3.This Boy’s Life/邦題『ボーイズ・ライフ』
アメリカの小説家トバイアス・ウルフの自伝小説『This Boy’s Life』を1993年に映画化。
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■『ボーイズ・ライフ』原作のご案内
※両親の離婚、新天地を求める旅の日々、継父の容赦ない仕打ち―。逆境にあっても活力に満ち、逞しく成長していく〈現代のトム・ソーヤ〉を生き生きと描く。現代アメリカ文学界を代表する実力派作家の自伝的長篇小説。【引用。Amazon】
『ボーイズ・ライフ』:キャストとあらすじをご紹介!
- トバイアス・ウルフ(トビー)役/レオナルド・ディカプリオ
- ドワイト役/ロバート・デ・ニーロ
- キャロライン役/エレン・バーキン
- ロイ役/クリス・クーパー
- チャック役/トビー・マグワイア
舞台は1957年アメリカ。
シングルマザーのキャロライン(エレン・バーキン)は、暴力的な彼氏ロイ(クリス・クーパー)と別れ、息子トビー(レオナルド・ディカプリオ)を連れて、オンボロの車でウラン鉱を探しに、フロリダからユタ州に向かっていた。
2人はウランを手に入れ大金を掴む話をしながら、プレスリーの歌を歌い陽気に車を走らせる。
しかし、到着した街ソルトレイクシティにはウラン鉱など無く、あきらめたキャロライン親子はここで生活をすることに。
トビーは決して品行方正な少年では無かった。
今度こそ母に迷惑などかけないようにと心に誓うが、転入した学校でもやはり問題を起こしてしまう。
キャロラインは学校から呼び出されるが、トビーには愛情深い母親だった。
別れたはずのロイがキャロラインを追いかけてきたため、二人はシアトルに向かって出発する。
キャロラインはシアトルで、3人の子持ちでシングルファーザーの紳士的な男性ドワイト(ロバート・デ・ニーロ)と出会い、夢中になる。
キャロラインは、ドワイトに反発するトビーよりも安定した生活を選び、ドワイトと結婚した。
しかし結婚初夜、キャロラインはあの紳士的だったはずのドワイトが暴力的で偏執的な思考の持ち主であることを知る。
暴力的で支配欲の強いドワイトは、トビーにも矛先を向けることに…
見どころ1.トビー役のディカプリオの演技の素晴らしさ
1993年公開の映画ですので、出演時のディカプリオは当時19歳でした。
まだあどけなさの残る可愛い顔で、エルビス・プレスリーに憧れる思春期の不良少年トビーが、DV・モラハラの継父に翻弄される少年をナチュラルに演じています。
男運の無い母キャロラインについていくしかない未成年トビー。
現在も実子への虐待死の事件が多いのですから、1950年代当時は、再婚同士のステップファミリーの継子と実子の格差はひどかっただろうと思います。
この映画でディカプリオは高く評価され、シカゴ映画批評家協会有望俳優賞、ロサンゼルス映画批評家協会のニュージェネレーション賞を受賞しました。
同年公開された『ギルバート・グレイプ』ではさらに演技力を増し、アカデミー助演男優賞にノミネートされています。
見どころ2.母キャロラインの男の見る目の無さ
夫と離婚し、暴力的な彼氏からやっと離れられたのに、紳士的に見えたドワイトに惹かれて再婚したキャロライン。
男の見る目の無さと書きましたが、実は心優しい女性ほどDV男のターゲットになりやすいんですよね。
DV男は、自分のいいなりになりやすく依存性の高い女性を見つける能力が高いのです。
キャロラインは、息子トビーがどんなにドワイトがひどいか訴えても、「どちらの側に味方しない」と宣言します。
シングルマザーで働きながら息子を養っていく苦労を考えてのこの言葉は、DVモラハラを受ける女性特有のものではないでしょうか。
キャロラインはこのままドワイトとの生活を続けていくのでしょうか?
見どころ3.ドワイトのハリボテだらけの紳士ぶり
キャロランとのデートには花束を贈り、いかに自分が魅力的な紳士であるかを見せつける口先だけの能無し男を、当時50歳のロバート・デ・ニーロが演じています。
『ゴッド・ファーザー』『タクシードライバー』『マイ・インターン』など、数々の名作に出演したデ・ニーロの演技のふり幅の大きさに驚かされます。
トビーに新聞配達させ、そのバイト代で自分のボーイスカウトの制服を買い、トビーには息子のお古を着せるクズっぷり。
承認欲求が強く自己肯定感は低いという哀れな中年男ドワイトを、テレビの歌番組に合わせ下手なサックスを吹くなど、大御所俳優デ・ニーロが演じているのは大きな見どころです。
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