画編】で検索すると、かならず出てくるのがこちら『ショーシャンクの空に』ですよね。
今作で思い切り泣いた人もたくさんいるのではないでしょうか?
もちろん、泣ける映画はこれだけではありません。
最初に、当サイトが選んだ「泣ける映画50本」を一気に案内しておきましょう。
思い出のシーン、ポスターなど画像中心にご覧ください。
3位:『イエスタデイ』、やっぱり泣かせるビートルズ!

まず3位は、わかりやすいストーリーとあのビートルズの楽曲に乗せて高揚した気分にさせてくれる作品です。
頬を伝う涙が暖かいのがよくわかる映画『イエスタデイ』です。
もちろんタイトルはビートルズの人気曲「イエスタデイ」に由来し、映画全体を通してビートルズの有名な楽曲がいくつも出てきます。
映画の切り口がとってもユニークで、世界中の人たちが「ビートルズって何、誰?」と言ったらどうなるの?から出発します。
いわば、「ビートルズ愛」を逆手にとったユニークな作品です。
意外や意外、笑わせ楽しませ、そして最後は感涙に泣かせてくれる映画に仕上がっています。
あらすじ:売れないミュージシャン、ある日突然!

ある日、地球に異常現象が突如発生し、売れないミュージシャンの主人公ジャック(ヒメーシュ・パテル)は事故に会います。
異常現象はすぐに回復し、ジャックも無事退院するのですが、その間ジャックの周辺には不思議な現象が残ってしまったのです。
それは、マネージャーのエリー(リリー・ジェームズ)たちがジャックに退院祝いとして贈ったギターで、ジャックが「イエスタデイ」を弾いた時から始まります。
友達たちは唖然となったのです!
「ウワッ!その曲、なんて曲?」「いつそんな素晴らしい曲を作ったの?」
「え?ビートルズのイエスタデイだよ!なんで知らないの?」と、驚くジャック。
これが本作の始まりで、そこには世界中の人たちがビートルズを全く知らない世界に代わっていたのです…。
「にわか天才音楽家」、ジャックの快進撃!?

とにかく、世界が変わったのは確かで、ビートルズを知っているのはジャック自身だけという世界になってしまったようです。
さあ、ここから「にわか天才音楽家」ジャックの快進撃が始まります。
ビートルズを知らない世間は、ジャックの素晴らしい才能と勘違い。
売れないミュージシャンは、ビートルズの曲を自分だけが知っている持ち歌とし、あっという間に世界のアーティストになってしまうのです。

最初は遠慮気味にビートルズを演奏していたジャックですが、次第に有頂天に…!
一方、突然売れっ子になったジャックに、学校の教師を兼務しながらもマネージャーをするエリーは大忙し!
ジャックを支えるため、超多忙な毎日を過ごします。
ただ、どんどんメジャーになって自分から遠ざかるジャックを感じ出しているエリーがいました。
最高のステージに上がった時、聞かせた曲は?

エリーはきっとジャックのことが大好きに違いない、でもそこには一向に気付かないジャックがいます。
ジャックを遠くから応援しつつ、メジャーになり過ぎたジャックから次第に身を引こうとするエリーの切ない気持ちが伝わってきます。
そして、ジャックの歌うビートルズ曲の歌詞がエリーの心情とオーバーラップします。
忙殺される毎日を過ごすジャックですが、はたしてエリーの愛情に気付くのでしょうか?
【少しネタバレあり】
もどかしかったジャックが、最高のステージに上がった時、たくさんの観衆の前で自分の気持ちをエリーに伝えようとしたその方法に一気に涙腺が崩壊します。
もちろん、ビートルズの曲に自らの気持ちを乗せて歌い上げたのです!
第2位:『ジョジョ・ラビット』、無情を超える愛に感激!

第2位は、随所にちりばめられた戦争の無常を明るく包み、「未来はきっと明るいはず!」と言ってくれる作品『ジョジョ・ラビット』です。
時代背景が、第二次世界大戦末期のナチスドイツの悪政と人種差別なので、本当なら暗くならざるを得ない映画。
しかし、コミカルに編集された本作はジメジメ感は一切ありません。
むしろ、メインキャストで登場する子供たちが素晴らしく、彼らの目を通し未来への希望に心が安堵する映画となっています。
大人の戦争の犠牲者にならず生き抜いた彼らに、ハッとなって涙がこぼれてしまう、そんな優しい映画です。
あらすじ:ヒトラー・ユーゲントに入隊した10歳の子供
映画の主人公は、「ジョジョ・ラビット」というあだ名をつけられた10歳の子供ジョジョ・ベッツラー(ローマン・グリフィン・デイヴィス)。
大戦末期のナチスドイツは、ヒトラー・ユーゲントという若年層の兵士予備軍まで組織化します。
ジョジョは10歳の男の子で、ドイツの敗戦など疑うはずもなく入隊することで国防の一端を担っていると思い込んでいたのです。
ある日ジョジョは、訓練の一環として指導官からウサギを絞め殺せと迫られます。
しかし、そんなことできるはずのない10歳のジョジョは、その場から逃げ出してしまいます。
その臆病さに、指導官たちがつけたあだ名が「ジョジョ・ラビット」でした…。
二人暮らしの母親が、ジョジョに隠していた秘密

手りゅう弾の扱いに失敗し顔に大けがを負いながらも、一生懸命「ハイル・ヒトラー!」を練習する健気なジョジョ。
そんな彼には、いつも優しく見守ってくれる母親ロージー(スカーレット・ヨハンソン)がいました。
ロージーは、子供ながら日に日に戦争に洗脳されていくジョジョが心配でなりません。
出兵中の父親の分まで厳しくも温かくジョジョを見守ります。
しかし、ロージーには驚くべく秘密がありました。
なんと2階の隠し部屋に、ユダヤ人の少女エルサ(トーマシン・マッケンジー)を 匿っていたのです。
相談相手は、総統アドルフ・ヒトラーの幻⁈

ロージーが留守中に偶然見つけてしまい、ジョジョは驚くばかり。
ユダヤ人を匿っていることがバレると、本人も家族もどうなるかジョジョは十分理解していました。
何より、一番避けたかったのは大好きな母親が死刑になること。
幼い彼が相談できる者が一人いました。
それはナチスに傾倒するあまり、ジョジョだけの空想上の友達アドルフ・ヒトラー総統(タイカ・ワイティティ=兼監督)だったのです。
しかし、幻とはいえヒトラー総統の答えは決まっていました。
悲しすぎる結末を乗り越え、エンディングに感涙!

ジョジョは、毎日落ち着かな日々が続きます。
その一方で、ジョジョは怯えている少女エルサに恐る恐る接近していきます。
ジョジョの興味は、はじめて接するユダヤ人が自分の考えていたことと同じかどうか。
なんとジョジョはユダヤ人を動物と同じだと思い込んでいたのです。
そんなジョジョは、エルサと何を話すでしょう?
【少しネタバレあり】
クライマックスは、ロージーが不在時に突然行われた秘密警察の家宅捜索。
そして、一番不可解なのは母親ロージーの行動!
悲しすぎる結末の一方で、エルサとジョジョの見せるエンディングの明るさに涙を流さずにはいられません。
第1位:『愛を読むひと』、時が流れて初めて解けた謎…

第1位は、恋愛感情が時の流れと共に昇華され、人生の財産になるような大きな人間愛に包まれる名作ではないでしょうか。
『愛を読むひと』は、15歳のあまり世間を知らない青年が、年の離れた女性に恋憧れるストーリーから始まります。
というと、年の差のために成就できなかった恋愛に切なて泣けるラブ・ストーリーと想像されるかも?
いいえ、事はもっと深刻な時代の深刻な事情があったのです。
あらすじ:いつも朗読をせがむ、年上の女性との出会い

通学途中で予期せぬ体調不良となった青年マイケル(ダフィット・クロス)は、たまたまハンナ(ケイト・ウィンスレット)という年上の女性のアパート前だったこともあって彼女に助けてもらいます。
しばらくして回復したマイケルは、お礼を言いにハンナのアパートを訪ねることに。
これをきっかけに親しくなった二人は、いつしか付き合い出すこととなります。
不思議なことに、ハンナがマイケルに会うたびにせがむのは、学生である彼が持っている本の朗読でした。
実はこの朗読には、ハンナの知られたくない事情が隠されていたのですが、物語の大きな伏線となっていきます…。
何の前触れもなく、姿を消したハンナの事情とは?
ある日のこと、いつものようにハンナのアパートを訪れたマイケルは愕然とします。
アパートはもぬけの殻。
何の前触れもなくハンナは忽然と姿を消していたのです。
バスの車掌をしていたことを聞いていたマイケルは、彼女の職場に尋ねるのですが、急に退職したとのことでした。
どんな事情か見当もつかず、失意に沈み込むしかないマイケル。
それだけでも涙が出そうですが、数年後への再開でマイケルは新たな衝撃を経験することになります。
被告人席に座るハンナと、傍聴席のマイケル

時は流れ大学の法科に進学していたマイケルは、学校の実習で実際に裁判が行われている法廷を訪ねていました。
運命のいたずらなのでしょうか、マイケルが再びハンナを見たのは被告人席に座る彼女でした。
裁判は、戦争時代のユダヤ人虐待を裁くもので、ハンナは収容所の看守をしていた時の罪を問われていました。
ハンナは、自らの無実を主張するも当時の収容所時代の同僚たちは、こぞってハンナに責任があると主張。
看守時代のいきさつをマイケルは知る由もなく、裁判の行方を見守るしかありません。
辛いのは、大好きだったハンナが一生懸命無実を主張する姿です。
もちろん、ハンナは傍聴席にマイケルがいることなど知りません。
無実の主張を突然撤回、自白するハンナ
祈るような気持ちで、ひたすらハンナの無実を願うマイケル。
しかし、途中から裁判は一転、意外な方向に向かいます。
それは、ハンナの罪を裏付ける当時の看守記録が提出された時です。
書類の署名欄にハンナのサインがあり、動かせない事実を突きつけられたのです。
しかし、ハンナは署名は自分のものではないと即座に否定。
結局、裁判官はハンナの筆跡鑑定をするためハンナに自分の名前を書くように指示をします。
その時、法廷内の全員が唖然となります。
ハンナは、収容所で起こったことやユダヤ人への行為はすべて自分に責任があるとして罪を全面的に認めたのです。
言葉にできない不条理、物語の謎は涙の結末へ…

悲しくて泣けることはたくさんあります。
しかし、時は流れその後映画の中で明かされるハンナの個人的事情。
マイケルには思い当たる過去が次々と蘇ってきたのです。
【少しネタバレあり】
もしかしたら彼女は字が読めない、字が書けない「文盲」だったのでは?
悲しみを通り越し、言葉にできない不条理に気持ちの行き場を失う、そんな辛さが襲ってきます。
そして、さらに時代は流れすっかり初老になったマイケルとハンナの二人がもう一度出会う場所。
無期懲役を言い渡されたハンナに連絡を取り、マイケルが訪れたのは刑務所の中だったのです。
できればハッピーエンドで終わってほしいという願いもむなしく最後は涙が止まらなくなります。
まとめ:尖っていた心がほぐれる時

映画を観て泣くツボは人それぞれかもしれません。
少なくともこの3作に筆者はほぼ最後辺りで涙が流れてきました。
3作中2作はつらい戦争の時代を背景にしていますが、今を生きている人たちにもそれぞれ山あり谷ありの人生があります。
どこかで安ど感に包まれ、ホッとできる時は必ず巡り巡ってきます。
そんな時、あえて「泣ける映画」を選んで鑑賞すると尖っていた心がほぐれていくのがわかります。
「映画セラピー」(映画での心理療法)とでも言うのでしょうか、ぜひ一度試してみてください。
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