コロナ禍のもとでは、リモートワークする人も増え、職を失った、収入が減った、居場所を失ったなどのストレスで、DVやモラハラが増えていたと聞きます。
今回、弱者である女性や子供にDV&モラハラをする夫や父親を相手に、妻の逆襲を描くおすすめ映画4作品をご紹介します。
- The Invisible Man/邦題『透明人間』
- Herself/邦題『サンドラの小さな家』
- This Boy’s Life/邦題『ボーイズ・ライフ』
- Dolores Claiborne/邦題『黙秘』
1.The Invisible Man/邦題『透明人間』
2020年アメリカとオーストラリア合作で、監督はリー・ワネル。
1897年(!)H・G・ウェルズが発表した小説『透明人間』を原作としていて、1933年に公開された『透明人間』を現代版にアレンジしたのがこの作品です。
■『透明人間』原作のご案内
※真冬のアイピング村にこつぜんとあらわれたのは、けっして顔を見せない奇妙な男。(中略)悪意と憎しみにみちた透明人間が暴れだしたとき、ひとびとは見えない恐怖におびえる。やがてあきらかになる透明人間の哀れな過去とは? 科学文明を風刺したSF作家ウェルズの傑作。【引用:Amazon】
現在AmazonPrimeで1933年のオリジナル作品も公開されていますので、見比べてみるのもおススメです。
オリジナル映画はかなり古い白黒映画なのですが、この時代で透明人間を表現する技法に感服させられました。
現代版『透明人間』はAmazonPrimeとNetflixで視聴可能です。
現代版『透明人間』:キャストとあらすじをご紹介
- セシリア・カシュ役/エリザベス・モス
- エイドリアン・グリフィン役/オリヴァー・ジャクソン=コーエン
- ジェームズ・レイニア役/オルディス・ホッジ
- シドニー・レイニア役/ストーム・リード
- エミリー・カシュ役/ハリエット・ダイア―
- トム・グリフィン役/マイケル・ドーマン
夫エイドリアン(オリヴァー・ジャクソン=コーエン)の束縛生活から逃がれるため、妻セシリア(エリザベス・モス)はこっそり飲み物に薬を混入し、夫を熟睡させることに成功。
セシリアは実妹エミリー(ハリエット・ダイア―)に手伝ってもらって自宅から脱出することに成功するが、その後夫エイドリアンは自殺してしまう。
モラハラ夫から解放され喜ぶセシリアの元に、弁護士であるエイドリアンの兄トム(マイケル・ドーマン)から、夫の莫大な遺産を相続するためにはある条件を満たさなければいけないと言われる。
その条件とは?
またセシリアは、亡くなったはずのエイドリアンの気配を常に感じるようになり次第に正気を失っていくことに…
見どころ1:妻に執着する夫が怖すぎる!
海に面した、モダンなインテリアにチリひとつ落ちていない、ガラス張りの無機質な豪邸に暮らす主人公セシリアとエイドリアン夫婦。
このガラス張りの豪邸が、妻の行動を全て把握しないと気が済まないという男の心理も表している気がします。
経済的には何不自由ないものの、束縛の激しい夫から逃れようとするセシリアを、眠らせていたはずのエイドリアンが追いかけてくる姿はかなりの怖さ!
ちょっとした妻の仕草から、自分から逃げようとしている事を察する能力に長けているのがモラハラ男なのです。
見どころ2:セシリア役のエリザベス・モスの体を張った演技
亡くなったはずの夫エイドリアンの気配を感じ、目に見えない何ものかに殴られ引きずり回されるセシリア。
撮影はグリーンバック撮影なのですが、臨場感たっぷりに目に見えない透明人間に震える役姿を見事に演じ切っています。
見どころ3:恐怖のどん底に陥れられたセシリアの反撃のターン!
正気を失ったとして、ついに精神病院に入れられたセシリア。
しかし、光学科学者でもある夫エイドリアンが作った「ステルススーツ」(zozoスーツのような形状!)でエイドリアンの裏をかくラストは、DV夫にふさわしいエンディングとなっています。
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