幅広い役柄とその演技力で、キャリアの初期から注目を浴びてきたケイト・ブランシェット。
近年では、アカデミー主演女優賞にノミネートされた『TAR/ター』が記憶に新しいですね。
惜しくも受賞は逃しましたが、リアル作風と演技が話題になりました。
今回は出世作となった『エリザベス』から中性的魅力のボブ・ディラン役(『アイム・ノット・ゼア』)まで、筆者お気に入りの出演作品を紹介していきます!
最後は、こんな役もするんだという意外な新作『バーナデット ママは行方不明』も案内したいと思います。
(冒頭画像:引用https://www.facebook.com/movie.longride)
『エリザベス』(98)、国家と結婚した絶対女王!
95年からキャリアをスタートさせているケイト・ブランシェットですが、出世作といえばエリザベス一世を演じた『エリザベス』ではないでしょうか。
血縁者でもあるスコットランドのメアリ女王に幽閉されていたエリザベスが、弱冠25歳で英国女王に即位し、当時の恋人と言われていたロバート・ダドリーとの関係性が中心に描かれています。
「国家と結婚した」というエリザベス一世の強さと弱さを表現し、一躍スターとして注目されます。
本作の監督はインド出身のシェカール・カプール監督で、壮麗な画面作りで注目を浴びることとなりました。
■参考:動画配信・レンタル・本【管理人・選】
エリザベス:ゴールデン・エイジ(作品情報)
参考記事:イギリス王室の歴史が面白い映画『エリザベス』、英国史必見「絶対女王」への道!
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『ロード・オブ・ザ・リング』、神秘的な存在感!
ジュード・ロウやマット・デイモンと共演した『リプリー』(99)などを経た後、J.R.R.トールキンの名作小説『指輪物語』の映画化作品に参加します。
ニュージーランドという小さな国で、信じられないほどの労力をかけて作られた本作での役どころは、9000年以上生きているエルフのガラドリエル。
呪いの指輪を滅ぼすための旅をする主人公一行を迎え入れる、謎に包まれた神秘的な存在感がハマり役となりました。
参考記事:『ロード・オブ・ザ・リング』あらすじの原点は「旅の仲間」、「力の指輪」前に観たい名作
10年経っても変わらない!前日譚に再出演
三部作が公開されてから約10年後、2014年には前日譚の『ホビットの冒険』も映画化されます。
こちらの原作にはガラドリエルは登場していないのですが、クリストファー・リーやオーランド・ブルームなど、旧シリーズのキャストと一緒に再登場して話題となりました。
『ロード・オブ・ザ・リング』では見られなかった、ガラドリエルが魔法を使う場面も映画オリジナルとして組み込まれています。
ちなみに、Amazonプライムで配信されているドラマ『力の指輪』は、『指輪物語』よりも数千年前の世界を舞台にしたガラドリエルが中心となったシリーズです!
参考記事:遂にシーズン1完結『ロード・オブ・ザ・リング/力の指輪』、Amazonドラマ版の魅力を大解剖
『アイム・ノット・ゼア』(07)、中性的な魅力を!
『TAR/ター』でもタッグを組んだトッド・ヘインズ監督の『アイム・ノット・ゼア』は、※ボブ・ディランの伝記映画。
フォークシンガー、詩人、映画スターなど、ディランの持つ様々な面それぞれを6人の俳優が演じるという独創的なアプローチの作品です。
「ロックスター」としての、ボブ・ディランを熱演
リチャード・ギア、ベン・ウィショー、クリスチャン・ベールなどと並んで、ケイト・ブランシェットは男装でディラン役を演じました。
それぞれの俳優たちもさることながら、ケイトの「ロックスター」ディランは私たちのイメージするものに特に近い姿なのではないかと思います。そっくりです。
ケイト・ブランシェットは、これまでも『ベンジャミン・バトン』や『アビエイター』など、男性の俳優の相手役としての演技でも評価を受けてきました。
しかし、筆者はこういった中性的、もしくは無性的なイメージの役がかなり力強く表現できる俳優なのではと思います。
『アイム・ノット・ゼア』では、ヴェネチア国際映画祭で女優賞を受賞しました。
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※1994年に収録されたボブ・ディランのアンプラグド。ポップ界の巨匠が、静かに、情熱的に音を紡ぎだす。演奏を支えるのはおなじみの5ピースバンド。バッキー・バクスターはドブロをはじめ、マンドリンやペダル・スティール・ギターで色を沿え、ボブは愛用のマーチンでリズムを刻む…。【引用:Amazon】
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参考記事:TARのケイト・ブランシェット、マニッシュな魅力と磨かれたファッションアイコンを解説!
『オーシャンズ8』(18)、マニッシュ・ファッション!
ジョージ・クルーニー、ブラット・ピット主演のクライムアクションシリーズのスピンオフとして登場した『オーシャンズ8』。
ヘレナ・ボナム=カーターやアン・ハサウェイ、オークワフィナなどの女性スターを集めて制作された、いわば「女性版オーシャンズ」です。
サンドラ・ブロック演じるデビーはダニー・オーシャン(ジョージ・クルーニー)の妹という設定で、ケイト・ブランシェットはその相棒のルー役を演じました。
8人いるメンバーの中でも、ルーはマニッシュなファッションと少々お茶目な性格が特徴的な、オリジナル版のブラッド・ピットのようなポジション。
ベルベットのスーツやアニマル柄のタイ、スタジャンなどのアイテムを見事に着こなしています。
デビーとの関係にも過去に長い歴史があったことがそこかしこで匂わされます。
女性の共演者とコンビ的な扱いになっている珍しい役どころと言えるでしょう。
残念ながら続編の話題は出てきていませんが、この二人のやりとりや後日談をもっと観たい!と思った人も多いのではないでしょうか。
●ケイト・ブランシェット(Cate Blanchett)
誕生日:1969年5月14日生まれ
星座:おうし座
身長:174㎝
出身:オーストラリア
▶おすすめの代表作品
新作は等身大の女性像!幅広い役柄に注目
2023年公開の『バーナデット ママは行方不明』では、今回紹介してきたキャリアの中では珍しい役柄です。
ケイト・ブランシェットが演じるのは、報われない毎日にうんざりして家族旅行の前に失踪してしまうという、ごく普通の主婦のバーナデット。
共演に『ゴーストバスターズ』(16)や『宇宙人ポール』(11)のクリステン・ウィグ。サタデー・ナイト・ライブのレギュラーを務める人気のコメディアンです。
ジャンルとしてはコメディ映画ですが、メガホンを取っているのは『ビフォア・サンライズ』(95)や『6歳のボクが、大人になるまで。』(14)など、独創的な撮影方法やリアルな人間ドラマ、会話劇で知られるリチャード・リンクレイター監督です。
アメリカでは2019年に公開されたこの作品は、かなりの高評価を得た模様。
一体どんな化学反応が起きているのか楽しみですね!
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高校2年生で『アベンジャーズ』を観て以来の映画ファン。大学と大学院では映画研究にどっぷり浸かっていました。
アナログでファンアートを描いてはインスタグラムに載せています。楽し〜!
話題の作品や、そこにつながる過去の名作、注目のキャストなどをわかりやすく楽しく紹介していきたいです!
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